結論テキスト
審判費用は,請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2011−890060(T2011−890060/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第5336672号商標(以下「本件商標」という。)は,「EASY FIT」及び「イージーフィット」の文字を上下二段に横書きしてなり,平成21年6月5日に登録出願,第3類「化粧水,香水類」を指定商品として,平成22年3月31日に登録査定,同年7月9日に設定登録されたものである。
請求人は,本件商標の登録を無効にする,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,甲第1号証ないし甲第4号証(枝番を含む。なお,請求人は「資料」としているが,「甲号証」と読み替える。以下同じ。)を提出している。
(1)請求理由1
本件商標は,平成21年6月5日に登録出願されたものであるが,請求人はこれより前の平成16年11月17日に,商標同一,指定商品も同一性(化粧品と化粧水,香水類の差のみ)のものを登録出願したところ,これに対して,拒絶理由通知書(甲第1号証)に示されるとおり,「・・・構成文字全体としては,『簡単に使用でき,フィット感あるいはフィットカのあるもの』程度の意味合いを表したものと認識されるに止まると認められ,これをその指定商品に使用しても,単に商品の品質を表すにすぎず,自他商品の識別標識として機能し得ないものと認める。したがって,本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定され,拒絶の査定がされたものである。
請求人としては,この査定に対して,その指定商品について,「EASYFIT」「イージーフィット」なる商標が使用できるのであればと考え,審判の請求を行なわなかった次第である。
しかるに今回,請求人と同一の商標が,同一性の指定商品で登録になったことは非常な驚きであり,請求人としては考えてもいないところである。
本来,先に化粧品との関係において,識別力がないとされたものが,わずかの間に識別性を有するようになり,登録されることは通常あり得ない。
そもそも,本件の如き事実はあってはならないことであり,請求人としては到底理解し得ず,法のもとに平等であるべき審査が不平等であってはならず,審判での再考を望む次第である。
なお,請求人はこの点について異議申立をしたが,事案が異なるという通り一遍の理由により却下されている(甲第2号証)。
(2)請求理由2(本件商標の識別力)
本件商標は,「EASYFIT」及び「イージーフィット」の文字を二段に併記してなるところ,その構成中の「EASY」及び「イージー」の文字は,「簡単,易しい」を意味し,また,「FIT」及び「フィット」の文字は,「合った,適切」を意味する英語としてよく知られ,理解されていることから,「EASYFIT」及び「イージーフィット」の文字よりは,「簡単に使用でき,フィット感あるいはフィットカのある」程度の意味合いを示すことは容易に知りうるところである。
しかも,これを取り扱う化粧品業界においても,「イージー」及び「EASY」並びに「フィット」及び「FIT」の文字が商品の品質,効能を表す語として使用されている事実がある(甲第3号証)。
そうすると,本件商標をその指定商品中,「化粧品」又はその中の一部である「化粧水」に使用しても,これに接する取引者,需要者は「簡単に使用できるフィット感のある化粧品又は化粧水である。」と認識するに止まり,自他商品の識別力を有することができないというべきである。
(3)むすび
以上のとおり,本件商標は,商標法第3条第1項第3号により,登録されてはならないものであり,その登録を無効にすべきものである。
被請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第7号証を提出している。
(1)請求理由1について
被請求人は,本件商標の審査過程において,請求人が示した甲第1号証と同様に,担当審査官から,本件商標が商標法第3条第1項第3号,同法第4条第1項第16号に違反する旨の拒絶理由通知書を受け(乙第1号証),これに対し,当時すでに本件商標を「化粧水」について使用を開始していたこともあり,指定商品を「化粧水,香水類」に限定する手続補正書を提出し,さらに本件商標を指定商品中の「化粧水」に使用した事実を示す参考資料1として提出し,本件商標について登録が認められたものである。
(2)請求理由2について
請求人が提出した証拠は,「イージー」又は「フィット」の語が,それぞれ単体で,あくまでも品質等の表示として普通に用いられた例を示しているにすぎず,全体一連一体の商標としての本件商標の構成全体について,品質,効能表示として使用されている例を示したものではない。
また,本件商標のように「EASY」及び「イージー」又は「FIT」及び「フィット」の語を一部に有し,これを他の語と結合してなる商標に関しては,審決等で登録が認められ,あるいは登録が維持されている(乙第4号証ないし乙第6号証)。
(3)本件商標の使用事実等
本件商標に関しては,既に男性用の化粧水のブランドとして大々的に使用しており,実際,需要者・取引者において被請求人の商標として認識されるに至っている。
また,「イージーフィット」の文字列のみを入力検索すると,他社ブランドの「マスク」の他,被請求人の商品に関する検索結果が上位を示し,いずれにしても本件商標が化粧品等の品質,効能表示であることを積極的に示す検索結果は何ら発見できない。
(4)結論
以上のとおり,本件商標は,指定商品において,品質,効能等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標に該当するものではなく,請求人の主張は失当である。
また,現在,本件商標が自他商品識別力を有する商標として誠実に使用されていることについても明白である。
したがって,本件審判の請求は成り立たない。
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本件商標は,前記1のとおり,「EASY FIT」及び「イージーフィット」の文字を上下二段に書してなるものである。
そして,請求人は,本件商標からは「簡単に使用でき,フィット感あるいはフィット力のある」程度の意味合いを容易に理解し得るとし,化粧品業界においては「EASY」及び「イージー」の文字並びに「FIT」及び「フィット」の文字自体が商品の品質,効能を表示する語として使用されている事実がある旨主張し,証拠を提出している。
確かに,「EASY」及び「イージー」の文字は「容易な(に),やさしい」等の意味を有する語として,「FIT」及び「フィット」の文字は「ふさわしい,適した,洋服などが体にぴったり合う」等の意味を有する語として,それぞれ知られており,請求人の提出に係る証拠によれば,化粧品業界においては,「イージーアイライナー」,「イージーウォータープルーフ」,「イージークレンジングベース」,「スーパーフィットアイライナー」,「クイックフィットパウダー」,「パーフェクトフィットパウダーファンデーション」の如くに使用されている事実が認められる。
しかしながら,両語を結合した「EASY FIT」及び「イージーフィット」の文字は,親しまれた既成の観念を有する一連の成語として知られているとは認め難いばかりでなく,請求人の提出に係る証拠を精査してみても,本件指定商品「化粧水,香水類」の品質,効能等を具体的に表示するものとして使用されている事実は見いだすことができない。
そうすると,本件商標をその指定商品について使用しても,これに接する取引者,需要者が商品の品質,効能等を直接的,具体的に表示したものとして認識し理解するようなことはなく,自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものというべきである。
したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第3号に該当しない。
(2)請求人の主張について
請求人は,本件商標の先願に係る同一の商標が同一商品につき登録を拒絶されたにも拘わらず,その後間をおかずに本件商標が登録されたことは,審査が不平等である旨主張している。
しかしながら,乙第1号証ないし乙第3号証によれば,本件商標は,請求人の先願商標と同様に,審査段階において商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の拒絶理由を通知されたが,被請求人が意見書を提出すると共に指定商品を補正した結果,登録されたものであることが明らかである。
一方,請求人は,当庁からの拒絶理由通知に対し,何らの対応も行わなかったものである。
してみれば,請求人の先願商標と本件商標については,公平な審査が行われたものというべきであり,両者の審査に何ら不平等性は存在しないから,請求人の主張は採用することができない。
(3)むすび
以上によれば,本件商標は,商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものではないから,同法第46条第1項の規定に基づき,その登録を無効とすることはできない。
よって,結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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