Trademark Appeal Case
「コゴエ」の機能表示と識別力欠如
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第16128号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、標準文字による旨指定して平成10年4月2日登録出願、「コゴエ」の片仮名文字を横書きしてなり、第9類に属する願書記載の商品を指定商品とするものであるところ、その後、指定商品については、平成11年7月7日付手続補正書をもって「配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,遊園地用機械器具,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,盗難警報器,磁心,抵抗線,電極,自動販売機,家庭用テレビゲームおもちゃ 」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『小さい声』の意味を有する『小声』を容易に想起させる『コゴエ』の文字を書してなるところ、最近では、小さい声でも聞き取れる機能を有する電話機が開発・販売されている実情があるから、これを指定商品中、例えば電話機械器具に使用するときは、小さい声でも聞き取れる機能を有するものであること、即ち、単に商品の品質(機能)を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同4条第1項第16号に該当する。」旨認定し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、その構成前記のとおり「コゴエ」の文字よりなるところ、「コゴエ」の文字からは、「小さい声、低い声の」の意味合いの語である「小声」の片仮名表記と容易に理解されるものと認められる。
ところで、「小声」の文字(語)について、一般紙又は産業分野の新聞記事をみると、例えば、1996年9月19日付日経新聞朝刊には、「バイブレーター分離、PHS−−京セラ」とする記事見出しの下、「・・・マイクの感度も高め、小声で話しても雑音の中から話し声だけを拾い上げる。」との記述、また、1996年7月18日付日経流通新聞には、「騒音の中でも電話利用OK、日本ハイテック」とする記事見出しの下、「・・・騒音の中でも雑音の少ないクリアな通話が可能。小声で話して聞こえるため・・・」との記述、さらに、1996年7年12日付日経産業新聞には、「三洋電機、PHSコードレス、親機に充電機能」とする記事見出しの下、「・・・子機には小声で話ができ、相手には普通の声で伝わる・・・」との記述、そして、1995年12月6日付日経産業新聞には、「ヒソヒソ話も携帯電話で−−ツーカーホン関西、音声アンプ能力5倍に」とする記事見出しの下、「・・・小声でも話せる新型携帯電話・・・」との記述、及び1994年8月8日付日経産業新聞には、「マルコ、喉頭の振動利用マイク−−携帯電話用を発売」とする記事見出しの下、「・・・小声で話しても通話相手に音声が伝わる・・・」との記述がそれぞれ認められる。
以上によれば、「小声」(こごえ)の文字(語)は、電話機械器具を取り扱う業界においては、「小声で話しても通話できること(又はそのもの)」すなわち、高感度・音声拡張などの機能、効能(品質)を表すものと容易に理解され、かつ、普通に用いられる文字(語)とみて差し支えないものと認められる。
してみると、「小声」の文字(語)を片仮名表記してなる本願商標をその指定商品中の電話機械器具に使用するときは、前記事情よりして商品の機能、効能(品質)を端的に表現したものと理解されるに止まり、それをもって商品の出所識別の標識とは認識し得ないものといわなければならない。
さらに、前記の如く「小声」の文字(語)が電話機の一機能を説明する際に記述的に普通に用いられている状況を考慮すれば、「コゴエ」の文字は、この点において電話機械器具と密接に関連する文字(語)といえるものであって、何人もその表示を必要とし、かつ、その使用を欲するものといえるから、これを一私人の独占に委ねることは、商標の本質的機能並びに商標使用者の業務上の信用維持を目途とする商標法の法目的に照らし、妥当性を欠くものといわなければならない。
してみれば、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものといわざるを得ない。
また、これを前記機能を備えた商品以外の電話機械器具について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当するものというべきである。
したがって、これと同趣旨をもって本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消す理由はない。
よって、結論のとおり審決する。
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