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結論

勝訴(請求認容)

第4条第1項第11号「称呼の類似性と要部抽出」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2011−14017(T2011−14017/J1)|拒絶査定取消・登録)

審判番号
不服2011−14017(T2011−14017/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)引用商標「医療用機械器具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」
争点(論点)
称呼の類似性と要部抽出
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2011−14017(T2011−14017/J1)・不服)は、本件商標と引用商標「医療用機械器具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「称呼の類似性と要部抽出」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおり、「モモステント」の片仮名と「MOMO STENT」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、第10類「ステント並びにその部品及び付属品」を指定商品として、平成22年8月16日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5252361号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成19年6月29日登録出願、第35類「医療用機械器具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む、第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、同21年7月31日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、別掲1のとおり、「モモステント」の片仮名と「MOMO STENT」の欧文字とを上下二段に横書きしてなるところ、その構成中の上段の「モモステント」の片仮名は、下段に表された「MOMO STENT」の欧文字から生ずる読みを特定したものと無理なく認識できるものである。

ところで、本願商標の構成中の「ステント」及び「STENT」の各文字は、本願の指定商品との関係においては、「管状組織の内腔に挿入して内部から広げる、メッシュの管状構造をもつ器具」(「看護師のための看護・医学・略語・用語辞典」株式会社秀和システム 2009年3月25日発行)、「動脈の狭窄・解離に対して血管の内腔確保のため留置する金属の網」(「imidas2007」株式会社集英社 2007年1月1日発行)、「狭窄を起こした動脈硬化の血管や総胆管、食堂などに入れて、金網状の筒を広げ、再び狭くなることを防ぐもの」(「コンサイスカタカナ語辞典第4版」株式会社三省堂 2010年2月10日発行)の記載のとおり、「血管等を広げるために内部に挿入する管状の器具」を指す語として理解されることからすれば、該各文字は、自他商品の識別標識としての機能が極めて弱いか、又はその機能を果たさないものとみるのが相当である。

他方、その構成中の「MOMO」の欧文字及び「モモ」の片仮名は、辞書等に記載のない造語であって、本願の指定商品との関係においては、商品の品質等を示す記述的な語とは認められず、自他商品の識別標識としての機能を有するものである。

そうとすれば、本願商標は、これをその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者が商標の識別に当たり、構成中の「ステント」及び「STENT」の各文字を捨象して、その他の部分から生ずる称呼等をもって取引に資する場合もあり得ることを必ずしも否定することはできない。

してみれば、本願商標は、その構成全体から特定の観念が生ずるものとは認められないところ、それらから「モモステント」の称呼を生ずるものである。また、その構成中の「モモ」及び「MOMO」の各文字部分に相応して、「モモ」の称呼をも生ずる可能性もあるといえるものであり、特定の観念は生じないとみるのが相当である。

(2)引用商標について

引用商標は、別掲2のとおり、ピンク色の彩色を施してなる「m」の欧文字と同色の楕円形の周囲に間隔を空けて同色の輪郭線を描いてなるものとを接するように配置してなるものを2つ、わずかに間隔を空けて、横並びに表してなるところ、その構成態様に照らせば、看者をして「mo mo」の欧文字をデザイン化したものとして看取、理解されるというのが相当であり、また、該欧文字は、辞書等に記載された既成の語とはいえないものであるから、特定の意味を有しない一種の造語として看取され得るものである。

してみれば、引用商標は、その構成文字に相応する「モモ」の称呼を生ずるものであって、特定の観念を生ずることのないものである。

(3)本願商標と引用商標の類否について

本願商標と引用商標との類否について検討するに、両商標は、各々、上記(1)及び(2)のとおりの構成態様からなるものであるから、外観において、両者を見誤るおそれは全くない。

次に、両商標から生ずる称呼についてみるに、本願商標からは、「モモステント」及び「モモ」の称呼を生ずるのに対し、引用商標からは「モモ」の称呼を生ずるところ、本願商標から生ずる「モモステント」と引用商標から生ずる称呼「モモ」との比較においては、その音構成及び音数が明らかに異なるものであるから、明確に聴別し得るものであり、また、本願商標から「モモ」の称呼を生ずるとした場合には、引用商標から生ずる称呼との比較において、その称呼を共通にするものである。

さらに、本願商標と引用商標とは、いずれも特定の観念が生じ得ないものであるから、観念において、両者が相紛れるおそれはない。

ところで、本願商標の指定商品は、「ステント並びにその部品及び付属品」であるところ、「ステント」とは、上記(1)のとおり、「血管等を広げるために内部に挿入する管状の器具」を指称するものであり、専門性が高い医療器具であることからすれば、その取引者、需要者が商品を識別する際には、相当程度高い注意を払うとみるのが相当である。

そうとすれば、本願商標と引用商標とは、「モモ」の称呼を共通とする場合があるとしても、外観及び観念においては、互いに紛れるおそれのないものであり、これに、上記した商品「ステント並びにその部品及び付属品」について、その取引者、需要者が商品の識別に当たり払う注意の程度をも併せ考慮すれば、本願商標をその指定商品に使用した場合に、引用商標との関係において、商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。

(4)まとめ

以上によれば、本願商標と引用商標とが類似するものとして本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する

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