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Trademark Appeal Case

緑のカーテンの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900050(T2011−900050/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5368862号商標の指定商品中、第31類「草,苗」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5368862号商標(以下「本件商標」という。)は、「緑のカーテン」の文字を標準文字で表してなり、平成21年12月7日に登録出願、第31類「果実,野菜,糖料作物,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草,盆栽,生花の花輪」を指定商品として、同22年10月12日に登録査定、同年11月19日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由(要旨)

本件商標は、これをその指定商品中「野菜、木、草、苗、苗木」に使用しても、商品の品質及び用途を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ない。

また、該商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきものである。

第3 本件商標に対する取消理由(要旨)

1 登録異議申立人の提出した証拠によれば、「緑のカーテン」の普及状況について、以下の事実が認められる。

(1)「緑のカーテン」の語は、ゴーヤー(ニガウリ)、ヘチマ、アサガオ等のつる性植物を窓や壁の外側にネットを使ってカーテン状にはわせることにより作られる日よけのことを意味するものであり、平成13年(2001年)頃から使用されているものである。

(2)緑のカーテンは、沖縄など温暖な地域では昔からある知恵とされているが、それが見直され、全国に拡がるきっかけとなったのは、板橋区立板橋第7小学校で平成15年度に地域住民の協力の下に緑のカーテン作りが開始され、翌16年度に同校の活動が地球温暖化防止活動環境大臣賞を受賞するなどして注目を集めたことからである。

(3)緑のカーテンは、太陽の光を遮ること、葉の蒸散作用により周囲の熱を奪うことにより室温の上昇を抑える効果があるほか、騒音の低減効果、冷房の使用抑制による省エネルギー効果、建物に熱を蓄積させないことによるヒートアイランド緩和の効果、栽培体験を通じた環境教育としての効果などがあるとされている。そのため、近年、環境に対する意識の高まりとともに、板橋区その他の地方自治体、申立人等のNPO法人、緑化に関心を有する事業法人等が、緑のカーテン作りの普及を支援した結果、緑のカーテン作りは、全国の各地で、地方自治体の庁舎や校舎、個人の家屋や企業の事業所等、様々な分野の建物において行われるに至っている。

(4)そして、上記(1)ないし(3)に示した内容については、新聞各紙の記事や地方自治体のウェブサイト等において、紹介されている(甲第1号証、甲第3号証、甲第5号証ないし甲第27号証及び甲第35号証ないし甲第37号証)。

(5)また、緑のカーテン作りについて、全国の自治体、市民団体及びNPO等へ取り組みの輪を広げていくことを目的とした「全国緑のカーテンフォーラム」が、平成20年3月、同21年4月及び同22年3月に開催された(甲第38号証ないし甲第40号証)。

(6)さらに、 種苗業界では、緑のカーテン作りに適した品種の販売、広告も行われている(甲第29号証及び甲第30号証)。

2 以上によれば、「緑のカーテン」の語は、遅くとも本件商標の登録査定時(平成22年10月12日)には、「ゴーヤー(ニガウリ)、ヘチマ、アサガオ等のつる性植物を窓や壁の外側にネットを使ってカーテン状にはわせることにより作られる日よけ」のことを意味する語として、種苗を取り扱う業界のみならず、一般に広く知られていたと認められる。

3 本件商標は、「緑のカーテン」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、該文字は、上記2のとおり、「ゴーヤー(ニガウリ)、ヘチマ、アサガオ等のつる性植物を窓や壁の外側にネットを使ってカーテン状にはわせることにより作られる日よけ」のことを意味する語として、一般に広く知られているものであるから、これをその指定商品中「草、苗」に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、該商品が緑のカーテン作りに適した草又はその苗であることを表したものとして理解、認識するにとどまるというのが相当である。

したがって、本件商標は、該指定商品との関係において、商品の出所識別機能を有せず、単に商品の品質、用途を表示するにすぎないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。

4 以上のとおり、本件商標の登録は、「草、苗」について、商標法第3条第1項第3号に違反してされたものである。

第4 商標権者の意見

商標権者は、前記第3の取消理由について、指定した期間内に意見を述べていない。

第5 当審の判断

本件に関し、審判長は、商標権者に対し、平成23年10月26日付けで、前記第3の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。

そして、本件商標についてした前記第3の取消理由は、妥当なものと認められる。

したがって、本件商標の登録は、その指定商品中、結論掲記の指定商品について、商標法第3条第1項第3号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものとする。

しかし、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については、取り消すべき理由が認められないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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