結論テキスト
本願商標は、登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 不服2011−5208(T2011−5208/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本願商標は、「杢目金屋」の文字を標準文字で表してなり、平成21年8月24日に登録出願された商願2009−64521に係る商標法第10条1項の規定による商標登録出願(分割出願)として、第8類、第14類、第21類、第34類、第35類及び第40類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同22年1月8日に出願され、その後、指定商品及び指定役務については、原審における同年3月8日付け手続補正書並びに当審における同23年3月8日付け及び同年4月11日付け手続補正書により、最終的に、第14類「杢目金技術を用いた指輪」及び第35類「杢目金技術を用いた指輪の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と補正されたものである。
原査定は、本願商標は、自他商品ないし自他役務識別標識としての機能を有しないものであるとして、商標法第3条第1項第3号、同第6号及び同法第4条第1項第16号に該当すると認定、判断し本願を拒絶したものである。
(1)商標法第3条第1項第3号について
本願商標は、前記1のとおり、「杢目金屋」の漢字を標準文字で表してなるものである。そして、本願商標中の「杢目金(木目金)」は、工芸技術の一種で、色の違う2種類以上の金属板を数枚積み重ねて熱を加えて1枚の板を作り、部分的に削り出すなどして木目状の文様を打ち出すという日本独自の金属工芸(加工)技術を表す語であり、ひいては、当該技術を用いて作成された工芸品をも表す語であるというのが相当である。
してみれば、本願商標をその指定商品「杢目金技術を用いた指輪」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、「杢目金技術を用いた指輪を販売する店」であると認識するにとどまるというのが相当である。
また、本願商標をその指定役務「杢目金技術を用いた指輪の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、「杢目金技術を用いた指輪を販売する店」であると認識するにとどまるというのが相当である。
したがって、本願商標は、その指定商品及び指定役務との関係において、商品の販売場所ないし役務の提供場所を表したものと需要者に一般に認識されるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)商標法第3条第2項について
請求人は、本願商標は、商標法第3条第2項の規定により、商標登録を受けることができる旨主張し、当審における平成23年4月12日付け及び同24年1月27日付け手続補足書により甲第1号証ないし甲第23号証(枝番号を含む。)を提出するので、以下、本願商標が、商標法第3条第2項の要件を充足するか否かについて検討する。
ア 請求人の挙示する証拠及び当審における職権調査から次の事実が認められる。
(ア)請求人について
請求人は、その前身である貴金属製品等の企画・製造・販売等を目的とする有限会社杢目金屋を平成15年12月1日に設立し、同法人は、平成23年3月14日に請求人へ登記商号を変更した。
(イ)本願商標の使用地域について
本願商標は、請求人の直営店において、その指定商品及び指定役務について使用されているところ、それらの直営店は、東京、大阪、愛知、神奈川、千葉、兵庫、京都、宮城、広島といった全国に存在する。また、本願商標を使用した本願の指定商品を正規に取り扱う店舗が、全国各地に存在する。
(ウ)本願商標の使用期間について
平成15年8月頃から現在に至るまで、テレビジョン放送、ブライダル(結婚)関連の雑誌・書籍・催し・インターネットウェブサイトにおいて、本願商標は、その指定商品及び指定役務について使用されているところ、本願商標の使用は、平成15年8月頃から本件審決時まで、8年以上にわたるものである。
(エ)本願商標と使用商標の同一性について
実際に本願の指定商品及び指定役務について使用されている「杢目金屋」商標は、本願商標との対比において、外観上同視しうるものであって、商標としての同一性を損なうものではないから、本願商標が本願の指定商品及び指定役務について使用されているものとみて差し支えない。
(オ)本願商標の指定商品・役務と使用商品・役務の同一性について
請求人は、前記のとおり、本願の指定商品の製造、販売を業とする者であり、かつ、「杢目金技術を用いた指輪」を製造・販売しているから、実際に本願商標を使用している商品は、本願の指定商品と同一である。
また、前記のとおり、請求人は、本願の指定商品を直営店において販売し、宝石店に卸しているから、実際に「杢目金技術を用いた指輪の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を行っているところ、当該役務と本願の指定役務とは同一である。
(カ)本願商標の指定役務への使用について
前記のとおり、請求人は、本願の指定役務を提供しており、その店名や、注文書などの取引書類に本願商標を使用しているものである。加えて、テレビジョン放送、ブライダル(結婚)関連の雑誌・書籍・催し・インターネットウェブサイトにおける本願商標の使用態様をみるに、前記のとおり、それらは、本願商標を、その指定商品について使用するものであるとともに、本願の指定役務についての使用とも認められるものである。
したがって、請求人は、本願の指定役務についても、本願商標を使用しているものと認められる。
(キ)使用商品・役務の事情
本願商標が使用されている商品は、主として結婚指輪であり、また、本願商標が使用されている役務は、人生における最大の出来事にかかわる前記の商品を取り扱う役務であるとの性格上、その需要者の払う注意力は極めて高いものであるというべきである。加えて、独特の工芸技術を用いて製作される「指輪」と、その取扱いに係る役務が本願商標を使用している商品・役務であることをも踏まえると、本願商標は、実際の商品・役務の販売実績・営業規模を超えて需要者の関心を集め、その印象に残るものとみるべきである。
(ク)第三者による商標の使用について
本件審決時において、本願商標を構成する「杢目金屋」の文字を、商品「指輪」及び「指輪の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について使用する者は、請求人以外見いだせない。
(ケ)小括
以上からすれば、本願商標は、これが、その指定商品及び指定役務について使用された結果、請求人を出所とする識別標識として、需要者が認識するに至ったものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を満たすものというべきである。
(3)商標法第4条第1項第16号について
本願の指定商品及び指定役務は、前記1のとおり補正された結果、本願商標をその指定商品及び指定役務について使用しても商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるものとはいえないから、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当するものではない。
(4)結語
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を満たし、かつ、同法第4条第1項第16号に該当しない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号、同第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願の登録を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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