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Trademark Appeal Case

結合商標の要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2011−13171(T2011−13171/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ICEPANTS」の欧文字を普通に用いられる方法で表してなり、第25類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として平成22年6月9日に登録出願、その後、指定商品については、同年12月24日受付の手続補正書により第25類「パンツ,ズボン」と補正されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)及び(2)のとおりである。

(1)登録第5234857号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ICE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成19年4月16日に登録出願、第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,宝飾品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ミネラルウォーターの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,靴用アクセサリーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服用アクセサリーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,皮革製身飾品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類・袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同21年5月29日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

(2)国際登録第1040543号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ICE」の欧文字を普通に用いられる方法で表してなり、平成22年5月14日に国際商標登録出願、第25類「Clothing, footwear, headgear.」を指定商品として、同23年1月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

以下、これらをまとめていうときは、「引用各商標」という。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、前記1のとおり、「ICEPANTS」の欧文字を普通に用いられる方法で表してなるところ、請求人も主張するとおり「ICE」の語と「PANTS」の語とからなるものである。しかして、その構成中の「PANTS」の語は、本願の指定商品である「パンツ,ズボン」の普通名称を表したものと需要者が容易に認識するものである。また、本願商標の構成中の「ICE」の語は、我が国でも広く親しまれた「氷」を意味する英語である。

そうすると、本願商標の構成中「PANTS」の語は、本願の指定商品との関係において、その普通名称を表したものであると極めて容易に認識されるものであるから、当該「PANTS」の語からは商品の出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる。

また、前記「ICE」の語は、本願の指定商品との関係において、十分に商品の出所識別標識としての機能を果たしうるものである。

してみれば、本願商標の構成中、「ICE」の語は、需要者に対して、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものである上に、「PANTS」の語は、商品の出所識別標識としての称呼、観念が生じないものであるから、前記「ICE」の語を本願商標から抽出して、引用各商標と比較して商標そのものの類否を判断することも確立された商標法第4条第1項第11号に係る判例(昭和37年(オ)第953号 昭和38年12月5日最高裁判所第一小法廷判決、平成3年(行ツ)第103号 平成5年9月10日最高裁判所第二小法廷判決、平成19年(行ヒ)第223号 平成20年9月8日最高裁判所第二小法廷判決)に照らし、許されるというべきである。

したがって、本願商標はその構成中の「ICE」の語に相応して、商品の出所識別標識として「アイス」の称呼及び「氷」の観念を生ずるものである。

(2)引用各商標について

引用各商標は、前記2のとおり、いずれも我が国で広く親しまれた英語である「ICE」の欧文字を書してなるものであるから、当該語に相応して商品の出所識別標識としての「アイス」の称呼及び「氷」の観念を生ずるものである。

(3)本願商標と引用各商標の類否について

前記(1)及び(2)からすると、本願商標と引用各商標とは、全体の外観において差異を有するものの、本願商標中から抽出して引用各商標と類否の対比をなすべき「ICE」の語と引用各商標を構成する「ICE」の語とは、その欧文字を大文字で書してなることやつづりは同一であり、書体の差異とても需要者の印象、記憶にとどまるものとまではいえないことからすれば、本願商標と引用各商標は外観上も類似するものである。さらに、本願商標と引用各商標とは、「アイス」の称呼及び「氷」の観念を共通にする互いに相紛れるおそれのある類似の商標であり、かつ、本願商標の指定商品と引用商標1の指定役務とは、類似のものである。また、本願商標の指定商品と引用商標2の指定商品は、同一又は類似のものである。

しかして、前記の類否判断を左右するような取引の実情は見当たらない。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(4)請求人の主張について

ア 請求人は、要旨、 本願商標からは「氷のような冷涼感のあるパンツ」という間接的かつ暗示的な一体的意味合いを生じる。本願商標は冷涼感を連想させる「ICE」と普通名称の「PANTS」という自他商品識別力が弱い語同士が結合して本願出願人特有の前記意味合いを有する暗示的商標として成立している商標であるから、かかる場合には、「PANTS」は需要者の記憶の中で省略されずに、その前に結合している「ICE」と常に一体として認識される。昨今、夏場においてオフィス空間での軽装が求められ、清涼感のある衣服等が市場に溢れ、各社が清涼感をイメージするような商品を売り出している現状、および、機能性衣服が市場に増えてきて清涼感を生じさせる衣服に対して需要者が親しみを覚えている現状から考えても、本願商標「ICEPANTS」に接した需要者は、本願商標を「ICE」のみで看取するのではなく、「ICEPANTS」全体で「氷のような冷涼感のあるパンツ」という最近の流行から容易に看取される一体的意味合いにより、本願商標をその構成全体で捉える。また、本願商標は「アイスパンツ」と一気一連に称呼されるものであって称呼上一体性があり、さらには、本願商標は「ICE」と「PANTS」との間に空白をおくことなく、各文字が同書同大同間隔にて構成されているから、外観上の一体性も十分にある。よって、本願商標は、その観念、称呼及び外観の点から考えて、いずれの点からも「ICE」のみが抽出されると判断されるべきものではなく、本願商標はその構成全体の一連一体で需要者に認識される旨主張する。

しかしながら、本願商標の構成中「ICE」の語を抽出して、引用各商標と比較して商標そのものの類否を判断することが適切であるというのは、前記(1)のとおりである。

そうすると、本願商標が同じ書体、同じ大きさで一連に横書きしてなるものであること、本願商標全体から生ずる称呼も冗長ではないこと、また、本願商標全体から生ずる暗示的な意味合いがありうるとしても、それらの理由によって、本願商標が常に一体のものとして取引に資されるものと断ずることはできない。

イ 請求人は、本願商標の指定商品と同一又は類似の商品において、引用各商標と併存する商標登録が存在する(第1号証)ところ、本願商標も当該登録商標と同様に引用各商標とは非類似と認められるべきものである旨主張する。

しかしながら、商標の類否の判断は、対比する両商標の具体的な構成態様及びその指定商品との関係から個別かつ具体的に判断をすべきものである。

しかして、請求人主張のように「ICE」ないし「アイス」の語を含む商標が類似する商品に併存して登録されている事実があるとしても、商標の類否判断が、個別かつ具体的になされるべきものであることに照らせば、それらの商標登録の存在によって、本願商標と引用各商標との類否判断が左右されるものでない。

ウ 請求人は、本願商標は、現に、「ICEパンツ」という態様で一連一体にて使用されている(第2号証)から、需要者が「ICEパンツ」を「ICE」ブランドと認識することは全くない。そして、本願商標は「ICEPANTS」であり、英文字にて一連一体であるから「ICEパンツ」よりも余計に一連一体にて需要者に認識されやすいものである旨主張する。

しかしながら、商標の類否判断に当たり考慮すべき取引の実情は、当該商標が現に、当該指定商品に使用されている特殊的、限定的な実情に限定して理解されるべきではなく、当該指定商品についてのより一般的、恒常的な実情を指すものである(昭和47年(行ツ)第33号 昭和49年4月25日最高裁判所第一小法廷判決)。

そうすると、請求人の主張のとおり、請求人に係る「ICEパンツ」商標が現在、一体として使用されているとしても、本願商標とは、構成が相違する商標に関する事情にすぎず、かつ、その事情は、商標の類否判断に考慮すべき一般的、恒常的なものということはできないから、前記(1)の本件の判断が左右されるものではない。

よって、前記の請求人の主張は、いずれも採用することができない。

(5)まとめ

以上からすれば、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとし

て、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。

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