1 本願商標
本願商標は,「ICHIGO」の文字を標準文字で表してなり,第35類及び第43類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として,平成22年5月20日に登録出願された商願2010−39648号に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として,平成22年11月12日に登録出願され,その後,指定役務については,当審における平成23年9月16日提出の手続補正書により,第35類「広告,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理」に補正されたものである。
2 引用商標
原査定において,本願商標が,商標法第4条第1項第11号に該当するとして,拒絶の理由に引用した登録第5282158号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,平成20年3月19日に登録出願,第35類及び第43類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として,同21年11月20日に設定登録されたものであり,現に有効に存続しているものである。
そして,原査定においては,引用商標からは,「苺」及び「ICHIGO」の文字部分に相応して「イチゴ」の称呼をも生ずるとした上で,本願商標と引用商標は称呼を共通にするので,互いに類似のものであると認定されている。
3 当審の判断
本願商標は,前記1のとおり,「ICHIGO」の文字を表しなるものであるから,これより「イチゴ」の称呼が生ずる。
また,「ICHIGO」からは,「苺」,「一語」,「一期」等の複数の意味合いを想起し得るものであって,一義的に特定の意味が確定されるものではないから,本願商標は,特定の観念が生ずるものとはいえない。
一方,引用商標は,別掲のとおり,黄と思われる色で塗りつぶされた円の内部に,「うまい」の文字と「もん」の文字を上下2段に筆書き風に横書きし,その右下に「苺」の文字を,引用商標の大部分を占めるようにして筆書き風に書し,さらにその右下に,「い」の文字が中抜きされた落款様の赤色の四角形を表し,最下部に,「ICHIGO」の欧文字を,グレーと思われる色で横書きしてなるものである。
そして,その構成中「ICHIGO」の文字は,「苺」の文字の直下に,目立たないグレーと思われる色で表されているから,該文字部分は,単に「苺」の文字の読みを表したにすぎないと理解されるといえる。
これに対して,引用商標の構成中「苺」の文字は,他の文字に比して顕著に大きく,引用商標のうち大部分を占めるようにして書されていることから,強く支配的な印象を与えるので,該文字部分のみをもって取引に資されることも決して少なくないといえる。
そうすると,引用商標は,「苺」の文字から「イチゴ」の称呼が生じ,「苺」の観念が生ずることもあり得るものである。
しかし,そうだとしても,この場合における本願商標と引用商標を比較すると,本願商標と引用商標は,その称呼(イチゴ)を共通にするとしても,その外観は一見して明確に区別し得る顕著な差異を有するものであり,その観念は,本願商標が特定の観念を生じないから,比較することができないものである。
してみれば,本願商標と引用商標は,その外観・称呼及び観念を総合的に勘案し,外観上の顕著な差異を踏まえれば,両者を互いに同一又は類似の役務に使用したとしても,役務の出所について誤認混同を生ずるおそれのない,互いに非類似の商標というのが相当である。
以上のとおりであるから,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,妥当でなく,取消しを免れない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。