1 本願商標
本願商標は,「ASIA CATASTROPHE POOL」の文字を書してなり,第36類「Accident insurance underwriting;consultancy (insurance);evaluation (insurance);financial evaluation (insurance);fire insurance underwriting;health insurance underwriting;information (insurance);insurance underwriting;life insurance underwriting;marine insurance underwriting;provision of financial/insurance information;provision of insurance services to reinsurance companies;reinsurance;reinsurance services.」を指定役務として,2009年3月2日シンガポール共和国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,2009年(平成21年)8月25日に国際商標登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は,「本願商標は,『ASIA CATASTROPHE POOL』の文字を普通に用いられる方法で表してなるところ,該構成文字よりは,『アジア地域における災害のための保険者の連合又はシンジゲート』の意味合いが理解されるから,これを指定役務に使用するときは,その役務の質を表示するにすぎないものと認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記の質を有する役務以外の役務に使用するときは,役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから,同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は,前記1のとおり,「ASIA CATASTROPHE POOL」の文字を書してなるところ,その構成中の,「ASIA」の文字は地域の名称としての「アジア」を,「CATASTROPHE」の文字は「大災害」(ランダムハウス英和辞典)の意味を理解させ,「POOL」の文字は,本願商標の指定役務との関連において「企業連合,共同出資,共同管理,共同基金,合同資金」(ランダムハウス英和辞典)の意味合いを理解させるので,その構成全体から,「アジア地域の大災害の企業連合」,「アジア地域の大災害の共同出資」,「アジア地域の大災害の合同資金」といった意味合いは理解されるが,原審で説示するような「アジア地域における災害のための保険者の連合又はシンジゲート」といった意味合いは,直ちに理解されるとはいえない。
さらに,当審において調査しても,本願商標の指定役務を取り扱う業界において,「ASIA CATASTROPHE POOL」の文字が,役務の質などを表示するものとして一般に認識されているというに足る実情も発見できない。
そうすると,本願商標は,原審で説示するような「アジア地域における災害のための保険者の連合又はシンジゲート」といった意味合いを暗示させる場合があるとしても,それにとどまるというべきであって,これをその指定役務について使用しても,直ちに特定の役務の質などを直接的又は具体的に表示するものとして,一般に理解されているとは認め難いものである。
してみれば,本願商標は,その指定役務のいずれに使用しても,役務の特定の質などを表示するものとはいえず,その構成全体をもって,自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものであり,かつ,役務の質について誤認を生ずるおそれもないものというべきである。
したがって,本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,妥当でなく,取消しを免れない。
その他,政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。