1 本願商標
本願商標は、「笛吹川温泉水」の文字を標準文字で表してなり、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として、平成22年9月17日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
(1)原査定は、「本願商標は、次の(2)及び(3)の登録商標と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨判断し、本願を拒絶したものである。
(2)登録第1375820号商標(以下「引用商標1」という。)
引用商標1は、「笛吹川」の文字を横書きしてなり、昭和50年5月10日に登録出願、第29類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、昭和54年3月23日に設定登録され、その後、平成21年5月27日に指定商品を第30類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がなされたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
(3)登録第1406092号商標(以下「引用商標2」という。)
引用商標2は、「笛吹川」の文字を横書きしてなり、昭和51年6月7日に登録出願、第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、昭和55年1月31日に設定登録され、その後、平成21年12月16日に指定商品を第33類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がなされたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
以下、引用商標1及び2をまとめて「引用商標」という。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり「笛吹川温泉水」の文字からなるものであり、その構成文字は、同書、同大、等間隔で外観上まとまりよく一体に表され、該文字から生ずると認められる「フエフキガワオンセンスイ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものであり、「笛吹川(周辺)の温泉水」のごとき意味合いを想起させるものである。
そうとすれば、本願商標は、かかる構成、称呼及び意味合いにおいては、これに接する取引者、需要者が、殊更その構成中の「笛吹川」の文字部分のみをもって取引に資するというより、むしろ、「笛吹川温泉水」の構成文字全体を一体のものと認識するとみるのが相当であるから、その構成中「笛吹川」の文字部分を分離・抽出して、他の商標と比較検討すべきものではないものといわなければならない。
してみれば、本願商標の構成文字中「笛吹川」の文字部分を分離・抽出し、その上で、本願商標と引用商標とが類似の商標であるとした原査定は、妥当なものということはできない。
また、他に本願商標と引用商標とが類似するというべき事情は見いだせない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。