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Trademark Appeal Case

著名略称の認定と不正目的

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900303(T2011−900303/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5412792号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

登録第5412792号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲に示すとおりの構成からなり,平成20年8月5日に登録出願,第45類「家相鑑定,風水鑑定,風水相談及びこれに関する情報の提供,命名に関する情報の提供,命名相談,人生相談及びこれに関する情報の提供,性格診断,占い・易に関する情報の提供,相性診断,運勢診断,開運指導,観相鑑定,気学診断」を指定役務として,平成22年2月23日に登録査定,平成23年5月20日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由(要約)

ギリシア文字「Ω」と欧文字「OMEGA」を上下に併記してなる本件商標は,登録異議申立人(以下「申立人」という。)の著名な略称「OMEGA」を含むものであるから,商標法第4条第1項第8号に該当し,また,本件商標は,申立人の著名な商標と同一又は類似するものであって,不正の目的をもって使用されるものであるから,同第4条第1項第19号に該当するものであり,同第4条第1項の規定に違反して登録されたものであるから,本件商標の登録は,同第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第8号について

申立人は,オメガ・エス アー(Omega SA)と称する外国法人であるところ,申立人提出の証拠によれば,「Ω」と「OMEGA」を二段に表した商標が申立人の業務に係る時計を表示するものとして需要者の間に広く認識されていること,そして,「OMEGA」もまた,申立人の略称として時計の需要者の間において広く認識されているであろうことが認められる。しかし,「OMEGA」が,申立人の略称として時計の需要者の範囲を超えて一般に受け入れられていることを示す的確な証左はない。

また,「Ω」及び「OMEGA」は,ギリシャ語の最終字母とその表音の欧文字表記として我が国においても親しまれた文字である。

してみると,「Ω」及び「OMEGA」が親しまれた既成の文字であるにも拘わらず,「OMEGA」が申立人の略称として本件商標の指定役務の需要者を含めて一般に受け入れられているとはいえないから,これを申立人の著名な略称であると認めることはできない。

したがって,本件商標は,構成中に「OMEGA」の文字を含むものであるとしても,他人(申立人)の著名な略称を含む商標には該当しないから,商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものではない。

(2)商標法第4条第1項第19号について

前記のとおり,本件商標は,申立人の業務に係る時計を表示するものとして需要者の間に広く認識されていることが認められ,また,本件商標と引用商標とは,共にギリシャ語の最終字母「Ω」とその表音の欧文字表記に当たる「OMEGA」を上下に配置したものであるから,その外観において類似し,「オメガ」の称呼及びギリシャ語の最終字母程の観念を共通にする同一又は類似の商標である。

しかして,「Ω」及び「OMEGA」は,前記のとおり,我が国においても広く親しまれた文字(語)の一である。そして,「Ω」と「OMEGA」を二段に表した点においても,普通一般に行われ得る表示形態をもって表したというのが相当であり,当該標章を本件商標の指定役務「家相鑑定,風水鑑定,風水相談及びこれに関する情報の提供,命名に関する情報の提供,命名相談,人生相談及びこれに関する情報の提供,性格診断,占い・易に関する情報の提供,相性診断,運勢診断,開運指導,観相鑑定,気学診断」に採択し使用することが,唯一,申立人の商標に由来するものであるとの事情を認め得る客観的で的確な証左はみいだせないから,その構成態様の採択が偶然にではなく,申立人に係る商品(時計)の商標と構成態様を意図的に近似させたものであるなどとすることはできない。

してみれば,本件商標は,当該指定役務に登録がされていないことを奇貨として,申立人の信用や名声等に依拠し,あるいは信用を毀損させるなどの不正の目的をもって出願し登録したと認めることはできないものである。

したがって,本件商標が申立人の業務に係る商品(時計)を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間で広く認識されている商標と同一又は類似の商標であるとしても,指定役務について不正の目的をもって使用するものとはいえないから,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものではない。

(3)むすび

以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第8号及び同第19号に違反して登録されたものではないから,その登録は維持すべきものである。

よって,同法第43条の3第4項の規定に基づき,結論のとおり決定する。

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