Trademark Appeal Case
称呼類似と商品役務の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2011−900295(T2011−900295/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5410448号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成22年3月31日に登録出願、第7類「農業用機械器具,芝刈機,土木機械器具,動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。)」を指定商品として、同23年3月30日に登録査定、同年5月13日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由(要点)
1 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するとして引用する登録商標は、以下の(1)ないし(6)のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第134087号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、大正10年5月2日に登録出願、第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同10年8月26日に設定登録、その後、6回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、平成16年7月14日に指定商品を第29類「干しのりの缶詰,その他の干しのり,味付のり」及び第31類「缶詰のり(未加工のもの)」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)登録第182682号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成からなり、大正14年8月3日に登録出願、第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同15年7月7日に設定登録、その後、6回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、さらに、平成20年1月23日に指定商品を第29類「焼きのり,干しのり,味付けのり,干し青のり,のりの缶詰,のりのつくだに,青のりのつくだに,お茶漬けのり,のりのふりかけ,のりを主原料とする棒状・ブロック状・錠剤状・粉末状・顆粒状・液状・カプセル状の加工食品,のりを主材とする惣菜,のりを主材とするスープのもと」及び第31類「のり,青のり」とする指定商品の書換登録がされたものである。
(3)登録第4893189号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(4)のとおりの構成からなり、平成17年2月28日に登録出願、第29類「焼きのり,干しのり,味付けのり,のりのつくだに,干し青のり,のりの缶詰,その他の加工水産物,肉製品,お茶漬けのり,ふりかけ,のりを主原料とする棒状・ブロック状・錠剤状・粉末状・顆粒状・液状・カプセル状の加工食品,のりを主材とする惣菜,食用魚介類(生きているものを除く。),食肉,冷凍果実,冷凍野菜,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆」及び第31類「のり,青のり,その他の海藻類,食用魚介類(生きているものに限る。),野菜,果実,糖料作物,コプラ,麦芽,ホップ,釣り用餌,生花の花輪,うるしの実,未加工のコルク,やしの葉」を指定商品として、同17年9月9日に設定登録されたものである。
(4)登録第5233057号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(5)のとおりの構成からなり、平成19年5月1日に登録出願、第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,シャツ・その他の被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ハンカチ・手ぬぐい・その他の身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家庭用電気式海苔焼き器の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同21年5月22日に設定登録されたものである。
(5)登録第5131702号商標(以下「引用商標5」という。)は、「まるうめ」の平仮名を横書きに表してなり、平成19年5月21日に登録出願、第43類「飲食物の提供,宿泊施設の提供」を指定役務として、同20年4月25日に設定登録されたものである。
(6)登録第5233056号商標(以下「引用商標6」という。)は、「まるうめ」の平仮名を横書きに表してなり、平成19年5月1日に登録出願、第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,シャツ・その他の被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ハンカチ・手ぬぐい・その他の身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家庭用電気式海苔焼き器の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同21年5月22日に設定登録されたものである。
以下、上記引用商標を一括していうときは、「引用各商標」という。
2 商標法第4条第1項第15号について
本件商標と引用各商標とは、いずれも類似する商標である。
申立人の「梅(マルウメ)」マークは、のれん名として、またのれん記号として我が国の需要者の間で長く親しまれてきたものであり(甲8ないし甲13)、引用各商標が著名な商標であることが端的に表されているのが防護標章登録の存在である(甲14及び甲15)。
また、申立人は、引用商標5及び6の商標である「まるうめ」を店名とするおにぎり(おむすび)の小売店を経営している(甲19及び甲20)ところ、これは、関連ブランドによる異業種展開の一環であり、近年、食品メーカーや外食産業が原材料の生産管理を強化したり、自社生産したりする流れがある(甲21ないし甲23)ことに照らせば、中心となる食品分野だけでなく、その周辺分野においても出所の混同が引き起こされるおそれが存在する。
したがって、引用各商標が食品の分野において申立人の商標として周知著名であるから、本件商標は、その指定商品に使用された場合、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
第3 当審の判断
1 使用商標の著名性について
申立人の主張及び提出に係る証拠によれば、申立人は、1849年に日本橋室町にて創業された「味付けのり」等を販売する老舗ののり店であって、創業時に円輪郭内に「梅」の漢字を表した商標「梅(まるうめ)」を店ののれんに使用して以来、現在に至るまで、商品の包装紙やパンフレットなどにも継続して使用された結果、申立人の業務に係る商品「乾海苔及び乾海苔を原材料とした加工食品」を表示する商標(別掲(6)、以下「使用商標」という。)として、需要者の間に広く認識されていると認め得るものである。
2 本件商標と使用商標の類否について
本件商標は、別掲(1)のとおり、円輪郭内に楷書体の「梅」の文字を配してなるものであるから、その構成に照応して、「ウメ」又は「マルウメ」の称呼を生じ、「梅」の観念を生ずるものである。
他方、使用商標は、別掲(6)のとおり、円輪郭内に筆書き風に「梅」の文字を配してなるものであるから、その構成文字に相応して、「ウメ」又は「マルウメ」の称呼及び「梅」又は「のれん記号のマルウメ」の観念をも生じるものである。
そうとすると、本件商標と使用商標とは、その称呼及び観念を共通にする類似する商標ということができる。
3 本件商標の指定商品と使用商標の使用に係る商品
本件商標の指定商品は、前記1のとおりであって、該指定商品と使用商標の使用に係る商品「乾海苔及び乾海苔を原材料とした加工食品」とは、その商品の原材料、品質、用途等を異にするばかりでなく、生産者、販売場所、需要者等も異にする商品である。
4 商標法第4条1項第15号該当について
前記1ないし3の認定のとおり、使用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品「乾海苔及び乾海苔を原材料とした加工食品」について継続的に使用された結果、需要者の間に広く認識されていたものであって、本件商標と類似するということができるものである。
しかしながら、申立人の提出した証拠からは,使用商標が本件指定商品の需要者の間にまで広く認識されていたという事実は見い出せないものであるから、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その出所について混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。
なお、申立人は、関連ブランドによる異業種展開の一環としておにぎり(おむすび)の小売店の店名に引用商標5及び6の商標「まるうめ」を使用していることや、近年、食品メーカーなどが原材料の生産管理を強化したり、自社生産したりする流れがあり、その周辺分野においても出所の混同が引き起こされるおそれが存在する旨主張するが、本件商標の指定商品と使用商標の使用に係る商品とは、その生産・販売部門、取引系統、原材料及び用途などが著しく異なるものであるから、食品以外の分野においてまで、その取引者、需要者に広く認識されていたものということはできない。よって、申立人の主張は採用できない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
5 むすび
以上のとおり,本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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