Trademark Appeal Case
称呼・外観の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2011−900294(T2011−900294/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5415109号商標(以下「本件商標」という。)は、「Canaelle」の欧文字を標準文字で表してなり、平成22年7月5日に登録出願され、第16類「紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,紙製テーブルクロス,紙類,文房具類,写真,写真立て」、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,防暑用ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,げた,草履類,仮装用衣服」及び第35類「かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,うちわ及びせんすの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,布製身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,頭飾品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,つけづめ及びつけまつ毛の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ペディキュアセット・まつ毛カール器及びマニキュアセットの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,携帯用化粧道具入れの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,傘の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おもちゃ・人形及び娯楽用品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として、同23年4月13日に登録査定、同年5月27日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第2448071号商標(以下「引用商標1」という。)は、「CANALI」の欧文字を横書きしてなり、平成元年9月19日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同4年8月31日に設定登録され、その後、同14年5月14日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、指定商品については、同15年7月16日に第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」を指定商品とする書換登録がなされたものである。
(2)国際登録第838447号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、2004年(平成16年)4月26日に国際商標登録出願、第3類「Perfumes, eaux de toilette, eau de parfum, eau de Cologne, essences and cosmetics for men and women; soaps; essential oils, hair lotions; shampoo; hair conditioners; hair-gel; face, hand and body creams; face, hand and body lotions; face masks; bath gels; bath foams; cream baths; shower gels and lotions; detergent creams and lotions; cleansing milk and tonic lotions; make up removers; gels, creams, milk and lotions for body care and hair care; sun creams and lotions; aftersun creams and lotions; shaving foam; aftershave balsams and lotions; nail varnish; nail varnish removers; talcum powder; deodorants for personal use; toothpaste.」、第9類「Spectacles, spectacle frames, sunglasses, lenses for spectacles and sunglasses; contact lenses; spectacle cases, spectacle chains; goggles.」、第14類「Watches, chronometers and clocks; jewellery, precious metals, precious stones; costume jewellery.」、第18類「Trunks and suitcases; vanity cases; backpacks; rucksacks, bags, namely, handbags, shopping bags, garment bags for travel, travelling bags, travelling sets; school bags, beach bags, overnight bags, duffel bags; briefcases; billfolds; wallets; pocket wallets, purses; waist pouches; keyholders not of metal, all the aforementioned goods being in leather and/or imitation leather, umbrellas, walking sticks; tote bags, and all-purpose sports bags.」