1 本願商標
本願商標は,「楽園」の文字を標準文字で表してなり,第33類「日本酒」を指定商品として,平成22年8月6日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
本願商標は,別掲のとおりからなり,第33類「酒類」を指定商品とする登録第957535号商標(以下「引用商標」という。)と,類似の商標であって,同一又は類似の商品について使用をするものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,前記1のとおり,「楽園」の文字を表してなるところ,該語からは,「ラクエン」の称呼を生じ,「安楽な場所。苦しみのない場所。楽土。極楽。パラダイス。」(広辞苑第六版)の意味を有する語であることから,かかる観念を生ずるものである。
(2)引用商標について
引用商標は,「楽宴」の文字からなるところ,該文字は,特定の意味を有する成語として辞書等に掲載されているものでないことから一種の造語といえるものの,その構成中,「楽」の文字部分が,「心身が安らかでたのしいこと。好むこと。愛すること。」の意味を有する語であって,「宴」の文字が,「さかもり。酒宴。」の意味を有する語(いずれも広辞苑第六版)としてよく知られた語であることから,「楽宴」の文字からは,「ラクエン」の称呼をも生じ,「さかもりや酒宴を楽しむこと,好むこと」程の観念を生ずるものということができる。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標との類否について検討するに,両商標の外観は,それぞれ上記(1)および(2)のとおりの構成からなるものであるから,「園」と「宴」の文字において明確に相違するものであり,構成全体の外観において,十分に区別できるものである。
そして,観念については,本願商標から「安楽な場所。苦しみのない場所。楽土。極楽。パラダイス。」の観念を生ずるのに対し,引用商標からは,「さかもりや酒宴を楽しむこと,好むこと」程の観念を生ずるものであるから,観念において,相違すること明らかである。
そうとすれば,両商標は,たとえ,「ラクエン」の称呼を共通にするとしても,上記したとおり外観及び観念において明らかに相違するものであって,これらの外観と観念の相違が称呼の共通性を凌駕するものであるから,外観,称呼及び観念を総合的に判断すると,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等が異なる商標である。
よって,両商標は,商品の出所の誤認,混同を生ずるおそれのないものであり,全体として非類似の商標というのが相当である。
(4)まとめ
したがって,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,妥当ではなく,取消しを免れない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。