Trademark Appeal Case
定冠詞と一般名称の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第15183号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「THE 翻訳」の文字(標準文字による商標)よりなり、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスクその他の周辺機器を含む。)その他の電子応用機械器具及びその部品,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,磁心,抵抗線,電極」を指定商品として、平成10年3月31日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『THE 翻訳』の文字のみよりなるものであるから、これを本願指定商品中上記照応商品(例えば、「電子計算機用プログラムを記憶させた磁気ディスク」等)について使用するときは、単に商品の内容、品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「THE 翻訳」の文字よりなるところ、その構成は、「THE」と「翻訳」の各文字よりなるものと理解されるものである。
そして、本願指定商品との関係において、インターネットに関連する情報機器の業界では、世界規模のコンピュータネットワークであるインターネットの英文によるウェブページ等の情報を日本語に翻訳することを目的とするコンピュータ用ソフトが一般に製造・販売されている。
また、「THE」の文字は、英語の定冠詞であり、特定の事物、事象を意味する語ではなく、後に続く語を誇称するものとして用いられることも多いものである。
上記実情よりすれば、本願商標は、これを前記コンピュータ用ソフトに使用するときは、インターネット等の外国語を翻訳するものであることを認識させるにすぎないものというべきである。
したがって、本願商標は、これを前記商品に使用するときは、その商品の品質を表示するものといわざるを得ないものであって、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスクその他の周辺機器を含む。)に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
請求人は、本願商標のように「英文字」と「漢字」の組合せをもって表示すること自体、一般に普通に使用される方法ではなく特異な表現態様であり、本願商標はこの特異性によって、自他商品の識別機能を発揮すると主張している。
しかしながら、「THE」は、その表音「ザ」とともに我が国でも親しまれ、直ちに前記定冠詞として認識されるというべきものであるから、このような語と漢字を組み合わせて使用されていても、自他商品の識別標識としての機能を有するほど特異なものとはいえない。
また、請求人は、「翻訳」「ほんやく」を商標構成中に有する登録例を挙げて、本願商標も自他商品の識別力を有すると主張している。
しかしながら、前記登録例は、「翻訳」「ほんやく」の語と結合する語を本願商標と異にしており、本願商標と同列には判断できないものであるから、その主張は採用できない。
したがって、前記拒絶理由により本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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