結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2011−300647(T2011−300647/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第5147945号商標(以下「本件商標」という。)は、「IIMOO」の欧文字及び「イーモー」の片仮名を上下二段に横書きしてなり、平成19年7月19日に登録出願され、第42類「インターネットにおける電子掲示板用のサーバーエリアの貸与,インターネットサーバーの記憶領域の貸与,気象情報の提供,建築物の設計,測量,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」のほか、第3類、第9類、第21類、第35類、第36類、第39類、第41類、第43類、第44類及び第45類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として平成20年7月4日に設定登録されたものである。
なお、本件審判請求の登録は、同23年7月26日にされている。
請求人は、本件商標の指定役務中、第42類「インターネットにおける電子掲示板用のサーバーエリアの貸与,インターネットサーバーの記憶領域の貸与,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」についての登録を取消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出している。
本件商標は、本件審判請求に係る指定役務について、継続して3年以上、日本国内において商標権者、専用使用権者または通常使用権者のいずれかによって使用された事実は存在しないものであるから、商標法第50条第1項の規定により、上記役務についての登録が取消されるべきである。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証を提出している。
本件商標は、請求に係る指定役務のうち、少なくとも「インターネットにおける電子掲示板用のサーバーエリアの貸与、インターネットサーバーの記憶領域の貸与、電子計算機用プログラムの提供」(以下「本件役務」という。)について、本件審判請求の登録前3年以内(以下「要証期間」という。)に、被請求人によって、日本国内において継続して使用されているものである。以下にその詳細について述べる。
なお、被請求人は、後述する乙各号証からも明らかなとおり、上段の「IIMOO」の欧文字部分を使用していることから、「登録商標」(「社会通念上同一」の商標を含む。)を使用しているということができる。
(1)ウェブサイト「iimoo」について
被請求人は、昭和61年4月に、その前身である「ジェイエムシー四国株式会社」として設立されたものであり、以降20数年もの間、多岐に渡る事業を継続して行っている。その事業の一環として平成21年より、「美容」と「健康」をテーマにした電子商取引、イベント情報の提供、ライフスタイルの提案等を実現したポータルサイトである「iimoo」の運営を開始している。
乙第1号証は、被請求人が管理・運営するウェブサイト「iimoo」のトップページの写しである。この左上部分及び左中部分に第4文字目「o」の図案化を伴った「iimoo」の文字が書されている。
これより、被請求人が本件指定役務について本件商標を使用していることが一見して明らかである。
なお、この図案化を伴った「iimoo」の文字は、本件商標と同一の称呼「イーモー」を生ずるものといえるため、本件商標と社会通念上同一の商標ということができる。
(2)取引書類について
ウェブサイト「IIMOO」は、インターネット上の仮想商店街(インターネット上の複数の商店のウェブページを一つのサイトにまとめ、様々な品物を販売するウェブサイトのこと)を形成するものであり、被請求人は、その個々の商店に対して「インターネットサーバーの記憶領域の貸与」及び「電子計算機用プログラムの提供」を行っている。
乙第2号証は、「IIMOO」を利用してインターネット上の商店を業として行う契約者(以下「商店主」という。)が被請求人に対して提出した「出店申込書」である(商店主名は個人情報保護の観点から黒塗とする。)。
これによれば、現実に被請求人が商店主との間で出店に関する契約を結んでいることが明らかとなる。すなわち、サーバーの記憶領域を商店主に貸与していることが明らかである。
さらに、乙第3号証は、その裏面に記載された「iimoo利用約款」であり、これは、「IIMOO」の利用に関するガイドラインについて詳細な規則を定めたものである。
次に、乙第4号証及び乙第5号証は、商店主が「IIMOO」を利用することにより発生する利用料に関する「請求書」及び「領収書」の写しである。
この「請求書」の「製品名」欄には、「iimoo」の文字が確認でき、さらに、「領収書」の「但し」書欄においても「iimoo」の文字を確認することができる。
そして、当該「請求書」及び「領収書」で用いられている「iimoo」の文字は、大文字により構成されている本件商標とは、文字の種類において若干相違するものの、本件商標との関係では「社会通念上同一」の商標ということができる。
