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Trademark Appeal Case

商標周知性の立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−685002(T2011−685002/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

国際登録第1032832号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件国際登録第1032832号商標(以下「本件商標」という。)は、「Cloudy Cape」の欧文字を横書きに表し、1996年10月4日にGermanyにおいてした商標登録出願を基礎とし、2010年(平成22年)1月29日に国際登録されたものであり、同年4月8日にその指定商品を第33類「Alcoholic beverages,except beers.」とした国際商標登録出願とみなす我が国を領域指定する通報がされ、同年8月18日に登録査定、同年12月3日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は、次のとおりであり、それらの商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。以下、これらの商標を一括していうときは、「引用各商標」という。

(1)登録第5142456号商標(以下「引用商標1」という。)

引用商標1は、「CLOUDY BAY」の欧文字を標準文字で表してなり、平成19年12月7日に登録出願、第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同20年6月20日に設定登録されたものである。

(2)登録第5400759号商標(以下「引用商標2」という。)

引用商標2は、別掲のとおりの構成からなり、平成22年10月22日に登録出願、第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同23年3月25日に設定登録されたものである。

3 登録異議申立ての理由の要点

申立人は、前記2(1)及び(2)の商標を引用し、申立人が「ワイン」に使用して周知・著名となった引用各商標を想起させる本件商標が「ワイン」と同一・類似又は関連性の高いその指定商品に使用された場合、商品の出所の混同を生ずるおそれがあるから商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであり、その登録は取り消されるべきであると申立て、証拠方法として甲第1号証ないし甲第94号証を提出している。

4 当審の判断

(1)引用各商標の周知著名性について

申立人の主張及び同人の提出に係る証拠によれば、以下の事実を認められる。

ア 申立人は1985年に設立され、申立人の製造に係る引用各商標が付されたワイン(以下、これを「申立人商品」という。)は世界30カ国で販売されている(甲51)。

イ 申立人商品は、主に東京や大阪を中心にレストラン、ワイン専門店などで販売されている(甲53)。

ウ 申立人商品は、「世界の名酒事典」に1994年から現在(2011年)に至るまで掲載されている(甲6〜20)。

エ 申立人商品のプロモーション活動(甲24〜36)。

オ 雑誌・インターネットなどでの申立人商品の宣伝情報(甲37〜91)。

上記アないしオで認定した事実によれば、引用各商標は、我が国において、一定程度の周知性を有するものと認められるものの、申立人が申立人商品を1985年から販売して以来、我が国における発売開始時期がいつなのか、本件商標の出願時及び登録査定時においてどのくらいの売り上げ実績があるのかなど、引用各商標が我が国において周知となった客観的な事実の証明がなされていない。

してみると、申立人が提出した甲各号証をもってしては、引用各商標が申立人の業務に係るワインを表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、日本国内における需要者の間に広く認識されていたと認めることはできない。

(2)本件商標と引用各商標との類否について

ア 本件商標は、前記1のとおり、「Cloudy Cape」の欧文字を横書きに表してなるものである。

そして、本件商標は、その構成中の「Cloudy」及び「Cape」の各文字の語頭の「C」の文字がそれぞれ大文字で始まり、また、「Cloudy」文字と「Cape」の文字との間にわずかな間隔があるものの、これらは、同じ書体及び同じ大きさで表され、外観的特徴に差異がないことから、全体としてまとまりよく一体的なものとして認識されるものであるが、同時に、「Cloudy」の語と「Cape」の語からなるものと容易に認識できるものでもある。

しかして、「Cloudy」の語が「曇った、濁った」、「Cape」の語が「岬」の意を有する英語[ともにジーニアス英和大辞典 株式会社大修館書店から]であるから、本件商標は、その構成文字全体から「曇った岬」の観念を生じることがあるとみても自然である。

そうとすれば、本件商標は、その構成文字に相応して、「クラウディケイプ」の称呼のみを生じ,「曇った岬」の観念を生じるものである。

イ これに対し、引用商標1は、前記2(1)のとおり、「CLOUDY BAY」の欧文字を標準文字で表してなるものである。

そして、引用商標1は、その構成中の「CLOUDY」及び「BAY」の文字との間に1文字程度の間隔があるものの、これらは、同じ書体及び同じ大きさで表され、外観的特徴に差異がないことから、全体としてまとまりよく一体的なものとして認識されるものであるが、同時に、「CLOUDY」の語と「BAY」の語からなるものと容易に認識できるものでもある。

しかして、「BAY」の語が「湾」の意を有する英語[ジーニアス英和大辞典 株式会社大修館書店]であるから、引用商標1は、その構成文字全体から「曇った湾」又は「濁った湾」の観念を生じることがあるとみても自然である。

そうとすれば、引用商標1は、その構成文字に相応して、「クラウディベイ」の称呼のみを生じ,「曇った湾」又は「濁った湾」の観念を生じるものである。

ウ また、引用商標2は、前記2(2)のとおり、淡い黄色地の矩形内に、「CLOUDY BAY」の欧文字を上段に表し、大きく離れた下方に、三連の山並み風の図形を黒い濃淡を付けたシルエットで表した構成からなるものであり、該文字部分と該図形部分とは、何ら共通性もなく、かつ、視覚上明確に分離されて看取されるものである。

そして、引用商標2の構成中、上段の「CLOUDY BAY」の欧文字は、上述した引用商標1の認定と同様に、「クラウディベイ」の称呼のみを生じ,「曇った湾」又は「濁った湾」の観念を生じるものである。

また、該図形部分は、シルエットで表されていることもあり、特段の称呼及び観念が生じない図形と認められるものである。

そうとすれば、引用商標2は、その構成文字に相応して、「クラウディベイ」の称呼のみを生じ,「曇った湾」又は「濁った湾」の観念を生じるものである。

エ そこで、本件商標と引用各商標との類否について検討すると、本件商標は、「Cloudy Cape」の欧文字からなるのに対し、引用商標1は「CLOUDY BAY」の欧文字を、引用商標2は「CLOUDY BAY」の欧文字及び三連の山並み風の図形の構成を、それぞれ表してなるものであるから、両者は、外観上明らかに相違するものである。

次に、称呼の比較については、本件商標から生じる「クラウディケイプ」の称呼と引用各商標から生じる「クラウディベイ」の称呼とは、前者が7音の音構成からなるのに対し、後者は6音の音構成であり、さらに、語頭から始まる「クラウディ」の音を同じくするものの、語後半において「ケイプ」の音と「ベイ」の音の明らかな差異を有するものであるから、全体の語調,語感が異なり、両者は、互いに相紛れるおそれはない。

さらに、観念については、本件商標及び引用各商標は、上述したとおり、ともに「Cloudy」、「CLOUDY」の語を有するとしても、これに続く「Cape」の語が「岬」、「BAY」の語が「湾」といった明らかに異なる語義を有するものであるから、「曇った岬」の観念が生じる本件商標と、「曇った湾」「濁った湾」の観念が生じる引用商標とは、観念において相紛れるおそれはない。

そして、他に本件商標と引用各商標とを類似のものとすべき事由は見いだせない。

してみれば、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。

(3)商標法第4条第1項第15号の該当性について

本件商標と引用各商標とは、前記したとおり、非類似の商標であり、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるばかりでなく、引用各商標が、本件商標の登録出願時及び査定時において、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、我が国における取引者・需要者の間に広く認識されていたものとは認めることができない。

してみれば、本件商標は、これを商標権者がその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

(4)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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