、第24類「Textiles and textile goods namely textile fabrics for the manufacture of clothing; textile used as lining for clothing.」、第25類「Clothing articles, sports clothes and casual wear for men, women and children namely jackets, sports-type jackets, trousers, jeans, coats, raincoats, waistcoats, duffel coats, shirts, blouses, skirts, shorts, bermuda shorts, dresses, suits, T-shirts, overalls, sweatshirts, knit shirts, polo shirts, sport shirts, sweaters, pullovers, cardigans; jumpers, men, women and children's underwear, pyjamas, night-dresses, night-gowns, socks, stockings and tights, neckties, hats, caps, gloves; shawls, scarves, swimsuits.」及び第28類「Gymnastic and sporting articles namely gymnastic and sports gear not included in other classes, equipment for skiing, baseball, tennis, hockey, golf, basketball, football and riding; flippers for swimming; skis; snow rackets; gloves for sports, bags especially designed for skis and surfboards.」を指定商品として、平成18年7月14日に設定登録されたものである。
なお、引用商標1と引用商標2を合わせていうときは、以下単に「引用商標」ということがある。
3 登録異議申立ての理由の要点
(1)本件商標は、標準文字「Canaelle」で構成され、「カナエル」又は「キャナエル」の称呼を生ずる。
一方、引用商標1は、欧文字で「CANALI」と、引用商標2は、欧文字「CANALI」と「SPORTSWEAR」の二段併記で構成され、いずれも「カナリ」又は「キャナリ」の称呼を生ずる。
本件商標と引用商標1及び引用商標2の要部は、称呼の識別上最も重要な要素を占める語頭部「カナ、キャナ」の称呼を共通にし、差異音は語尾部「エル」と「リ」のみで、これらは聴者に与える印象が弱い語尾に位置する上、語頭音「カ、キャ」にアクセントが置かれて強く響くから、語尾の印象は更に弱くなり、全体の語調、語感が極めて近似し、彼此聞き誤るおそれがある。
また、両者は、目立つ語頭に位置する頭文字から第4字までの綴りを同一にし、語尾が「e11e」と「LI」の相違のみで、この語尾も共に「l」と「L」を含むから、外観上の印象も近似する。
さらに、引用商標1及び引用商標2の要部は、「運河」等を意味するイタリア語「cana1e」の複数形である一方、本件商標は、特定の意味合いを有しない造語であるが、語尾「e11e」はイタリア語の縮小辞「e11a」を英語化した接尾辞で、これを「cana1e」に結合させた「cana1elle」と中間「1」の相違しかないから、両者は観念上も相紛らわしい。
そうすると、本件商標は、引用商標1及び引用商標2と類似する。
また、本件商標の指定商品中、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,防暑用ヘルメット,帽子」は、引用商標の指定商品と同一又は類似である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)引用商標は、アメリカ、ヨーロッパ及び日本国内で、申立人の紳士服及びその附属品、スポーツウェアを含む「被服」について使用される商標として、本件商標の出願時に需要者又は取引者の間に広く認識され、現在もなお広く認識されていると認められるから、本件商標が申立てに係る指定商品に使用された場合、申立人自身又は申立人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所につき混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、周知著名な引用商標との関連で、同法第4条第1項第15号にも該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標は、上記1のとおり、英語、仏語、独語等の外国語辞典には見られない綴りからなるものであって、特定の意味合いを有しない造語を表したものというべきである。かかる場合、我が国において最も普及している外国語である英語の発音に倣って発音されることが多いことからして、本件商標は、「キャナエル」又は「カナエル」の称呼を生ずるものとみるのが自然である。
イ 他方、引用商標1は、上記2のとおりの構成からなるところ、申立人が主張するように、「canali」の語が「運河、水路、チャンネル」等の意味を有するイタリア語「canale」の複数形であるとしても、我が国におけるイタリア語の普及程度に照らし、一般の取引者、需要者が引用商標1の「CANALI」の文字から上記意味合いを認識し理解するものとは到底いえず、むしろ、特定の意味合いを有しない一種の造語を表したものとして看取されるというべきである。
そうすると、引用商標1は、本件商標と同様、「キャナリ」又は「カナリ」の称呼を生ずるものとみるのが自然である。
加えて、後述するように、引用商標1は、「カナーリ」と称呼され申立人の業務に係る商品を表示する商標として知られていることからすると、「カナーリ」の称呼をも生ずるものといえる。
