Trademark Appeal Case
称呼類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2011−900323(T2011−900323/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5416461号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成22年9月8日に登録出願、第9類「品質管理用コンピュータソフトウェア,その他のコンピュータソフトウェア,電子応用機械器具及びその部品,化学物質検査装置,測定機械器具,理化学機械器具,電気通信機械器具,配電用又は制御用の機械器具,作業記録機,電線及びケーブル」並びに第35類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定商品及び指定役務として、同23年4月20日に登録査定され、同年6月3日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由に引用する登録第4266698号商標(以下「引用商標」という。)は、「MACS」の文字を標準文字で表してなり、平成9年9月1日に登録出願、第9類「磁気を利用した理化学用細胞分離機械器具」を指定商品として、同11年4月23日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由(要旨)
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、その登録は取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出している。
(1)引用商標は、標準文字で「MACS」と一段横書きしてなり、その構成態様により、引用商標からは「マックス」の自然的称呼が生じる。
(2)本件商標は、別掲のとおり、上段の「AisinMACS」は、前半の「Aisin」が大文字と小文字の組み合わせからなり、後半の「MACS」は全て大文字からなる太文字で大きく表されているのに対して、下段の小さな文字「Aisin MAterialdata Communication System」とは、文字の大きさに相当の相違があることから、簡易迅速を尊ぶ取引においては、上段の「AisinMACS」にのみ着目して取引されることがあり、その場合「アイシンマックス」の称呼及び「マックス」の称呼も生じる。
そして、「Aisin」の英文字は、商標権者であるアイシン精機株式会社の商号商標であるため、本件商標に接した需要者は、「アイシンのMACS」という商標であると認識する。
すなわち、本件商標に接した需要者等は、本件商標が「商標権者であるアイシンによる『MACS』という商品名を表したものである」と看取するものであるから、本件商標を付した商品は「MACS」の英文字に呼応した「マックス」の称呼をもって取引され得るものである。
また、本件商標の下段にある「Aisin MAterialdata Communication System」は、大文字にする必然性がないにもかかわらず「MA」、「C」及び「S」の文字を大文字としていることから、商標権者自身も「MAterialdata Communication System」を「MACS」と略して使用することを意図していることは明らかであり、したがって、本件商標の構成を踏まえた商標権者自身の意図によっても「MACS」の英文字の呼応した「マックス」の称呼をもって取引されるものであることは明らかである。
(3)以上のとおり、本件商標からは、その構成要素である「MACS」の英文字に呼応した「マックス」の称呼が生じるものであるため、引用商標「MACS」に呼応した称呼である「マックス」と称呼を同一にするものであり、本件商標は、引用商標と称呼上類似するものである。また、本件商標の指定商品中の「理化学機械器具」は、引用商標の指定商品である「磁気を利用した理化学用細胞分離機械器具」と同一又は類似する商品であるため、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 当審の判断
本件商標は、別掲のとおり、上段部は「AisinMACS」の文字を太字で表し、下段部を「Aisin MAterialdata Communication System」(下段部の文字は上段の文字の4分の1程度の大きさである。)の文字を書してなるものである。
しかして、太字で表されている上段の「AisinMACS」の文字部分は、構成中の「isin」の部分が小文字で書されているとしても、構成各文字は同じ書体で一連一体に書されており、外観視覚上も極めてまとまりよく一体に表されているばかりでなく、これより生ずる「アイシンマックス」の称呼も格別冗長とはいえないものであって、無理なく一連に称呼し得るものである。
また、下段の「Aisin MAterialdata Communication System」の文字も、同じ書体でまとまりよく外観上一体的に表されており、これより生ずる「アイシンマテリアルデータコミュニケーションシステム」の称呼もやや冗長とはいえ、全体をもって称呼し得るものというのが相当である。
そうすると、かかる構成よりなる本件商標にあっては、構成文字全体に相応して、「アイシンマックスアイシンマテリアルデータコミュニケーションシステム」、上段部の「アイシンマックス」又は下段部の「アイシンマテリアルデータコミュニケーションシステム」の各称呼を生ずる一種の造語を表したものと認識し、把握されるとみるのが自然である。
してみれば、本件商標は、その構成中の「MACS」の文字部分を分離・抽出し、他の商標と比較して商標そのものの類否を判断すべきものではないというべきである。
そうとすると、本件商標について、その構成中の「MACS」の文字部分が要部であることを前提にして称呼を案出し、その上で、本件商標と引用商標とが類似する商標であるとの申立人の主張は、採用できない。
その他、本件商標と引用商標とが類似するとすべき理由は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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