sokuhyo

Trademark Appeal Case

称呼の類否と造語の音韻差

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900094(T2011−900094/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5374764号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5374764号商標(以下「本件商標」という。)は、「セロリン」の片仮名を標準文字で表してなり、平成22年8月26日に登録出願、第5類「薬剤,食餌療法用食品,食餌療法用飲料,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,耳帯,眼帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド」を指定商品として、同年11月25日に登録査定され、同年12月10日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由(要旨)

1 商標法第4条第1項第11号該当性

本件商標は、以下の登録第2171527号商標(以下「引用商標1」という。)及び登録第3331691号商標(以下「引用商標2」という。)と相紛れるおそれのある類似の商標であり、同一又は類似の商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

(1)引用商標1

引用商標1は、「SEROPHENE」の欧文字を表してなり、昭和61年2月7日に登録出願、第1類「薬剤」を指定商品として、平成元年5月26日に登録査定され、同年9月29日に設定登録されたものである。その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、同21年8月26日に指定商品を第5類「薬剤」とする指定商品の書換登録がされたものであり、現に有効に存続しているものである。

(2)引用商標2

引用商標2は、「SEROSTIM」の欧文字を表してなり、平成7年5月12日に登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、同9年6月5日に登録査定され、同年7月11日に設定登録されたものである。その後、同19年5月15日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものであり、現に有効に存続しているものである。

2 商標法第4条第1項第15号該当性

本件商標を、その指定商品中「排卵誘発剤」に使用したときは、引用商標1が付された商品と混同されるおそれがあり、また、「遺伝子組換え分泌型ヒト成長ホルモン」に使用したときは、引用商標2が付された商品と混同されるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

3 むすび

したがって、本件商標は、その指定商品中「薬剤」について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2の規定により、その登録が取り消されるべきである。

第3 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号について

(1)本件商標について

本件商標は、「セロリン」の片仮名を標準文字で表してなるところ、該文字は、辞書等に掲載されている成語ではないから、直ちに特定の意味合いを想起することのない造語と認められ、特定の観念を有しないものである。また、本件商標からは、その構成文字に相応して「セロリン」の称呼が生ずるものである。

(2)引用商標について

ア 引用商標1は、「SEROPHENE」の欧文字を表してなるところ、該文字は、辞書等に掲載されている成語ではないから、直ちに特定の意味合いを想起することのない造語と認められ、特定の観念を生じないものである。また、欧文字の造語からなる商標より生ずる称呼については、我が国において親しまれた英語の読みに倣った称呼を生ずるというのが相当であり、そうとすると、引用商標1からは、その構成文字に相応して「セロフェン」の称呼が生ずるとみるのが自然である。

イ 引用商標2は、「SEROSTIM」の欧文字を表してなるところ、該文字は、辞書等に掲載されている成語ではないから、直ちに特定の意味合いを想起することのない造語と認められ、特定の観念を生じないものである。また、欧文字の造語からなる商標より生ずる称呼については、我が国において親しまれた英語の読みに倣った称呼を生ずるというのが相当であり、そうとすると、引用商標2からは、その構成文字に相応して「セロスティム」の称呼が生ずるとみるのが自然である。

(3)本件商標と引用各商標との類否

ア 外観

本件商標と引用商標1又は2とは、その外観構成において顕著な相違を有することが明らかなものであるから、外観上相紛れるおそれはないものである。

イ 称呼

本件商標から生ずる「セロリン」の称呼と引用商標1から生ずる「セロフェン」の称呼についてみるに、両者は、共に4音構成からなり、異なるところは第3音の「リ」の音と「フェ」の音の差異である。しかして、「リ」の音は有声の弾音であって明りょうに発音、聴取されるのに対し、「フェ」の音は無声の摩擦音であって比較的弱く発音されるばかりでなく、比較的短い音構成にあっては、該差異音が称呼全体に与える影響は大きく、両称呼は、それぞれを一連に称呼した場合であっても、互いに聞き誤るおそれはないというべきである。

次に、本件商標から生ずる「セロリン」の称呼と引用商標2から生ずる「セロスティム」の称呼についてみるに、両者は、音構成及び構成音数が明らかに相違するから、十分に聴別し得るものである。

そうとすれば、本件商標と引用商標1又は2とは,たとえ語頭の「セ」及び「ロ」の音を共通にするとしても、上述したとおり、称呼全体をそれぞれ一連に称呼した場合には、互いに聞き誤るおそれはないというべきである。

ウ 観念

本件商標と引用商標1又は2とは、観念について比較することができず,観念上相紛れるおそれはないものである。

(5)小括

以上によれば、本件商標と引用商標1又は2とは、その外観、称呼及び観念のいずれからみても、相紛れるおそれのない非類似の商標である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

2 商標法第4条第1項第15号について

本件商標は、前記1のとおり、引用商標1又は2とは、何ら相紛れるおそれのない別異のものである。

また、申立人は、引用商標1又は2を使用した結果、引用商標1を付した排卵誘発剤の2010年の売上は1億2千万円弱、引用商標2を付した遺伝子組換え分泌型ヒト成長ホルモンの同年第1四半期の売上は約1千万円であり、共に広く知られた状況にあることから、本件商標を上記各商品に使用した場合は、申立人の商品の姉妹商品であるかのように、混同を生じるおそれがある旨主張する。しかしながら、申立人は、該商品の容器写しとその使用説明書などを提出するにとどまり、上記売上の事実を証する書面の提出や、販売に関する場所、数量、期間などの具体的に周知著名性を裏付ける証拠の提出はしていない。

そうすると、引用商標1又は2は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、需要者の間に広く認識されていたものということができない。

してみれば、本件商標をその指定商品中「排卵誘発剤」又は「遺伝子組換え分泌型ヒト成長ホルモン」について使用しても、これに接する取引者・需要者が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれはない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

3 むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものということができず、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。