結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第31048号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第1747334号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲に表示したとおりの構成よりなり、第11類「回転電気機械、配電用または制御用機械器具」を指定商品として、昭和56年7月27日に登録出願、同60年2月27日に登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、本件商標の指定商品中「配電用又は制御用の機械器具及びこれに類似する商品」についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
(1)請求の理由
請求人は、平成8年商標登録願第115641号を平成8年10月15日に登録出願したところ、本件商標と同一又は類似であるとして平成10年4月6日付けで拒絶理由通知を受けたので、本件商標の一部不使用取消審判請求を求める法律上の利害関係を有するものである。
本件商標は、その指定商品中「配電用又は制御用の機械器具及びこれに類似する商品」について、本請求の登録前、日本国内において3年以上使用されている事実がみられない。したがって、本件商標はその指定商品中「配電用又は制御用の機械器具及びこれに類似する商品」について、登録が取消されるべきである。
(2)第一弁駁
乙第1号証の広告中には、「絶縁形双方向性直流変圧器」という記載があるが、本文の中では、「本シリーズは、直流・直流変換器(DC−DCコンバータ)です。」との記載があり、MODEL RDD−0512の写真には、「ISOLATION AMPLIFIER」の記載がある。
「AMPLIFIER」とは、「新版電気電子用語事典(甲第1号証)」によれば「増幅器」であり、増幅器は「電気通信機械器具」含まれる商品である(甲第2号証)。
然るに、取消の対象である商品は「配電用又は制御用の機械器具」ある(甲第3号証)。したがって、絶縁形双方向性直流変圧器イコール増幅器である、増幅器での使用は本件取消対象商品の使用にはならない。
乙第2号証の広告には「多チャンネル絶縁増幅器カード」が商品として記載されているが、増幅器は「配電用又は制御用の機械器具」ではない。
乙第3号証の広告には「超高耐圧DC−DCコンバータ」と記載されているが、前述した乙第1号証によれば、DC−DCコンバータは増幅器であるから、増幅器での使用は本件取消対象商品の使用にはならない。
乙第4号証には「超高耐圧電圧センサ」、「DC−DCコンバータ」、「絶縁増幅器」と商品が記載されている。「超高耐圧電圧センサ」は電圧を計測し所定の電圧になったか否かを計測するものであり、群コード「11A04」の電圧計に相当するので、「配電用又は制御用の機械器具」に該当しない。「DCーDCコンバータ」については、乙第3号証に関連する記載が当てはまり、「絶縁増幅器」については、乙第1号証に関連する記載が当てはまる。
乙第5号証には「絶縁増幅器」と商品が記載されている。「絶縁増幅器」については、乙第1号証に関連する記載が当てはまる。
乙第6号証ないし乙第16号証については、商品に「ISOLATION AMPLIFIER」の記載がある。これは、「絶縁増幅器」のことであり、「絶縁増幅器」については、乙第1号証に関連する記載が当てはまる。
以上、被請求人の提出している証拠は、使用の証明にはならず、本件対象の登録商標は取り消されるべきである。
(3)第二弁駁
被請求人は、乙第1号証に記載してある絶縁増幅器「ISOLATION AMPLIFIER」は、変圧器機能、DC−DCコンバータ機能、電圧センサ機能、増幅器機能などを有する多機能構成の電気商品であると主張しているが、第一答弁では、その使用している商品が直流変圧器、絶縁増幅器、DC−DCコンバータ、電圧センサと主張して、絶縁増幅器とは別個の商品であるかのように主張しており、主張に変遷が見られ、その主張には信用性がない。
絶縁増幅器の内、8Z−205Sについて、電気回路を説明し、絶縁増幅器として使用する例を挙げているが、これは説明の通り、増幅器そのものである。
直流・直流変換器(DC−DCコンバータ)や、変圧器として使用する応用例が記載されているが、乙第5号証の8Z−205A、8Z−205Sの説明部分では絶縁アンプの使用例が説明されているのみで、直流・直流変換器(DC−DCコンバータ)や、変圧器として使用する例については一切記載がない。
従って、被請求人の主張は、そのような機能について、種々使用できると言っているに過ぎない。このような機能は、測定器にも使用できるし、光学機械器具にも使用できるし、電気通信機械器具にも使用できると言っているのと同等であり、専ら本件取消の対象である配電用又は制御用の機械に使用する商品ではない。
また、被請求人は、乙第17号証を挙げ、電気車輌に給電される電圧を検出する電圧センサーとしての使用例を挙げて説明しているが、これも以上と同様、机上で考えた使用例であり、使用の可能性を示したに過ぎず、専ら配電用又は制御用の機械に使用する固有の商品例ではない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由及び請求人の弁駁に対する答弁を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第17号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)第一答弁
本件商標は、商標権者が登録された商標形態で配電用又は制御用機械器具に使用している。
