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Trademark Appeal Case

周知性立証の証拠不十分

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900336(T2011−900336/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5423425号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5423425号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり、装飾を施した「ASNI」の欧文字と「アスニ」の片仮名とを上下二段に配した構成からなり、平成23年1月7日に登録出願、第3類「化粧品,せっけん類,香料類,歯磨き,つけづめ,つけまつ毛,つけまつ毛用接着剤,かつら装着用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり」を指定商品として、同年5月11日に登録査定、同年7月8日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由の要点

本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の業務に係る商品「化粧品」を表示するものとしてタイ国における需要者の間に広く認識されている商標「ASNI」と同一又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用するものである。

したがって、本件商標は、その指定商品中「化粧品」について、商標法第4条第1項第19号の規定に違反して登録されたものである。

3 当審の判断

(1)商標の周知性について

申立人は、「ASNI」の文字からなる商標(以下「引用商標」という。)が申立人の業務に係る商品「化粧品」を表示するものとしてタイ国において広く認識されている旨主張し、甲第1号証ないし甲第7号証を提出している。

(ア)甲第2号証は、申立人会社の概要について記載した書面と認められるところ、その訳文には、会社の設立やビジネスモデル等についての記載が見られるものの、引用商標をはじめ具体的な商品については何ら記載されておらず、甲第2号証からは引用商標が具体的にどのように使用されているのか一切不明である。

(イ)甲第3号証は、申立人の発行に係る「Product Catalog 2011」と題する商品カタログと認められるところ、これには、「SKIN」、「CARE」、「SKIN CARE」、「COSMETICS」等の表題が付された頁毎に、「ASNI/Vitalising/Cleansing Foam」、「ASNI/Vitalising/Toning Essense」、「ASNI/Eye Treatment」等の文字とともに、容器に「ASNI」の文字が付された商品の写真が掲載され、各商品毎にタイ語と思しき言語による説明がされているものの、訳文もなく、その詳細は不明であるばかりでなく、上記カタログの発行日、発行場所、発行部数、頒布の事実等は一切不明である。

(ウ)甲第4号証ないし甲第6号証は、タイ国又はカンボジア国の各政府発行に係る商標登録証明書又は化粧品販売許可証と認められるところ、これらの証拠からは、引用商標がタイ国又はカンボジア国で登録されていることが認められるものの、その具体的な使用状態は一切不明である。そして、商標登録がされたことのみによって当該商標が周知著名になるものでないことはいうまでもない。

(エ)甲第7号証は、3葉からなる英文の書面と認められるところ、その訳文によれば、申立人はタイでの5年間、タイ国内の30支店に300人以上の従業員を有し、2010年の直売ビジネスで最高3位に成長、2010年の総収入は49億100万バーツで130万会員資格があるとされ、2006年度〜2010年度の売上額が掲載されている。

しかし、上記書面は、申立人によって作成されたものと推認されるものの、その作成目的、作成日、作成部数、頒布の事実等は一切不明であるばかりでなく、その内容にしても、引用商標についての言及は殆ど見当たらない。加えて、上記英文による記載内容と訳文は、必ずしも正確に対応しておらず、例えば、上記訳文中の「5年間」、「300人以上の従業員」、「2010年の直売ビジネスで最高3位」等の記述は、英文には見当たらない。

また、2006年度〜2010年度の売上額は、引用商標を使用した商品「化粧品」についてのものであるかも不明であり、むしろ、訳文に見られる「『エームスターネットワーク』の商標の下、・・・」、「健康補助食品『ヴァイタルスター』」、「パーソナルケアー商品『ボディーソフト、プロフィ』」、「ホームケア『タイディーホーム』」等の記述や、引用商標以外の商標を付した商品と思しき写真も掲載されていることなどからすると、上記売上額は、引用商標を使用した化粧品以外の商品、引用商標以外の商標を使用した商品等、申立人の業務に係る全ての商品についてのものと見るのが自然である。

(オ)その他、引用商標を使用した商品についての具体的な取引事実をはじめ、その宣伝広告、紹介記事の存在等の事実を示す証左は一切ない。

(カ)以上、申立人の提出に係る証拠によれば、引用商標は、申立人によってタイ国で化粧品について使用されていることが窺えるとしても、申立人の業務に係る商品「化粧品」について使用する商標としてタイ国における取引者、需要者の間に広く認識されているものとは認められない。

まして、我が国における引用商標の使用の事実を示す証左は一切なく、引用商標の我が国における周知性も認められない。

他に、本件商標の登録出願時において、引用商標が、申立人の業務に係る商品を表示するものとしてタイ国又は我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めるに足る証拠はない。

よって、申立人の主張は、採用することができない。

(2)不正の目的について

申立人は、本件商標が外国における需要者の間に広く認識されている引用商標と同一又は類似であること、引用商標の「ASNI」が申立人の名称「Aim Star Network International」に由来するものであり、本件商標権者が偶然採択したものとは考え難いこと、申立人が我が国において引用商標を使用した化粧品を販売する予定であること、などを理由として本件商標は不正の目的をもって使用するものである旨主張する。

しかしながら、本件商標と引用商標とが同一又は類似のものであるとしても、引用商標は外国及び我が国において取引者、需要者の間に広く認識されているものとはいえないことは上記(1)のとおりである。

また、引用商標が申立人名称に由来するものであることや、我が国において引用商標を使用した化粧品を販売する予定であること、などが一般に広く知られているともいえない。

そうすると、本件商標と引用商標の綴りが、偶然一致したからといって直ちに不正の目的があるともいえない。

その他、不正の利益を得る目的、他人たる申立人に損害を加える目的等の不正の目的をもって、本件商標を使用するものであることを具体的に示す証左はない。

よって、申立人の主張は採用することができない。

(3)以上のとおり、本件商標は、本件申立てに係る指定商品「化粧品」について、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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