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Trademark Appeal Case

造語の称呼類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2011−14722(T2011−14722/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「剛研」の文字を標準文字で表してなり、第8類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成21年11月13日に登録出願されたものであり、その後、指定商品については、原審における同22年4月15日受付の手続補正書により、第8類「皮砥,鋼砥,砥石」と補正されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第2497210号商標(以下「引用商標1」という。)は、「CO−KEN」の欧文字を横書きしてなり、平成2年12月18日登録出願、第13類に属する商標登録原簿記載の商品を指定商品として同5年1月29日に設定登録され、その後、同14年10月1日に存続期間の更新登録がされ、さらに、同年11月27日に指定商品を第3類、第6類、第8類、第11類、第14類、第16類、第17類、第18類、第20類、第21類及び第26類に属する別掲1に記載のとおりとする指定商品の書換登録がされたものである。

(2)登録第4371880号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成11年1月7日登録出願、第7類「金属加工機械器具」及び第8類「手動工具,手動利器」を指定商品として同12年3月31日に設定登録され、その後、同21年10月13日に存続期間の更新登録がされたものである。

(以下、これらをまとめて「引用商標」という場合がある。)

3 当審の判断

(1)本願商標

本願商標は、前記1のとおり、「剛研」の文字を標準文字で表してなるものである。

そして、該「剛研」の文字は、辞書等に熟語としての用例が見当たらないことからすれば、一般に用いられることのない造語であって、直ちに特定の読みを生ずることのないものであるところ、本願商標を構成する「剛」及び「研」の各文字は、いずれも常用漢字とされるものであって、前者は「ゴウ」の音読み及び「つよい。はがね。」の字義を、後者は「ケン」の音読み及び「みがく。とぐ。」の字義(「角川大字源」、株式会社角川書店発行)をそれぞれ有するものとして一般に知られているものである。

してみれば、本願商標は、その構成文字に相応して、「ゴウケン」の称呼及び「つよくみがく」ほどの意味合いを生ずるものというのが相当である。

(2)引用商標

ア 引用商標1

引用商標1は、前記2(1)のとおり、「CO」と「KEN」の各文字をハイフンを介して「CO−KEN」と書してなるところ、その構成文字は、同書、同大で外観上まとまりよく一体的に表されているものである。

そして、該「CO−KEN」の文字は、直ちに親しまれた特定の語を想起させるものではなく、造語として認識されるものであり、かかる場合には我が国で親しまれた英語の発音に倣って称呼されるというのが相当であるところ、例えば、「co−」のつづりを共通にする英語の接頭辞「co−」が用いられた英語「co−worker」を「コワーカー」と発音し、また、「ken」のつづりを共通にする英語「Kentucky」を「ケンタッキー」と発音することに倣えば、該文字からは、「コケン」の称呼を生ずるというのが相当である。

してみれば、引用商標1は、「コケン」の称呼を生じ、特定の観念を生ずることのないものである。

イ 引用商標2

引用商標2は、別掲2のとおり、上段に「Koken TOOL CO.,LTD.」の文字(その構成中の「Koken」の文字部分は、極太線を用い、かつ、各文字が連なる筆記体風の書体をもって表されている一方、その他の文字部分は、該「Koken」の文字に比してやや小さく、太線を用い、かつ、いわゆるブロック体をもって表されている。)、下段に、上下に各1本の横線を伴う「HIGH PERFORMANCE TOOLS OF CONVINCING QUALITY」の文字(各文字は、上段の各文字に比して小さく、細線を用い、かつ、いわゆるセリフ(serif)付きの書体で表されている。)をそれぞれ配してなるところ、各段を構成する文字は、上述のとおり、その大きさや書体等において顕著な差異を有するものであるのみならず、その構成態様に照らせば、上段の「Koken TOOL CO.,LTD.」の文字の方が看者の注意を惹きやすいというのが相当であるから、該文字が視覚的により強い印象をもって看取され得るものである。

また、該文字は、その構成中に会社組織を表す英語「Company limited」の略語として広く知られ、かつ、我が国において法人名を英語表記する際に法人格を表すものとして一般に用いられている「CO.,LTD.」の文字を含んでなることから、看者をして、該文字全体をもって英語表記してなる法人名として理解されるとみるのが相当である。

そうとすると、引用商標2をその指定商品について使用した場合、その構成中の「Koken TOOL CO.,LTD.」の文字部分は、分離、独立して商品の出所標識としての機能を果たし得るというべきであり、また、「CO.,LTD.」の文字は、上述のとおり、会社組織を表す英語の略語として認識されるものであるから、これを捨象した「Koken TOOL」の文字も、自他商品の識別力を有する部分というべきである。

そして、「Koken TOOL」の文字についてみれば、その構成中の「Koken」の文字は、直ちに親しまれた特定の語を想起させることのない造語として認識されるものであるから、引用商標1における場合と同様に、例えば、英語の「koala」を「コアラ」と、同じく「Koran」を「コーラン」と発音することに倣えば、該「Koken」の文字は、「コケン」又は「コーケン」と称呼するものというのが相当である。

してみれば、引用商標2は、その構成全体に相応する「コケン(又はコーケン)ツールカンパニーリミテッドハイパフォーマンスツールスオブコンビンシングクオリティー」の称呼を生ずるほか、その構成中の「Koken TOOL CO.,LTD.」の文字部分(他の文字が捨象されて「Koken TOOL」の文字に相応する場合を含む。)に相応して、「コケン(又はコーケン)ツールカンパニーリミテッド」及び「コケン(又はコーケン)ツール」の称呼をも生ずるものであり、また、後者の場合にあっては、「コケン(又はコーケン)工具(社)」ほどの意味合いを看取させるものである。

(3)本願商標と引用商標との類否判断

ア 本願商標と引用商標1との類否について

本願商標と引用商標1とは、各々、前記1及び前記2の(1)のとおりの構成からなるものであるから、外観上相紛れるおそれのないものである。

また、本願商標から生ずる「ゴウケン」の称呼と引用商標1から生ずる「コケン」の称呼とを比較するに、両者は、称呼における識別上重要な要素を占める語頭部において「ゴウ」の音と「コ」の音という明らかな差異を有するものであるから、これがそれぞれ4音と3音という短い音構成からなる両者の称呼全体に与える影響は少なくなく、両者をそれぞれ一連に称呼しても、相紛れるおそれのないものである。

さらに、本願商標は「つよくみがく」の観念を生ずるのに対し、引用商標1は特定の観念を生ずることのないものであるから、両商標は、観念上区別し得るものである。

してみれば、本願商標と引用商標1とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

イ 本願商標と引用商標2との類否について

本願商標と引用商標2とは、各々、前記1及び別掲2のとおりの構成からなるものであるから、外観上相紛れるおそれのないものである。

また、本願商標から生ずる「ゴウケン」の称呼と引用商標2から生ずる「コケン(又はコーケン)ツールカンパニーリミテッドハイパフォーマンスツールスオブコンビンシングクオリティー」、「コケン(又はコーケン)ツールカンパニーリミテッド」及び「コケン(又はコーケン)ツール」の称呼とを比較すると、いずれの比較においても、その音構成において明らかな差異を有するものであるから、両者は、相紛れるおそれのないものである。

さらに、本願商標は「つよくみがく」の観念を生ずるのに対し、引用商標2は「コケン(又はコーケン)工具(社)」の観念を生ずるものであるから、両商標は、観念上区別し得るものである。

してみれば、本願商標と引用商標2とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

(4)まとめ

以上のとおり、本願商標と引用商標とは、互いに紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本願商標と引用商標が類似するものとして本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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