乙第1号証(平成10年4月15日発行のメカトロニクス)、乙第2号証(平成10年8月15日発行のメカトロニクス)、乙第3号証(平成10年1月1日発行のIEN)及び乙第4号証(平成10年5月1日発行のIEN)の広告雑誌には、本件商標を付した直流変圧器、絶縁増幅器、DC−DCコンバータ、電圧センサについて広告した掲載がある。
乙第5号証は、本件商標が付された絶縁増幅器の商品カタログである。この商品カタログは、平成9年3月3日に被請求人に納品され、その後継続して使用しているものであるが、それを証明するため、カタログ印刷者の納品証明書を添附する。
乙第6号証〜乙第13号証は、本件商標が付された絶縁増幅器が本件審判請求前の平成10年中に販売されたことを証明する納品証明書である。
乙第14号証と乙第15号証は、本件商標が付された絶縁増幅器のケ−スとシ−ルが納品され、本件審判請求前の平成10年中に本件商標が使用されていたことを示す証明書である。
乙第16号証は、本件商標が付された絶縁増幅器と、本件商標を付した絶縁増幅器を組み付けた制御部品を示す写真である。この写真は本件審判請求後に撮影したものであるが、上記した各乙号証より明らかである通り、本件商標を付した絶縁増幅器は本件審判請求前より販売されていたものである。
直流変圧器、DC−DCコンバータは配電用機械器具であり、電圧センサは制御用機械器具であること、また、絶縁増幅器が配電用又は制御用の機械器具として使用されるものであることは明らかである。例えば、絶縁増幅器は電気車輌に装備されている配電ボックスに組み込まれ、架線電源を車輌の各部の電気系統に配電したり、電気系統を制御する電気部品として使用されている。
(2)第二答弁
請求人の主張は、乙号証に示されている商品に「ISOLATION AMPLIFIER」の記載があることに基づいている。しかし、「AMPLIFIER」は電圧、電流、電力を増幅する増幅器であるが、「ISOLATION AMPLIFIER」は絶縁増幅器であってそのような単なる増幅器ではない。「ISOLATION AMPLIFIER」または絶縁増幅器と言う正式な名称の商品は存在しない。これら名称は被請求人が便宜上付けた造語であり、被請求人が長年使用していることから、その名称が乙号証の商品を示すものとして取引業者に広く知られている。
絶縁増幅器(ISOLATION AMPLIFIER)なる商品は、乙第5号証(商品カタログ)第31頁に記載してある内部構成図一覧等より明らかなとおり、入力側増幅器、出力側増幅器、変調器、復調器、変圧器、DC−DCコンバータが基本回路として備えられており、変圧器機能、DC−DCコンパ−タ機能、電圧センサ−機能、増幅器機能などを有する多機能構成の電気商品であって、用途にしたがって変圧器、DC−DCコンバータ、電圧センサー、絶縁増幅器として使用するものである。
このことから、乙号証に示されている商品が「配電用又は制御用の機械器具」に属することは明確である。
被請求人の提出に係る乙号証によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標を本件審判の請求に係る指定商品に含まれる「直流変圧器、DC−DCコンバータ、絶縁増幅器」について使用していたことを認めることができる。
この点について、請求人は、商品の表示中にある「AMPLIFIER」の語をとらえて、「新版電気電子用語事典(甲第1号証)」によれば、「AMPLIFIER」は増幅器を表すものであり、「増幅器」は電気通信機械器具の範疇に属する商品であること、又、絶縁増幅器は専ら配電用又は制御用の機械に使用する固有の商品ではないことを挙げて、取消請求に係る商品について使用しているとはいえない旨主張している。
しかしながら、商品のなかには、同じ商品表示であっても、その用途等によって、複数の商品区分あるいは異なる商品に属することとされているものもある。本件商標の指定商品である「回転電気機械、配電用または制御用機械器具」に属する商品のなかにも、例えば、抵抗器、接続器等の例示のように、基本的には「配電用または制御用機械器具」に属する商品ではあるが、その形態、寸法等が特殊なもので電気通信機械器具の部品としてのみ使用されるものは、「電気通信機械器具の部品および附属品」に属する商品として、同じ商品表示をもって例示されている。
そして、「増幅器」については、請求人の提出に係る甲第1号証(新版電気電子用語事典)からも明らかなように、その用途、形態は多様なものであることが認められる。そうとすれば、甲第2号証に表示されている増幅器の事例は、その用途等から電気通信機械器具の部品としてのみ使用される増幅器と判断され、「電気通信機械器具に属する増幅器」の事例として例示されたものとみるのが相当であり、これのみをもって、すべての「増幅器(AMPLIFIER)」と称される商品が電気通信機械器具に属する商品であると判断することはできない。
しかして、被請求人の使用に係る「絶縁増幅器」は、乙第5号証の商品カタログをはじめその他の乙号各証に照らしてみれば、変圧器、DC−DCコンバータ等の用途のもとに、電力、産業プラント、鉄道交通システム等に使用されるものであることが認められるから、「配電用または制御用機械器具」に属する商品というべきであり、電気通信機械器具に使用される仕様のものがあったとしても、「配電用または制御用機械器具」に属する商品として使用されていたことを否定し得ない。
したがって、本件商標の指定商品中「配電用又は制御用の機械器具及びこれに類似する商品」についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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