そこで、本件商標と引用商標1を比較すると、本件商標から生ずる「キャナエル」及び「カナエル」の称呼と引用商標1から生ずる「キャナリ」、「カナリ」及び「カナーリ」の称呼とを対比すると、それぞれの構成音数は4音又は3音であり、前半部において「キャナ」又は「カナ」の音を同じくする場合があるとしても、後半部において「エル」の音と「リ」又は「ーリ」の音との差異を有し、しかも、前者には、後者に存在しない明瞭な「エ」の音を有することから、これらの差異が冗長ともいえない全体構成に及ぼす影響は大きく、それぞれを一連に称呼するときは、全体の音感、音調が異なり、彼此紛れることなく区別することができるものである。
そして、本件商標と引用商標1とは、綴りの相違、大文字と小文字の差異により、外観においても判然と区別することができるものである。
また、上記のとおり、両商標とも親しまれた特定の観念を有しないものである以上、観念上両者を比較することもできない。
ウ つぎに、引用商標2は、別掲のとおりの構成よりなり、黒地の長方形内には、その左右両端に装飾的に表された赤線的なものがあり、中央に「CANALI」の文字とその下に「SPORTSWEAR」の文字が配されているところ、該「SPORTSWEAR」の文字は、付記するように小さく表され、しかも「運動着、スポーツウェア」を意味し、商品の品質、用途等を表示したものと認識される場合があることなどからすると、圧倒的顕著に大きく表されて、自他商品の識別標識としての要部というべき「CANALI」の文字部分を捉えて取引に資される場合が少なくないというべきである。
そうすると、引用商標2は、全体として「キャナリスポーツウェア」、「カナリスポーツウェア」又は「カナーリスポーツウェア」の称呼を生ずるほか、引用商標1と同様、「キャナリ」、「カナリ」又は「カナーリ」の称呼を生ずるものとみるのが自然である。
そこで、本件商標と引用商標2を比較すると、引用商標2は、その構成中の「CANALI」の文字部分は、引用商標1と略同一といえるものであり、本件商標との対比については引用商標1と同様のことがいえる。また、引用商標2を全体として本件商標と対比した場合には、その差異はより一層顕著であり、容易に区別し得るものである。
エ 以上よりすれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 申立人の主張及びその提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
(ア)申立人によって2001年から2008年に亘り毎年発行された商品カタログには、引用商標が表示されると共に、高級紳士服を中心にスポーツウェア、ネクタイ、ベルト等が掲載されており、また、イタリアを始めとするヨーロッパ諸国、米国、東京を含むアジア諸国等における店舗やショールームの一覧表が掲載されている(甲8ないし甲22)。
(イ)イタリアの権威あるファッション関連雑誌といわれる「PAMBIANCO news」(2003年9月9日発行)において、イタリアのファッション業界における成功例として申立人が選ばれたこと、申立人は紳士服分野で大きなシェアを獲得していること、申立人商品は全世界60ヶ国以上に輸出され、系列販売店が全世界で約1000店舗になること、申立人商品は高級紳士服のほか、スーツの附属品(シャツ、タイ、ベルト及び靴)や運動着等のコレクションを含むこと、などが紹介されている(甲23)。
(ウ)1996年ないし2009年に我が国で発行された、「NAVI」、「Men’s EX」、「BRUTUS」、「Nile’s NILE」、「LEON」、「月刊ゴルフダイジェスト」、「週刊現代」等の各種雑誌において、引用商標と共に高級紳士服等の申立人商品が繰り返し宣伝広告され紹介されている(甲24ないし甲75)。
これらの雑誌においては、「世界中のエグゼクティブたちにカナーリが愛用される理由は、ここにある。」(甲26)、「世界中のエグゼクティブに支持されている、イタリアを代表するメンズファクトリーブランド」(甲33)、「オバマ大統領も愛用していることで知られるイタリアの名門ブランド」(甲74)等の如くに紹介されているほか、取り扱い店舗として伊勢丹、西武、東急、三越、松坂屋、大丸の各百貨店内の店舗やショールームの所在が記載されている。
(エ)2005年ないし2007年に発行されたJALグループ機内誌「SKYWARD」(スカイワード)や、2005年発行の会員制情報誌「SevenSeas」(セブンシーズ)、2009年発行の会員制情報誌「DEPARTURES」においても、引用商標1と共に申立人の高級紳士服等が宣伝広告されている(甲77ないし甲91)。
(オ)2005年に発行された「中日新聞」、「日本経済新聞」及び「毎日新聞」において、「CANALI」(カナーリ)のトランクショーが開催されることが紹介されている(甲92ないし甲94)。
(カ)引用商標を使用した申立人商品の宣伝広告費は、1987年に110万ドル(約1億2650万円)であったが年々増加し、2005年には510万ドル(約5億8650万円)に達している(甲96)。
(キ)引用商標を使用した申立人商品の総売上高は、1987年度に3467万ドル余(約39億8700万円)であったが年々増加し、2004年度には1億9100万ドル余(約219億6600万円)に達しているほか、国内の各店舗等への納品金額は、例えば、西武池袋店だけをみても2002年には約1億1500万円余となっており、国内店舗への納品に際し申立人が発行した多数の請求書には、いずれも冒頭に引用商標1が表示されている(甲111ないし甲116)。
イ 上記アの認定事実によれば、引用商標は、本件商標の登録出願時には既に、申立人の業務に係る商品「高級紳士服等」について使用する商標として、取引者、需要者の間にある程度は、広く認識されていたものというべきであり、その状態は本件商標の登録査定時においても継続していたものと認められる。
しかしながら、本件商標は、上記(1)のとおり、引用商標とは相紛れるおそれのない非類似の全く別異の商標であるから、引用商標の周知性や商品の関連性等を考慮したとしても、本件商標をその指定商品中の第25類に属する商品について使用した場合に、これに接する取引者、需要者が引用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、本件申立てに係る指定商品の第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,防暑用ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,げた,草履類,仮装用衣服」について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。