さらに、「請求書」及び「領収書」の各日付欄には「2009年5月14日」及び「平成21年5月25日」と記載されているところ、これらの日付は、ともに要証期間内である。
このように、被請求人の提出に係る全ての書証から、被請求人が要証期間内に本件指定役務について本件商標を使用していることは明らかである。
(3)まとめ
以上、被請求人の提出に係る乙各号証を勘案すれば、本件商標が被請求人によって、請求に係る指定役務、第42類中の少なくとも「インターネットにおける電子掲示板用のサーバーエリアの貸与、インターネットサーバーの記憶領域の貸与、電子計算機用プログラムの提供」の役務について、日本国内で継続して使用されているものである。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定に基づいて、請求に係る指定役務についての登録を取り消されるべきものではなく、請求人による審判請求は理由がない。
(1)乙第1号証について
乙第1号証の1枚目は、「イーモー 〜健やかに美しく〜−Mozilla Firefox」と題するウェブページの写しであるところ、その上段には、空中に浮かぶ堀を巡らした空想都市を描いた如き風景画が描かれ、その左上隅に左から4番目の「o」の文字を人の顔のように図案化した「iimoo」の文字を表し、その下に小さな「THE ISLAND OF BEAUTY & HEALTH」の文字が併記されているほか、上記風景画の直ぐ下に「iimoo top」、「shop search」、「shopping」、「event」及び「lifestyle」の各項目が表示されている。
さらに、これらの下に「新着」として映画情報が、「店舗特集」としてエステティック店の情報がそれぞれ掲載されている。
この「新着」のほか「食」、「健康」及び「プレイス」の見出しもあり、これらの左側には、上記と同様の図案化した「iimoo」の文字を挟んで上下に「健やかに、美しく。」及び「THE ISLAND OF BEAUTY & HEALTH」の文字が小さく併記された表題下に、「イーモー ライフスタイル」、「iimoo shopping」等の項目が表示されている。
(2)乙第2号証について
乙第2号証は、「出店申込書」の写しであり、そこには、「当社は、ジェイエムシー株式会社に対して2009年3月版 iimoo 利用約款を同意し、個人情報の取扱いにあたって漏洩等の生じないよう最善の注意を払うことを約し本書の通りiimooへの出店を申し込みます。・・・」と印刷されている。
また、その下部には、「記入日(西暦)」、「会社名 代表者名」、「住所」、「店舗名」、「設立年月日(西暦)」、「取扱予定商材」、「店舗運営責任者」、「連絡先用電話番号」、「連絡先E−mail」、「希望店舗ID」、「希望ドメイン」、「店舗用一般公開向けメールアドレス」、「プラン選択」、「金融機関名」及び「OPEN予定日(契約開始日)(西暦)」の各項目欄が印刷されており、それぞれの項目に応じた内容が手書きされている(ただし、未記入及び黒塗りされている部分も存する。)。
そして上記項目のうち、上部の「記入日(西暦)」欄には、「2009年5月12日」、下部の「OPEN予定日(契約開始日)(西暦)」欄には、「2009年5月25日」とそれぞれ記載されている。
(3)乙第3号証について
乙第3号証は、「iimoo利用約款」の写しであるところ、そこには、「本約款は、ジェイエムシー株式会社(以下「甲」という)とiimoo登録加盟店(以下「乙」という)との間の、当社が提供するiimoo(以下、当サービス)の利用に係わる一切の関係に適用します。」と規定されているほか、次のような規定が掲載されている。
第1条(総則)
本約款は甲がインターネットで運営するポータルサイト「iimoo」に、店舗情報を記載したページを開設すること(以下加盟店登録という)を申し込み、甲が、加盟店登録を認めた場合の、甲と乙との間の契約関係について定めるものである。(括弧書略)
第2条(加盟申込規則)
1.乙は、iimooにおいて加盟店登録を希望する、物品の販売(以下「販売等」という)を希望する場合、甲所定の方法により申込を行わなければならない。
2.甲は、前項の申込を承諾した場合、乙に対し、甲が管理するサーバ(以下「サーバ」という)内の乙の店舗情報のページおよび商品情報を登録したページ(以下「加盟店ページ」という)、甲所定のWebサイトの枠組みおよびデータベースシステム、ならびにiimooおよび加盟店ページを構成するソフトウェアを、乙が本約款および甲乙間で適用される他の約款、ガイドラインその他の合意事項(以下あわせて「本約款等」という)に従って使用することを許諾する。
3.〜4.(略)
第4条(ページの開設)
1.甲は、乙に対し、第2条(加盟申込規則)の申込を承諾した場合、サーバ内の甲が指定するURLに乙の加盟店ページを開設するとともに、加盟店ページ上に、提供する店舗の情報(以下「コンテンツ」という)および販売する商品(以下「商品等」という)を作成するために必要なソフトウェアを提供する(括弧書略)。
