Trademark Appeal Case
Dの欧文字の外観称呼類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2011−685015(T2011−685015/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件国際登録第1053781号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、2010年7月28日にItalyにおいてした商標登録出願に基づくパリ条約第4条による優先権を主張して、2010年(平成22年)8月5日に国際商標登録出願、平成23年2月8日に登録査定がされ、第18類及び第25類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年4月28日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する商標は、以下の(1)ないし(5)のとおりである。
(1)登録第1484397号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、昭和52年7月15日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同56年10月30日に設定登録され、その後、3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同14年3月27日に指定商品を第14類、第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
(2)登録第1492452号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、昭和52年7月15日に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同56年12月25日に設定登録され、その後、3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同14年5月1日に指定商品を第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
(3)登録第1529549号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、昭和52年7月15日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同57年7月30日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同14年10月2日に指定商品を第20類、第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
(4)登録第1673009号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、昭和52年7月15日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同59年3月22日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同16年9月29日に指定商品を第9類、第18類、第20類、第25類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
(5)登録第2134958号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、昭和61年7月14日に登録出願、第19類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成元年4月28日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同21年6月10日に指定商品を第4類、第6類、第8類、第11類、第16類、第18類、第20類、第21類、第24類及び第27類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされたものである。
(以下、これらをまとめて「引用商標」という場合がある。)
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、その申立ての理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第16号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲1のとおり、2つの「D」の欧文字を互いに向かい合わせた態様からなるものであり、左側の「D」の欧文字の中に小さく白抜きで「DILUCE」の欧文字を配し、さらに、2つの「D」の欧文字が接する中央部に左に傾いたマイナスねじのような図形を白抜きで配してなるものであって、2つの「D」の欧文字が向かい合っている点が強く印象づけられるものであるから、「デイデイ」の称呼を生じ、かつ、その構成中の「DILUCE」の欧文字から「ディルーチェ」又は「ディルース」の称呼を生ずるものであり、特定の観念は生じないものである。
他方、引用商標は、別掲2及び3のとおり、2つの「D」の欧文字を互いに向かい合わせた態様からなるものであるから、「デイデイ」の称呼を生ずるものであり、特定の観念は生じないものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、2つの「D」の欧文字を互いに向かい合わせた態様からなるものであるという点において、外観上類似の商標であり、また、いずれも「デイデイ」の称呼を生ずるという点において、称呼上類似の商標である。
そして、本件商標と引用商標とは、その指定商品において同一又は類似のものであることは明らかである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同項第15号について
申立人は、2つの「D」の欧文字を互いに向かい合わせた態様からなる引用商標と同じ態様の図形商標を、本件商標の登録出願前から、国際分類の第18類や第25類に属する商品を始めとする様々な商品について、日本を含む世界各国で広く一般的に使用してきたものであり、甲第2号証ないし甲第16号証に示すとおり、申立人の業務に係る商品「かばん類、袋物」や「洋服、コート」を含む数多くの商品について、該図形商標を登録し、長年にわたり使用していることから、該図形商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されているものである。
そうすると、本件商標は、上述のとおり、申立人の業務に係る商品を表示するものとして取引者、需要者に広く認識されている該図形商標と類似するものであるから、本件商標をその指定商品に使用した場合、申立人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に違反して登録されたものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、別掲1のとおり、2つの「D」の欧文字を互いに向かい合わせ、かつ、それらの曲線の中央部を重ねるように配してなると共に、該曲線が重なる中央部に、左上方から右下方にわたる斜線をもって2分割したかのように描いてなる白抜きの円図形を配し、さらに、左側の縦線部に、下方から上方に向けて横書きしてなる「DILUCE」の欧文字を白抜きで書してなるものである。
他方、引用商標1ないし4は、別掲2のとおり、極太線で、かつ、縦長に描いてなる2つの「D」の欧文字を、ごくわずかな間隔を設けて互いに向かい合わせて配し、さらに、その2つの「D」の欧文字の縦方向中央部を左右にわたり貫通するように多数の白色極細線を描いてなるものであり、また、引用商標5は、別掲3のとおり、2つの「D」の欧文字の間に間隔が設けられていないことを除き、引用商標1ないし4とほぼ同一の構成態様からなるものである。
そこで、本件商標と引用商標とを比較すると、両商標は、2つの「D」の欧文字を互いに向かい合わせに配してなる点において共通するとはいえるものの、上述のとおり、該「D」の欧文字の表現においても、視覚上、容易に区別し得るほどの差異を有するものであり、さらに、両商標は、本件商標において存する中央部の白抜き円図形や引用商標において存する多数の白色極細線の有無において相違する。
そうとすると、本件商標と引用商標とにおける上記差異が看者に与える印象は、相当に異なるものであり、両商標を時と所を異にして離隔的に観察しても、看者をして、それぞれを別異のものとして記憶するとみるのが相当であるから、両商標は、外観において相紛れるおそれはないというべきである。
また、本件商標と引用商標とは、各々、別掲1ないし3のとおりの構成からなるところ、これらから申立人の主張する「デイデイ」の称呼を生ずるとは直ちに認めがたく、その主張を裏付けるに足りる取引の実情等も見いだし得ないものであるから、両商標は、いずれも特定の称呼を生ずることはないというべきである。
さらに、本件商標と引用商標から特定の観念を生じ得るとみるべき特段の事情も認められない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれのない非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同項第15号該当性について
申立人は、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示するものとして取引者、需要者に広く認識されている旨主張しているが、そのような事実を立証する証拠は何ら提出していない。
また、本件商標と引用商標とは、上記(1)のとおり、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者をして、引用商標を連想、想起するものとはいえず、該商品が申立人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあると認めることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に違反して登録されたものではない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。