sokuhyo

Trademark Appeal Case

外国周知商標と悪意登録

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900233(T2011−900233/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5402485号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5402485号商標(以下「本件商標」という。)は、「オーストン」の片仮名と「AUSTONE」の欧文字とを2段に横書きしてなり、平成22年7月26日に登録出願、第12類「自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」を指定商品として、同23年2月1日に登録査定、同年4月1日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第32号証を提出している。

(1)引用標章

申立人の引用する標章は、別掲のとおりの構成よりなるもののほか、「AUSTONE」の欧文字及び「オーストン」の片仮名の表記(以下、まとめて「引用標章」という。)で使用されているものである。

(2)理由の要点

ア 引用標章は、中国企業であるCOOPER CHENGSHAN(SHANDONG)TIRE COMPANY LTD.(以下「クーパーチェンシャン社」という。)の自動車用タイヤのブランドである。

イ 本件商標の商標権者は、輸入タイヤの販売業者であり、世界各国の多種多様なタイヤを取り扱っている。

ウ 商標法第4条第1項第7号について

引用標章は、クーパーチェンシャン社のタイヤのブランドとして世界各国で使用されており、同社は引用標章について世界各国で商標権を取得しているから、商標権者が同社に無断で商標権を得ることは、他のタイヤ輸入業者の引用標章に係る商品の取り扱いを阻止し、同社の我が国における経済活動を阻害するものであり、国際信義に反するものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものである。

エ 商標法第4条第1項第19号について

本件商標とクーパーチェンシャン社の自動車用タイヤを表示するものとして外国において需要者間に広く認識されている引用標章とは、類似するものであり、かつ、本件商標の指定商品には、引用標章の使用に係る商品と同一又は類似の商品が含まれているものであるから、商標権者には、本件商標を不正の目的をもって使用することがうかがえる。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものである。

3 当審の判断

(1)申立人の主張及び提出された証拠によれば、以下の事実を認めることができる。

甲第2号証及び甲第3号証には、引用標章の記載があり、クーパーチェンシャン社は、世界第8位の米国の「COOPER TIYE AND RUBBER COMPANY」と、中国国内で第3位の「SHANGONG CHENGSHAN GROUP」とによる中国の合弁会社であり、「中国における有名なブランド」、「中国における周知な商標」、「中国における価値あるブランド500」及び「中国タイヤ市場で顧客満足度No.1」との評価を得ている旨の抄訳があるが、それらの記事の掲載日は不明であり、証左の印刷は本件商標の設定登録日以降である。

甲第4号証には、「中国タイヤ市場で品質の顧客満足、品質、名誉第一のブランド」等の抄訳はあるが、引用標章の記載はなく、それらの記事の掲載日は不明であり、証左の印刷は本件商標の設定登録日以降である。

甲第5号証は、クーパーチェンシャン社のウェッブサイトとするものであって、「2010 全国超級トラック大会唯一の指定タイヤ」等の抄訳があ

るところ、そのいずれのページにも引用標章の記載はなく、また、本件商標の設定登録日以前のものといえるのは、1ページ目のみである。

甲第6号証及び甲第7号証は、クーパーチェンシャン社のウェッブサイトとするところ、引用標章の記載はあるが、それらの記事の掲載日は不明であり、証左の印刷は本件商標の設定登録日以降である。

甲第8号証は、中国語のウェッブサイトであり、1ないし4ページには、「クーパータイヤはCooper、・・・Austoneの世界に知られる9ブランドを有している。」旨の抄訳があり、記事の見出し部分には「2007−04−05」等の記載があることからすると、本件商標の設定登録日以前の掲載日と認められる。また、5及び6ページの抄訳には「AUSTNEとはどのようなタイヤブランドかという質問\回答\まっ先にうかぶのはaustone\Cooper Tire & Rubber Company」とあり、その記事の見出し部分には「2010−4−18」等の記載があることからすると、本件商標の設定登録日以前の掲載日と認められる。さらに、7ないし11ページの抄訳には、「輸出できる主な有名ブランド・・・Austone」、「輸出タイヤ・・・AUSTONE・・・などさまざまな中国ブランドのラジアル&バイアスタイヤを・・・お届けします。」とあるが、それらの記事の掲載日は不明であり、証左の印刷は本件商標の設定登録日以降である。

甲第9号証は、引用標章の外国での登録等に関する情報が認められる。

甲第10号証ないし甲第22号証は、楽天市場等のウェッブサイトであり、引用標章の記載はあるが、記事の掲載日が不明であるか、又は掲載日若しくは証左の印刷が本件商標の設定登録日以降である。

甲第23号証は、商標権者のウェッブサイトとするところ、中国を含む世界各国のタイヤを取り扱っていると見受けられるが、引用標章の記載はない。

甲第24号証は、商標権者の所有する登録商標とするところ、15件の登録商標の記載が認められる。

甲第25号証ないし甲第32号証は、各種タイヤメーカー等のウェッブサイトとするところ、引用標章の記載はない。

(2)上記で認定した事実によれば、クーパーチェンシャン社は、引用標章を保有する中国の自動車用タイヤの大手企業であって、2010年全国超級トラック大会唯一の指定タイヤとされるものであり、現在において、引用標章を使用するタイヤは、日本を含む世界各地に販売されていることがある程度推認できる(甲第5号証の1ページ、甲第8号証の1ないし6ページ及び甲第22号証の1ないし3ページ)ものである。

しかしながら、引用標章を使用するタイヤについて、その生産・販売の開始時期、その生産・販売の数量、その使用期間、その広告の方法・回数等の証左はなく、提出した証左の大半は、それらの記事の日付が不明であるとか、それら証左に示された記事の日付ないし証左を印刷した日が本件商標の設定登録日以降であると認められるものであるから、引用標章が、日本を含む世界各国のみならず、中国においてさえも、本件商標の登録出願・登録査定時に周知・著名になっていたと認めることはできない。

また、商標権者は、約15件ほどの登録商標を保有し(甲第24号証)、海外のタイヤを扱う会社(甲第23号証)であるから、引用標章を知りうる可能性があったとしても、その事実のみでは、不正の目的等があったと認めることはできない。

(3)商標法第4条第1項第7号について

本件商標は、上記(2)のとおり、不正の目的等をもって使用をするものであることを認めるに足る証拠も提出されていないから、本件商標をその指定商品に使用することが、社会公共の利益、一般的道徳観念に反し、かつ、国際信義に反するものともいえず、商標法の予定する秩序に反する商標であるということもできない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号に違反してされたものとはいえない。

(4)商標法第4条第1項第19号について

本件商標と引用標章とは、類似するものであり、かつ、本件商標の指定商品には、引用標章の使用に係る商品と同一又は類似の商品が含まれているとしても、引用標章については、上記(2)のとおり、日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標といえるものではなく、また、商標権者に不正の目的等があったと認めるに足る事実も見いだせないものである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第19号に違反してされたものとはいえない。

(5)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。