結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成10年審判第31317号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2215651号商標(以下、「本件商標」という。)は、「ANL」の文字を横書きしてなり、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、昭和62年5月6日に登録出願、平成2年3月27日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、「本件商標の指定商品中『回転電気機械、配電用または制御用機械器具』についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求める。」と申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1ないし第4号証を提出している。
(1) 本件商標について請求人が調査したところ、本件商標はその登録に係る指定商品中「回転電気機械,配電用または制御用機械器具」について、被請求人もしくは被請求人により使用許諾を受けた使用権者によって.過去3ケ年の間に、日本国内において使用された事実を認めることができないものである。
よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に該当し、その登録に係る指定商品中の上述の商品について登録を取り消されるべきである。
(2) 答弁に対する弁駁
(ア) 本件商標は、昭和34年法における旧第11類に含まれるすべての商品を指定商品とするものである。甲第1号証は、財団法人発明協会が発行する「商品類別集」に記載された類似商品審査基準(昭和61年3月改訂)の写しである。
この類似商品審査基準の第374〜第377頁には、昭和34年法における第11類に属する指定商品が示されており、この旧第11類の指定商品の中には「回転電気機械,配電用または制御用機械器具」と「電球類および照明器具」とが非類似の商品として示されている。被請求人が自ら登録商標を使用している商品と主張する「スイッチ」及び「プラグ」は、「回転電気機械,配電用または制御用機械器具」に含まれる商品ではなく、これら商品は「電球類および照明器具」の概念中の「放電灯用器具」に含まれるものである。
(イ) 甲第2号証は、審判事件答弁書の添付資料として提出された「乙第3号証」の写しである。この「乙第3号証」は、被請求人が本件商標を使用していると主張する「スイッチ」の構造を示す図面の写しである。この図面中の左上には、安全上の注意事項として「蛍光灯インバー夕のみで使用して下さい。」と記載されている。また、同図面中の右下には、器具設計上の注意事項として「1)器具内用です。器具外では使用できません。」と記載されている。さらにその下方の品番の欄には「MTスイッチ(インバー夕用)」と記載されている。これらの記載は、被請求人の主張する「スイッチ」が「電球類および照明器具」に含まれる「放電灯用器具」の一種である蛍光灯インバー夕の専用部品であることを裏付けている。
このようにこの商品は、照明器具の専用部品に過ぎず、取消の対象である指定商品「回転電気機械,配電用または制御用機械器具」に含まれる商品ではない。
(ウ) 甲第3号証は、審判事件答弁書の添付資料として提出された「乙第6号証」の写しである。この図面の右上の「製品仕様」の欄には、使用区分として「器具内用丸型蛍光灯器具」と記載され、また適合ランプとして「丸型蛍光灯」と記載されている。また、右下の品番には「キャッチ」と記載されている。被請求人は、商標が使用されている商品を「プラグ」と称しているが、この商品には前述の図面中の記載から明らかなように、丸型蛍光灯器具内で使用する丸型蛍光灯の保持具を兼ねたコネクタである。したがって、被請求人の主張する「プラグ」は、前述の「スイッチ」と同様に照明器具の専用部品であって、取消の対象である指定商品「回転電気機械,配電用または制御用機械器具」に含まれるものではない。
「回転電気機械,配電用または制御用機械器具」中における「配電用または制御用機械器具」とは、主として強電用の電気機器及びその制御器具を指すものである。
(エ) 甲第4号証は、オーム社から出版された「図解電気の大百科」の一部(写し)である。この「図解電気の大百科」の第573〜第583頁には、配電設備の諸概念が示されている。例えば、第577頁の図12.71及び12.72に示された「自動開閉器,制御装置,変圧器,遮断器,ヒューズ,継電器,断路器」等が「回転電気機械,配電用または制御用機械器具」に含まれるものであることは、甲第1号証の詳細を見れば明らかである。被請求人が主張する「スイッチ」及び「プラグ」は、これらの商品とは用途、製造者、販売ルートが全く異なるものであり、「回転電気機械,配電用または制御用機械器具」に含まれるものではない。
