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Trademark Appeal Case

商標不使用取消と金型販売

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2011−300173(T2011−300173/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。
審判費用は,請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第1291324号商標(以下「本件商標」という。)は,黒色に塗りつぶした横長の長方形内に「向陽技研株式会社」の文字を太ゴシック体で白抜きにした構成からなり,昭和48年12月25日に登録出願,第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同52年8月12日に設定登録され,その後,商標権の存続期間の更新登録が3回にわたりなされ,さらに,平成19年7月11日に,第6類「金属製の滑車・ばね及びバルブ(機械要素に当たるものを除く。),金属製管継ぎ手,金属製フランジ,キー,コッタ」,第7類「金属加工機械器具,動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。),陸上の乗物用の動力機械の部品,自動スタンプ打ち器,機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)」及び第12類「陸上の乗物用の機械要素」とする指定商品の書換登録がなされ,現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張

請求人は,本件商標の指定商品中の第7類「金属加工機械器具」について登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。との審決を求め,その理由を次のように述べた。

1 請求の理由

本件商標は,その指定商品中の第7類「金属加工機械器具」について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権又は通常使用権のいずれも使用した事実が存しないから,商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

請求人は,被請求人の答弁に対し弁駁していない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は,結論同旨の審決を求めると答弁し,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第14号証を提出した。

1 理由

被請求人は,商標「向陽技研株式会社」を「金属加工機械器具」に付して,これを販売(譲渡)している。その販売(譲渡)行為は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において行われ,商標の使用といえるから,請求人の主張には理由がなく本件審判の請求は成り立たない。

(1)被請求人は,一般プレス加工並びに自動送り金型の設計製作を事業として営んでおり,「プレス加工金型」を製造し,これに濃い青色に塗り潰した横長の長方形内に「向陽技研株式会社」の文字を太ゴシック体で白抜きにした標章(以下「使用商標」という。)を付して販売・譲渡している。

被請求人は,一旦販売した上記金型を取引会社である富士通フロンテック株式会社(以下「富士通フロンテック」という。)及びアイリスチトセ株式会社(以下「アイリスチトセ」という。)から預かり,この両者からプレス加工を受注するという事業の態様を採用しているが,その金型の所有権は取引会社に残存している。

具体的には,被請求人は,富士通フロンテック及びアイリスチトセに対して,両者が各々扱っている商品のための部品をプレス成型するための金型を,製造・販売している。

したがって,前述の販売(譲渡)は,商標法第2条第3項第1号及び同第2号に規定する商標の使用に相当し,「プレス加工金型」は,「金属加工機械器具」に分類される「プレス用金型」に該当する。

(2)上述の事実を証明するため,被請求人は次の各号証を提出する。

ア 乙第1号証は,被請求人の会社の社員が使用している名刺である。これは,当該名刺の裏面に主な営業内容として「各種プレス金型製作」と印刷され,被請求人が「プレス加工金型」(プレス金型)の製造(製作)を行っていることを示すものである。

イ 乙第2号証ないし乙第8号証は,富士通フロンテックに関連した使用の証明である。

乙第2号証及び乙第3号証は,被請求人が富士通フロンテックに販売した金型についての2008年9月1日付の金型に関する見積書と同年9月30日付の請求明細書(控)である。

乙第4号証ないし乙第7号証は,ラチェットアーム2の金型を撮影した写真である。

乙第8号証は,ラチェツトアーム2が使用されている製品の広告が掲載されている富士通フロンテックのホームページである。

被請求人は,富士通フロンテックに対し,ラチェットヒンジ(KD49006−0090)の構成部品としての「ブラケット」「アーム」「カム」をプレス加工するための金型(プレス用金型)を販売し,その見積書及び請求明細書を送っている。

乙第4号証は,前記ブラケット用のプレス用金型を撮影した写真であって,外形抜き型(FTG−020−A02−01),穴あけ型1(FTG−020−A02−02),穴あけ型2(FTG−020−A02−03),曲げ型1(FJT−202−A02),曲げ型2(FTG−020−A02−05),切断型(FTG−020−A02−06)のプレス用金型が使用されることを示す。

乙第5号証は,前記ア−ム用のプレス用金型を撮影した写真であって,外形抜き型(FTG−010−A02−01),穴あけ型(FTG−010−A02−02),曲げ型(FTG−010−A02−03),切断型(FTG−010−A02−04)のプレス用金型が使用されることを示す。

乙第6号証は,上記カム用のプレス用金型を撮影した写真であって,押し型(FTG−050−A01−01)と送り抜き型(FTG−050−A01−A02)のプレス用金型が使用されることを示す。

これらの乙第4号証,乙第5号,乙第6号証の各金型は,2008年9月30日に被請求人から富士通フロンテックへ譲渡されたものである。

そして,前記各金型には,本件商標と社会通念上同一と認められる商標(使用商標)が表示されている。

ウ 乙第9号証ないし乙第11号証は,アイリスチトセに関連した使用(その1)を証明である。

乙第9号証は,被請求人のアイリスチトセに関する得意先台帳であり,乙第10号証は,NDCT安全カバー用金型を撮影した写真である。

乙第11号証は,アイリスチトセのカタログ(抜粋)である。このカタログに掲載された「NDCTtype」のテ−ブルの天板と脚との枢結部位に使用される安全カバーを製造するためのプレス用金型として,乙第9号証の得意先台帳に2009年12月21日金型代(安全カバー)と記載され,乙第10号証に示された3組の金型が使用されている。

