Trademark Appeal Case
称呼の要部抽出の可否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2011−900243(T2011−900243/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5403261号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲(1)のとおりの構成からなり,平成22年4月19日に登録出願,第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同23年2月8日に登録査定,同年4月1日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由の要点
(1)登録異議申立人の引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する登録第4152230号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲(2)のとおりの構成からなり,平成8年6月21日に登録出願,第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同10年6月5日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標及び引用商標は,文字部分も独立した識別力を発揮するものである。
本件商標は,三段に併記された構成から,また,文字部分全体をもって一体不可分の語として知られている事実はなく,「BREAKFAST/TEA」の文字部分は「朝食とともに飲む紅茶」として商品の品質を表示する語であるから,「VALENTINE」の文字部分から「バレンタイン」の称呼を生じるものである。
一方,引用商標の構成中の「THE(Eの文字の上にアポストリフィーが付いている。以下同じ)」の語はフランス語で「茶」を意味する語であり,「ST.」の語は「Saint」の略語として知られている。また,「VALENTIN」の語は,英語式の表示である「VALENTINE」の語尾の一文字が欠けているが,通常「バレンタイン」あるいは「バレンチン」と称呼されるものである。したがって,「ST.」と「VALENTIN」の2語からは,「セントバレンタイン」の称呼も生ずるが,わが国においては,「セントバレンタインデー」を想起させるものであり,一般に「バレンタイン」と略称されることが多いから,引用商標からは,「セントバレンタイン」又は「バレンタイン」の称呼が自然に生じるものといえる。
よって,本件商標と引用商標とは,「バレンタイン」の称呼を共通にする称呼上類似の商標であり,「聖バレンタイン」あるいは「バレンタインデー」の観念を共通にする類似の商標である。
そして,本件商標の指定商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似の関係にあるものというべきである。
したがって,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は,別掲(1)に示したとおり,黒塗りの正方形内に二重の白抜きの正方形を表し,その内部に,「VALENTINE」,「BREAKFAST」及び「TEA」の各欧文字を小さな黒点を有する白抜きの太字をもって三段に表し,その下に,バラの花を配した構成からなるものである。
一方,引用商標は,別掲(2)に示したとおり,二重の長方形状輪郭の中に,「THE」の文字と「ST.VALENTIN」の文字を二段に表し,その下に,ポットを配した構成からなるものである。
そこで,本件商標と引用商標とを比較するに,本件商標と引用商標とは,全体の構成において明瞭なる差異を有し,その構成から受ける印象において顕著な差異が認められるものである。
また,申立人が主張している本件商標の文字部分と引用商標の文字部分とを比較してみても,本件商標の構成中の一段目の「VALENTINE」及び二段目の「BREAKFAST」の各文字と三段目の「TEA」の文字とは,書体や表現態様に差異があるが,「VALENTINE」と「BREAKFAST」の文字は,同じ書体をもって,やや弓なりに外観上まとまりよく一体的に表現されており,いずれかの文字部分が強調されているような構成からなるものではない。そして,これより生ずるものと認められる「バレンタインブレックファースト」の称呼も格別冗長というべきものではなく,無理なく一連に称呼し得るものであり,他に,構成中の「VALENTINE」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見い出し得ない。
そうとすれば,本件商標の構成中の「VALENTINE」と「BREAKFAST」の文字部分は,その構成全体をもって一体不可分の一種の造語として認識し把握されるものとみるのが自然であるから,該構成文字全体に相応して「バレンタインブレックファースト」の称呼のみを生ずるものと認められる。
一方,引用商標の構成中の「ST.VALENTIN」の文字部分は,外国語として最も親しまれている英語風の読みに従って,「セントバレンティン」の称呼を生ずるものとみるのが相当である。
そこで,本件商標から生ずる「バレンタインブレックファースト」の称呼と引用商標から生ずる「セントバレンティン」の称呼を比較すると,両者は,音構成,構成音数において著しい差異が認められるものであるから,称呼上相紛れるおそれはないものといわなければならない。
その他,本件商標と引用商標とを類似するものとすべき理由は見当たらない。
してみれば,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきものとする。
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