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Trademark Appeal Case

称呼の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900348(T2011−900348/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5421162号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5421162号商標(以下「本件商標」という。)は、「AXEQ」の文字を標準文字で表してなり、平成23年1月7日に登録出願、第5類「薬剤」及び第10類「医療用機械器具」並びに第9類、第42類及び第44類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年6月8日に登録査定、同月24日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第2054926号商標は、「ACCESS」の欧文字を横書きしてなり、昭和61年2月4日に登録出願、第1類「化学品、薬剤、医療補助品」を指定商品として、同63年6月24日に設定登録され、その後、平成5年5月24日に指定商品中の「化学品」について、放棄による一部抹消の登録がされ、また、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同21年6月17日に指定商品を第6類「薬剤」とする指定商品の書換登録がされたものである。

(2)登録第3111912号商標は、「ACCESS」の欧文字を横書きしてなり、平成4年4月23日に登録出願、第5類「医学の用途で試験管内での診断に用いる試薬」を指定商品として、同8年1月31日に設定登録され、その後、同18年1月17日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

(3)登録第3220909号商標は、「アクセス」の片仮名を横書きしてなり、平成5年5月7日に登録出願、第5類「医学の用途で試験管内での診断に用いる試剤」を指定商品として、同8年11月29日に設定登録され、その後、同18年6月20日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

(4)登録第4239156号商標は、「ACCESS」の欧文字を横書きしてなり、平成4年4月23日に登録出願、第10類「医療用免疫分析試験装置」を指定商品として、同11年2月12日に設定登録され、その後、同21年2月24日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

(5)登録第4322253号商標は、「アクセス」の片仮名を横書きしてなり、平成5年5月7日に登録出願、第10類「医療診断用検体分析装置」を指定商品として、同11年10月8日に設定登録され、その後、同21年9月15日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

(以下これらをまとめて「引用商標」という場合がある。)

3 登録異議の申立ての理由(要旨)

申立人は、その申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第10号証を提出した。

(1)本件商標と引用商標の指定商品について

本件商標は、その指定商品中に第5類「薬剤」及び第10類「医療用機械器具」を含むものである。

他方、引用商標に係る指定商品は、前記2のとおり、第5類の「薬剤」や第10類の「医療用免疫分析試験装置」等である。

したがって、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、同一又は類似のものである。

(2)本件商標と引用商標の類否について

本件商標からは、その構成文字に相応した「アクセク」又は「アクセキュー」の称呼を生ずるのに対し、引用商標からは、その構成文字に相応した「アクセス」の称呼を生ずるものである。

そこで、まず、本件商標から生ずる「アクセク」の称呼と引用商標から生ずる「アクセス」の称呼を比較検討すると、両称呼は、全4音中、語頭音を含む3音「アクセ」が共通しており、わずかに語尾音1音「ク」と「ス」にのみ差異を有するものであるところ、この語尾音の差異は、語尾において消音化される末尾音であって、この差異が両称呼の全体に及ぼす影響は小さく、それぞれを一連に称呼した場合において、その語調、語感は著しく類似するものであって、称呼上互いに相紛らわしいものである。すなわち、本件商標の語尾音「ク」は、口をすぼめた形で、こもった感じで発音されるのに対し、引用商標の語尾音「ス」も同様に、口をすぼめた形で弱く発音される。さらに、両者の語尾音は、共に母音「ウ」を持つ点で共通している。このような語尾音の発音上の類似性を考慮すると、両称呼を全体として称呼したとき、両称呼は互いに相紛らわしい類似する称呼である。

次に、本件商標から生ずる「アクセキュー」と引用商標から生ずる称呼「アクセス」を比較すると、全4音中、語頭音の3音「アクセ」が共通しており、語尾音1音「キュー」と「ス」にのみ差異を有するものであるところ、これらの語尾音も同様に、口をすぼめた形で発音され、共に母音「ウ」を持つ点で共通している。してみれば、それぞれを一連に称呼した場合において、その語調、語感は著しく類似するものであって、称呼上互いに相紛らわしいものである。

したがって、本件商標と引用商標とは、外観、観念における差異を考慮しても、称呼において相紛らわしい類似の商標というべきである。

なお、本件商標と引用商標のように、称呼において1音のみ相違し、その相違する1音が中間音または語尾音であって、「ク」と「ス」の音の差異のみである場合、このような商標は互いに類似するものであると判断されるべきであることは、甲第7号証ないし甲第10号証に示す審決例によっても明らかである。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標は、他人の先願先登録商標に類似する商標であって、その商標登録に係る指定商品と同一又は類似する商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

したがって、本件商標は、商標法43条の2第1号に規定する取消の要件を具備するものであり、その登録は取り消されるべきものである。

4 当審の判断

(1)本件商標

本件商標は、前記1のとおり、「AXEQ」の欧文字からなるところ、該文字は、辞書類に掲載された既成の語とは認められないことから、看者をして、特定の読み及び意味を有することのない一種の造語からなるものとして看取、理解し、我が国において最も普及している英語の読みに倣って発音する場合も決して少なくないというのが相当である。

そうとすると、例えば、「ax(axe)」(おの、まさかり)を「アクス」と発音し、「equity」(公平、公正)を「エクイティ」と発音することに照らせば、本件商標からは「アクスク」又は「アクセク」の称呼を生ずるというのが相当であり、また、特定の意味を有することのない造語として看取、把握されるものであることから、特定の観念を生ずることのないものである。

(2)引用商標

引用商標は、前記2のとおり、「ACCESS」の欧文字又は「アクセス」の片仮名からなるものであるところ、これらはいずれも馴染みのある英語又は外来語であることから、その構成文字に相応して、「アクセス」の称呼を生じ、「接近、接続する」といった観念を生ずるものである。

(3)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 外観

本件商標は、「AXEQ」の欧文字からなるのに対し、引用商標は、「ACCESS」の欧文字又は「アクセス」の片仮名からなるものであり、両商標は、その文字構成において明らかな差異を有するものであるから、外観上、これらが互いに紛れるおそれはない。

イ 称呼

本件商標からは「アクスク」又は「アクセク」の称呼を生ずるのに対し、引用商標からは「アクセス」の称呼を生ずるところ、「アクスク」の称呼と「アクセス」の称呼とを比較すると、両称呼は、共に4音という短い音構成において、後半部分の2音の「スク」と「セス」という音構成上明らかな差異を有するものであるから、それぞれ一連に称呼しても、音感、音調が異なり、称呼上、明確に区別し得るものである。

また、「アクセク」の称呼と「アクセス」の称呼とを比較すると、両称呼は、語尾音において「ク」と「ス」の音の差異を有するものであり、該差異音についてみても、前者が調音の場所を軟口蓋とし、調音の方法を破裂とするものであるのに対し、後者は調音の場所を歯茎とし、調音の方法を摩擦とするものであって、その調音の場所及び方法において少なからず差異があるものであることから、それぞれ一連に称呼しても、音感が異なり、互いに聴別し得るというのが相当である。

ウ 観念

本件商標は、特定の観念を生ずることのないものであるのに対し、引用商標は、「接近、接続する」といった観念を生ずるものであるから、観念において、両商標が相紛れるおそれはない。

エ 小括

上記アないしウに述べたことよりすれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから、たとえ両商標の指定商品が同一又は類似するものであるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

(4)まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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