エ 乙12号証ないし乙14号証は,アイリスチトセに関連した使用(その2)を証明である。

乙第12号証は,被請求人のアイリスチトセに関する得意先台帳であり,乙第13号証は,CKV三角フランジ穴あけ型金型を撮影した写真である。

乙第14号証は,アイリスチトセのカタログ(抜粋)であり,このカタログに掲載されたCKV570(スチ−ル昇降脚)のテ−ブルを製造するための金型として,乙第12号証の得意先台帳に,2009年1月22日CKV三角フランジ穴あけ金型と記載され,乙第13号証に示された金型が使用されている。

2 まとめ

上述のとおり,被請求人(商標権者)が,本件商標を,2008年9月30日,2009年1月22日及び2009年12月21日に,「金属加工機械具」について使用していることは明らかであり,この使用は本件審判の請求の登録前3年以内にされたものであるから,本件商標は,商標法第50条第1項の規定に該当せず,その登録を取り消されるべき事由はない。

第4 当審の判断

(1)乙第1号証ないし乙第6号証によれば,以下の事実が認められる。

ア 乙第1号証は,被請求人会社の営業部課長の名刺であるが,その名刺の裏面には,主な営業内容として「■各種プレス金型製作」,「■自動プレス加工全般」などの記載がある。

イ 乙第2号証は,被請求人が「富士通フロンテック」に宛てた2008年9月1日付けの「ラチェットヒンジ(KD49006−0090)用金型明細書」であるが,これには,その明細として部品名,金型名,金型費用及び備考欄が設けられ,各部品に対応する明細が記載されており,部品名「ブランケット」には,「外形抜き型/320,000/図番FTG−020−A02−01」,「曲げ型2/220,000/図番FTG−020−A02−05」などのように,6種類の金型名,金額及び図番の記載がある。

また,部品名「アーム」及び「カム」にも,それぞれ「外形抜き型/320,00/図番FTG−010−A02−01」,「押し型/160,00/図番FTG−050−A01−02」などのように,アーム4種類,カム2種類の金型名,金額及び図番の記載がある。

ウ 乙第3号証は,被請求人が「富士通フロンテック」に宛てた2008年9月30日付けの「請求明細書(控)」であるが,これには,その明細として,日付,伝票番号,商品名,単価欄などが設けられ,伝票番号「30417」に対応する商品名,単価の欄には,「FTG−020−A02−05−BEN01/220,000」,「FTG−020−A02−01−COM01/320,000」などのように,乙第2号証の金型明細書のブランケット,アーム及びカムの備考欄に記載された図番と一致する「欧文字と数字からなる表示」とその金額の記載がある。

エ 乙第4号証は,「ラチェットアーム2 ブラケット金型」の表題のある写真であるが,これには,使用商標が表示された12個の金型が写され,その写真の余白部分に,「曲げ型2/FTG−020−A02−05」,「外形抜き型/FTG−020−A02−01」などのように,乙第2号証に記載された部品名「ブランケット」に対応する6種類の金型と同じ金型名と図番の記載がある。

また,乙第5号証及び乙第6号証は,「ラチェットアーム2 アーム金型」及び「ラチェットアーム2 カム金型」の表題のある写真であるが,これらにも,乙第4号証と同様に使用商標が表示された複数の金型が写され,その写真の余白部分に,「穴あけ型/FTG−010−A02−02」,「押し型/FTG−050−A01−01」などのように,乙第2号証に記載された部品名「アーム,カム」に対応する6種類の金型と同じ金型名と図番の記載がある。

(2)前記(1)で認定した事実及び被請求人の主張によれば,以下のとおり判断するのが相当である。

ア 使用者について

被請求人は,一般プレス加工,金型の設計・製作などを行う事業者であるところ,取引先から商品のプレス加工を受託された場合,取引先の商品に応じた金型を製作し,これを取引会社に販売した上で,被請求人がその金型を預かり,取引先からプレス加工を受注するという形態の事業を行っていることが認められる。

そして,乙第2号証及び乙第3号証によれば,乙第4号証ないし乙第6号証に写された使用商標が表示された「ラチェットアーム2のブラケット金型,アーム金型及びカム金型」が,2008年9月30日に,被請求人から富士通フロンテックに譲渡(販売)されたことが認められる。

イ 使用商品,使用時期及び使用商標について

前記のラチェットアーム2のブラケット金型,アーム金型及びカム金型などの金型は,「金属加工機械器具」の範疇に属する「プレス用金型」に相当する商品であり,また,これらの金型に表示された「濃い青色に塗り潰した横長の長方形内に向陽技研株式会社の文字を太ゴシック体で白抜きにした使用商標」は,本件商標と横長の長方形の色のみが相違するものであって,本件商標と社会通念上同一の商標と認められ,かつ,2008(平成20)年9月30日は,本件審判の請求の登録前3年以内である

ウ 以上によれば,本件商標の商標権者は,請求に係る指定商品中の「プレス用金型」に本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を付して,本件審判の請求の登録前3年以内である2008年(平成20)年9月30日に,富士通フロンテックに譲渡したことが認められる。

そして,被請求人(商標権者)の上記行為は,「商品又は商品の包装に標章を付する行為」及び「商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し,引き渡し,譲渡若しくは引渡しのために展示し,輸出し,輸入し,又は電気通信回線を通じて提供する行為」(商標法第2条第3項第1号,同第2号)に該当するものである。

(3)むすび

以上のとおりであるから,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,商標権者が本件請求に係る指定商品中の「プレス用金型」に本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したと認め得るところである。

したがって,本件商標の登録は,請求に係る商品第7類「金属加工機械器具」について,商標法第50条の規定により,取り消すことができない。

よって,結論のとおり審決する。

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