1 本願商標
本願商標は,「総本家千鳥屋」の文字を書してなり,第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として,平成22年8月17日に登録出願された商願2010−64775号に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として,平成23年2月10日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において,本願商標から「チドリヤ」の称呼をも生ずるとし,その上で,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,拒絶の理由に引用した登録商標は,別記(1)ないし(5)のとおりであり(以下まとめて「引用商標」という。),いずれも現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
本願商標は,前記1のとおり,「総本家千鳥屋」の文字を同書,同大,等間隔に書してなるから,外観上,全体が一体的なものとの印象を抱かせるものである。
また,構成全体から生ずる称呼「ソウホンケチドリヤ」も,格別に冗長ではなく,無理なく一連に称呼し得る。
そして,本願商標の指定役務は,前記1のとおり,小売又は卸売の業務において提供されるものであって,それについて本願商標が使用されることも踏まえると,本願商標は,全体として,一種の屋号を表したものと認識されるとみるのが自然である。
そうすると,本願商標は,その構成全体をもって一体のものとして認識されるというべきであって,その構成中の「千鳥屋」の文字部分のみが,殊更に分離,抽出され,取引に資されると言わなければならない理由は見いだせない。
してみれば,本願商標は,その構成全体から「ソウホンケチドリヤ」の称呼が生ずることはあっても,単に「チドリヤ」の称呼が生ずることはないというのが相当である。
したがって,本願商標から「チドリヤ」の称呼をも生ずるとし,その上で,本願商標と引用商標とが称呼において互いに類似する商標であるとし,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,妥当でなく,取消しを免れない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。