Trademark Appeal Case
「美女」と「美人」の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2010−900356(T2010−900356/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5343430号商標(以下「本件商標」という。)は、「美女湯紀行」の文字を横書きしてなり、平成21年6月23日に登録出願され、第5類「薬剤」を指定商品として、同22年8月6日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5304126号商標(以下「引用商標」という。)は、「美人湯紀行」の文字を標準文字により表してなり、平成21年3月6日に登録出願され、第3類「かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,おしろい,化粧水,クリーム,紅,頭髪用化粧品,香水類,浴用化粧品,その他の化粧品,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料,つや出し紙,つや出し布」及び第5類「入浴剤,その他の薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,失禁用おしめ,はえ取り紙,防虫紙」を指定商品として、同22年2月26日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由(要旨)
申立人は、本件商標の登録の取消を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第5号証を提出している。
本件商標と引用商標とは、「美女湯紀行」と「美人湯紀行」とからなるものであるところ、どちらも「美しい女性が入浴に訪れた温泉について綴る旅行記」あるいは湯につかるその情景を想起させ、同一の観念が形成されるものである。
そして、本件商標と引用商標とが、本件商標と引用商標との共通点「美○湯紀行」の文字から想起される「入浴剤」に使用された場合、「色白できめ細かく美しい女性の肌となることを標榜する入浴剤」との同一の観念を与えるものといえる。
また、本件商標と引用商標とは、いずれも漢字五文字を一連に横書きしてなるものであって、中間にある文字はあまり気に留めないものであり、最初と最後が同じであるから、外観上は類似のものである。
さらに、本件商標と引用商標とから生ずる称呼は、「ビジョユキコウ」と「ビジンユキコウ」であるところ、「ビジ」と「ユキコウ」の6音を共通にし、中間音の「ョ」と「ン」のみに差異を有するものであるが、該差異音は、弱音であり、それぞれを一連に称呼した場合、全体の語調語感が近似したものとなり、相紛れるおそれがある。
また、本件商標の指定商品中の「薬剤」は、引用商標の指定商品中の「入浴剤,その他の薬剤」と同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
4 当審の判断
本件商標は、前記1のとおり、「美女湯紀行」の文字を書してなるものであるのに対し、引用商標は、前記2のとおり、「美人湯紀行」の文字を書してなるものであるから、両者は、外観において、明らかな差異を有するものである。
次に、称呼についてみると、両商標は、いずれも辞書等に熟語としての用例が見当たらないのものであるとしても、一般によく知られた語の組み合わせからなるものであるから、本件商標からは、「ビジョユキコウ」の称呼が、引用商標からは「ビジンユキコウ」の称呼を生ずるものであり、本件商標は2音目に位置する「ジョ」の拗音が、全体として、弾んだ感じを与える6音構成よりなるものであるのに対し、引用商標は、3音目に撥音の「ン」を含んでなり、平坦な感じを与える7音構成よりなるものであるから、互いに紛れるおそれのないものである。
さらに、観念についてみると、本件商標と引用商標とは、上記のとおり、いずれも造語と認められることから、直ちに特定の意味を生ずるとまではいい難いものの、それぞれを構成する熟語あるいは語をみるに、「美女」は「容姿のうつくしい女」を、「美人」は「顔・姿の美しい女」を、「湯」は「水を沸かしたもの。温泉。いでゆ」を、及び「紀行」は「旅日記。旅行記。」等を意味する語(岩波書店発行「広辞苑第六版」)としてよく知られているものであることからすれば、本件商標からは、「容姿の美しい女性の温泉旅行記」程の意味合いを、また、引用商標からは、「顔・姿の美しい女性の温泉旅行記」程の意味合いを認識するというのが相当である。
してみれば、本件商標と引用商標とは、たとえ、上記のとおり、ある程度似通った意味を有するとしても、一つ一つが特定の意味を表す漢字よりなり、また、その差異ある漢字は、よく知られた平易な漢字でもあることからすれば、その外観及び称呼においては、互いに紛れるおそれのないものであって、両商標を同一又は類似の商品に使用した場合においても、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれはないというべきであるから、本件商標と引用商標とは、非類似の商標とみるのが相当である。
他に、本件商標と引用商標とが類似するとみるべき理由は見いだせない。
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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