2.乙は自社でのホームページもしくは、ショッピングサイト等のWEBページを所持している場合に限り、甲が運営するポータルサイト「iimoo」のバナー広告もしくは、文章でのリンクを作成し、表示しなければならない。
(4)乙第4号証について
乙第4号証は、被請求人の発行に係る2009年5月14日付の「請求書」の写しであるところ、そこには、「製品名」欄に「iimooライトプラン1年契約 1式」のほか、「単価」欄、「数量」欄及び「金額」欄に、それぞれに応じた数値が記載されている。
(5)乙第5号証について
乙第5号証は、被請求人の発行に係る平成21年5月25日付の「領収書」の写しであるところ、そこには、金額と共に「但しiimooシステム利用料」と記載されており、該金額は、上記乙第4号証の請求書に記載された金額と一致している。
乙第1号証は、後記乙第2及び3号証の記載からしても、被請求人が開設するウェブサイト「iimoo」のトップページの写しと認めることができる。
また、乙第2号証は、被請求人が開設するウェブサイト「iimoo」への商店主からの「出店申込書」の写しであり、さらに、乙第3号証は、被請求人開設のウェブサイトに商店主が出店するに際しての被請求人と商店主(iimo登録加盟店)との間における被請求人提供の「iimoo」の利用に関する一切の約款の写しと認めることができる。
そして、被請求人は、インターネット上で「iimoo」(イーモー)と称するポータルサイトを管理・運営し、店舗情報を記載したページを開設(乙1)していること、該ポータルサイトは、インターネット上の仮想商店街(インターネット上の複数の商店のウェブページを一つのサイトにまとめ、様々な商品を販売するウェブサイト)を形成するものであること、被請求人は、インターネット上の商店とインターネット上での出店について契約を締結(乙2及び3)していることなどが認められ、被請求人と上記仮想商店街の商店との関係は、被請求人がインターネットサーバーの記憶領域を該商店に貸与しているものというべきであり、被請求人は独立した役務の提供を行っているものといえる。
現に、被請求人は、本件審判請求の登録(平成23年7月26日)前3年以内である2009年5月12日に顧客から出店申込(乙2)を受け、それを了承し、同年5月25日に「iimoo システム利用料」として代金を受け取っている(乙4)。
また、乙第1号証のウェブページの掲載日は明らかではないが、被請求人は乙第3号証の「iimoo利用約款」に基づいて顧客たるインターネット上の仮想商店街の商店と契約し(乙2及び3)、役務を提供していることからすれば、2009年5月当時においても乙第1号証と同様のウェブページが存在していたものと推認される。
そして、上記ウェブページには、図案化された「iimoo」の表示を始め、「iimoo」又は「イーモー」の文字が随所に掲載されており、これらの標章は、独立して役務の識別標識としての機能を果たすものというべきであり、かつ、上記第1のとおりの構成からなる本件商標とはその称呼を同じくするものであり、観念においては異なるものとはいい得ないことから、本件商標と社会通念上同一と認めうるものである。
また、乙第4号証の「請求書」に記載された「iimooライトプラン1年契約 1式」の文字及び第5号証の「領収書」に記載された「iimooシステム利用料」の文字中の「iimoo」の文字部分は、乙第3号証の「iimoo利用約款」と併せ考慮すれば、被請求人の提供に係る役務を指称するものとして認識されるとみても不自然ではないし、本件商標と社会通念上同一と認めうるものである。
以上を総合すると、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内である2009年5月当時に、日本国内において、請求に係る指定役務中の「インターネットサーバーの記憶領域の貸与」について本件商標と社会通念上同一と認めうる商標を使用していたものと判断するのが相当である。
そして、当該行為は、前記2において認定した内容より、電磁的方法により行う映像を介した役務の提供に当たりその映像面に標章を表示して役務を提供する行為(商標法第2条3項第7号)及び役務に関する広告、若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為(同第8号)に該当するというのが相当である。
してみると、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者(被請求人)が、本件審判請求に係る指定役務中の「インターネットサーバーの記憶領域の貸与」に本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したものと認められる。
したがって、本件商標の指定役務中、請求に係る指定役務についての登録は、商標法第50条第1項の規定に基づき、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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