1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第32類「巨峰の果汁入り清涼飲料,巨峰を原材料としてなるグレープジュース」を指定商品として平成23年1月14日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、以下の(1)及び(2)のとおり判断し、本願を拒絶したものである。
(1)本願は、その指定商品の内容及び範囲を明確に指定したものとは認められないから、商標法第6条第1項の要件を具備しない。
(2)本願商標は、以下の登録商標と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(ア)登録第1965276号商標(以下「引用商標」という。)
引用商標は、「巨峰」及び「KYOHO」の文字を二段に書してなり、昭和59年3月13日登録出願、同62年7月23日に設定登録されたものであり、その商標権は第30類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標との類否について
本願商標は、別掲のとおり、「国産 巨峰」の文字を縦書きに、その下方にやや小さく「KAGOME」のローマ字を横書きした構成よりなるものである。
そして、本願商標構成中の「巨峰」の文字部分は、ブドウの一品種を表示するものとして、一般の需要者に認識され、使用されることが少なくないことからすれば、本願指定商品の品質を表示するものとして把握されるとみるのが相当であって、該文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものとはいい難く、構成中の「巨峰」の文字部分のみに着目し、当該文字部分のみをもって、取引にあたるということはできない。
また、本願商標に接する取引者、需要者がその構成中の「巨峰」の文字部分のみをもって取引に資するというべき特段の事情も見いだせない。
してみれば、本願商標は、その構成全体から「コクサンキョホーカゴメ」の称呼を生ずるほか、請求人の業務に係る商品(調味料,飲料等)を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く認識されている「KAGOME」の文字部分から「カゴメ」の称呼を生ずるものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標から「巨峰」の文字部分を分離・抽出し、その上で本願商標と引用商標とが「キョホー」の称呼を共通にする類似の商標であるとした原査定は、妥当なものということはできない。
また、他に本願商標と引用商標とが類似するというべき事情は見いだせない。
(2)本願の指定商品について
本願商標は、その指定商品中「巨峰」の文字が前記のとおり、ブドウの一品種を表示するものとして、一般に認識されているものであるから、その指定商品の内容及び範囲を明確に指定したものと判断するのが相当である。
(3)まとめ
以上のとおりであるから、本願が商標法第6条第1項の要件を具備せず、また、本願商標が同法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。