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Trademark Appeal Case

称呼の類否と語尾一音

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900246(T2011−900246/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5408217号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5408217号商標(以下「本件商標」という。)は、「メディキャリア」の片仮名を標準文字で表してなり、平成22年11月26日に登録出願、第35類「職業のあっせん,求人情報の提供」を指定役務として、同23年3月11日に登録査定され、同年4月22日に設定登録されたものである。

第2 申立ての理由の要点

1 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第5052221号商標(以下「引用商標」という。)は、「メディキャリエ」の片仮名と「Medi Carriere」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、平成18年9月26日に登録出願、第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同19年6月8日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

2 商標法第4条第1項第11号について

本件商標は「メディキャリア」の片仮名から構成されている。これに対し、引用商標は、片仮名と欧文字からなるが、それぞれの文字部分が分離して観察が可能であるから、片仮名の「メディキャリエ」部分を取り出して外観評価することができる。

そうとすると、両商標は、それぞれの片仮名中「メディキャリ」までは完全に一致し、わずか語尾において「ア」と「エ」との一文字の相違しかないから、両商標の外観は、相紛らわしく極めて類似する。

また、本件商標「メディキャリア」は、「Medical」(メディカル)と「Career」(キャリア)という英単語を語呂よく組み合わせたものであり、それぞれの語の有する意味合いから、「医学・医療の職業・経歴」という観念が生じるといえる。

これに対し、「Medical」(メディカル)と「Carriere」(キャリエ)という仏単語を語呂よく組み合わせた引用商標からは、「医学・医療の職業・経歴」という観念が生じるから、両商標の観念は一致する。

さらに、本件商標からは「メディキャリア」の称呼のみが生じ、引用商標からは「メディキャリエ」の称呼のみが生じる。

これらの称呼を比較すると、両称呼は7音の同数音からなり、語尾において、本件商標が「ア」、引用商標が「エ」という点で相違しているが、相違音はわずかにこの一音だけである。しかも、両者を実際に称呼した場合、全体の音感が近似し極めて相紛らわしいものであって、本件商標と引用商標の称呼は、全体の音感が近似することは明らかであるから、両商標の称呼は相紛らわしく極めて類似する。

また、本件商標の指定役務と引用商標の指定役務は、共通しているものである。

したがって、本件商標は、引用商標と観念が一致し、外観、称呼においても極めて類似し、全体として相紛らわしく類似する商標であるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

3 まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消されるべきである。

第3 当審の判断

1 本件商標について

本件商標は、前記第1のとおり、「メディキャリア」の文字を標準文字で表してなものであるところ、該文字は、同書・同大・等間隔で表されているところから、視覚上まとまりよく一体的に表されており、これより生ずる「メディキャリア」の称呼も格別冗長というべきものでなく、無理なく一連に称呼し得るものである。

そうとすると、本件商標は、その構成全体をもって一体不可分なものと認識、把握されるものとみるのが自然である。

してみれば、本願商標は、その構成文字に相応して、「メディキャリア」の称呼を生ずるものであり、また、特定の観念が生じない造語というのが相当である。

2 引用商標について

引用商標は、「メディキャリエ」の片仮名文字と「Medi Carriere」の欧文字とを上下二段に横書きしてなるところ、上段の「メディキャリエ」の片仮名文字が下段の「Medi Carriere」の欧文字の表音を表したものと無理なく認識し得るものであるから、これよりは、「メディキャリエ」の称呼が生ずるものであり、また、特定の観念が生じない造語というのが相当である。

3 本件商標と引用商標との類否

(1)称呼について

本件商標より生ずる「メディキャリア」の称呼と、引用商標より生ずる「メディキャリエ」の称呼とを比較すると、両称呼は、共に5音という短い音構成からなり、語尾における「ア」と「エ」の差異を有するものである。

しかして、「ア」と「エ」の母音の差異音は、語尾に位置するとしても、5音という短い音構成からなり、その音自体が強く止めるように発音、称呼されるといえるものであるから、該差異音が両称呼全体に及ぼす影響は必ずしも小さいとはいえず、それぞれを一連に称呼しても全体の音調・音感が異なり、称呼上互いに相紛れるおそれはないというのが相当である。

(2)外観及び観念について

本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上、判然と区別し得る差異を有するものであり、また、観念上において本件商標と引用商標とは、共に特定の観念を有しないものであるから、比較することのできないものである。

(3)以上のとおりであるから、本件商標と引用商標とは、その称呼、外観及び観念のいずれの点においても相紛れることのない非類似の商標といわざるを得ない。

4 むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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