(オ) 以上のとおり、被請求人が主張する「スイッチ」及び「プラグ」は指定商品「回転電気機械,配電用または制御用機械器具」に含まれるものではなく、被請求人の主張は、本件商標の取消審判請求の理由を覆すものではない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第12号証(枝番号を含む。)を提出している。
(1) 本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内で商標権者により指定商品「回転電気機械,配電用又は制御用機械器具」中の「スイッチ」及び「プラグ」について使用されているものであるから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものではない。
(2) 平成11年3月11日付の答弁書において提出した証拠から明らかなように、被請求人は「ANL」商標を付した照明器具用の「スイッチ」及び「プラグ」を、それら自体独立して販売している(乙第4号証、乙第7号証の1及び2)。たとえ蛍光灯インバータ専用の「スイッチ」、もしくは照明器具用の「プラグ」であったとしても、独立して取引に供されている以上、これらは「回転電気機械、配電用又は制御用機械器具」の範疇に入れられるべきものである。仮に、これらの商品が、「電球類及び照明器具」の範疇に含まれるとすれば、照明器具用以外の「スイッチ」もしくは「プラグ」を製造・販売等する第三者による「ANL」と同一又は類似の商標の登録・使用も認められることになってしまい、「スイッチ」又は「プラグ」を購入する需要者間で「ANL」商標を付した商品の出所につき、誤認混同が生じてしまう。
したがって、被請求人の登録商標「ANL」の照明器具用「スイッチ」及び「プラグ」についての使用は、「回転電気機械,配電用または制御用機械器具」の範疇に含まれる商品の使用として認められるべきである。
(3) 上述のごとく、照明器具用「スイッチ」もしくは「プラグ」についての登録商標「ANL」の使用を立証することで、「回転電気機械,配電用または制御用機械器具」の範疇に含まれる商品についての登録商標の使用を十分立証していると思料するが、照明器具用「スイッチ」または「プラグ」が包含される類似群についての無用の係争を避けるべく、被請求人は「回転電気機械,配電用または制御用機械器具」に属する他の商品として「タイムスイッチ」及び「フロア用コンセント」についての「ANL」商標の使用の事実を立証する。「タイムスイッチ」及び「フロア用コンセント」についての「ANL」商標は被請求人の他、通常使用権者によっても使用されている。
(4) 上記の事実より明らかなように、本件商標は、本件審判請求の登録(平成11年1月6日)前3年以内に日本国内で商標権者により指定商品「回転電気機械,配電用または制御用機械器具」中の「スイッチ」、「プラグ」、「タイムスイッチ」および「フロア用コンセント」について使用されているものである。
先ず、請求人は、被請求人が本件商標を使用していると主張する「スイッチ、プラグ」は取消請求に係る指定商品「回転電気機械、配電用または制御用機械器具」に含まれる商品ではなく、「電球類および照明器具」の概念中の「放電灯用器具」に含まれるものであると主張しているので、この点について検討する。
本件商標の指定商品には「スイッチ、プラグ」は明示されていないが、岩波書店発行「広辞苑」(第5版)によれば、「スイッチ」は「電気回路を開閉する装置。電気開閉器。点滅器」とされ、「プラグ」は「電気機械で、回路を接続し、あるいは切断するために用いる差込み器具」とされている。しかして、政令で定める商品の区分によれば、本件商標の指定商品中の「配電用または制御用機械器具」の範疇に属するものとして「開閉器、点滅器」が例示されていることが明らかである。また、「電球類および照明器具」の概念中には「開閉器、点滅器」の例示はされていない。さらに、被請求人の提出に係る乙第4号証、乙第7号証の1及び2によれば、「スイッチ、プラグ」が単体で取引されていることが認められる。これらを総合すると、上記「スイッチ、プラグ」は「配電用または制御用機械器具」の範疇に属する商品といわざるを得ない。
次に、本件商標が取消請求に係る指定商品について使用されているか否かについて検討する。
被請求人が提出した乙第2号証及び乙第5号証の1の写真(スイッチ及びプラグを撮影したものと認められる。)には、本件商標と社会通念上同一と認め得る「ANL」の商標が付され、かつ、この商品の品番と乙第4号証、乙第7号証の1及び2の取引伝票に記載された品番とが一致していることが認められる。そして、該取引伝票は、本件審判請求の登録前3年以内の期間内に被請求人によって発行されたものであると認められる。
してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定商品中の「配電用または制御用機械器具」の範疇に属するものと認め得る「スイッチ、プラグ」について、被請求人によって使用されていたものというべきである。
したがって、本件商標の指定商品中請求に係る商品についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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