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Trademark Appeal Case

不使用取消審判の使用判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2011−300517(T2011−300517/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4006017号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4006017号商標(以下「本件商標」という。)は、「フェアライン」の片仮名と「FAIRLINE」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、平成7年8月10日に登録出願され、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,靴下,スカーフ,手袋,ネクタイ,ずきん,帽子,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),草履類」を指定商品として、同9年5月30日に設定登録、その後、同19年5月1日に商標権の存続期間の更新登録がされ、また、指定商品については、商標権一部取消し審判があった結果、本件商標の指定商品中「エプロン,靴下,スカーフ,手袋,ネクタイ」については、その登録を取り消す旨の審決がされ、その確定登録が同21年7月7日にされたものである。

なお、本件審判請求の登録は、平成23年6月21日にされている。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を概略、以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第5号証を提出した(但し、甲第1号証は、審判請求書及び弁駁書に添付のものが2つ存在する)。

1 請求の理由

本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上、日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれもが使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

(1)乙第1号証について

乙第1号証は、被請求人と株式会社エスエスケイ(以下「エスエスケイ」という。また、場合によって「使用権者」という。)の間で結ばれた、商標権使用許諾契約書であり、「使用対象商品」は、「野球ユニフォーム」と明記されている。

「野球ユニフォーム」は、「商品及び役務の区分」に基づく類似商品・役務審査基準〔国際分類第9版対応〕によれば、第25類「運動用特殊衣服」に属する指定商品であり、その類似群は、24C01である。

このことは、過去の審査採用商品名「野球用ユニフォーム」が、類似群24C01のみを有することからも明らかである(甲1)。

そこで、本件商標に係る指定商品をみると、「運動用特殊衣服」(類似群24C01)は、含まれていない。つまり、被請求人に使用権原がない「野球ユニフォーム」について、エスエスケイに使用許諾をしたものであり、当該契約は、本件商標が使用されていることの証拠として不適切である。

(2)乙第2号証について

ア 商標の同一性について

本件商標は、片仮名「フェアライン」を上段に、欧文字「FAIRLINE」を下段に有する二段書き構成である。

それに対し、当該証拠中にみられる「フェアラインメッシュ」、「フェアラインメッシュ2」は、(a)書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、(b)平仮名、片仮名及びローマ字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標、(c)外観において同視(審決注:「視」の文字は、弁駁書においては、「市」と記載されているが誤記と思われる。)される図形からなる商標、のどれにも該当せず、本件商標と社会通念上、同一と認められる商標にはあたらない。

「FAIRLINE」のロゴについては、印刷が小さいため、鮮明には見ることができないが、本件商標の書体を変更した「FAIRLINE」の欧文字中に被さるようにして文字又は図形が書かれていることが分かる。当該追加された文字又は図形は、本件商標中に加えられており、「FAIRLINE」と一体不可分の構成であることから、当該ロゴは、本件商標とは全く別の商標である。

イ 指定商品について

上述の「フェアラインメッシュ」、「フェアラインメッシュ2」及び「FAIRLINE」のロゴが表示されている商品は、ユニフオームの素材となる「生地」である。「生地」は、第24類に属する商品であり、本件商標の指定商品には含まれていない。

ウ 作成日時、頒布又は展示等の事実

このカタログが作成、頒布、展示等がされた時期及び数量等が不明である。

被請求人は2009年のカタログとしているが、ページ右下にある年号は、その印字が薄いため確認することができない。

したがって、「フェアラインメッシュ」、「フェアラインメッシュ2」及び「FAIRLINE」のロゴは、いずれも本件商標と社会通念上同一と認められる商標ではないため、被請求人の主張は、失当であると考える。

また、仮にこれらが社会通念上同一と認められた場合でも、上記イで述べたように、権利範囲ではない商品についての使用であるため、本件商標の使用には該当しない。

(3)乙第3号証及び乙第4号証について

被請求人は、当該証拠中で「フェアラインメッシュ2」を使用中の商品を、本件商標に係る指定商品である「洋服」に該当する「シャツ類」の素材と主張している。

しかし、当該証拠中の写真は、いずれも「プレゲームシャツ」という野球ユニフォームの一種であり、第25類「洋服」に属するものではない。

インターネットで当該証拠中に掲載されている写真の商品を調べたところ、多くのページで「SSK ユニフォームメッシュシャツ」や「ユニフォームシャツ」と紹介されていることがわかる。

以上のことから、客観的にみて被請求人が「洋服」に該当する「シャツ類」と主張する商品は、「ユニフォーム」に該当する商品であることが明白である。

(4)乙第5号証について

被請求人は、「ユニフォーム」が本件商標に係る指定商品である「洋服」に該当するとしているが、上述のとおり、「ユニフォーム」は、「運動用特殊衣服」(類似群24C01)に属する商品である。

また、当該証拠中に本件商標が、使用されている事実は見られない。

(5)まとめ

被請求人が提出した証拠は、いずれも本件商標が本件審判請求の予告登録日前3年以内に、その指定商品について使用されたという事実を証明するには、不適切、不十分であり、これらをもって本件商標を使用したとは認められない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める、と答弁し、その理由を概略、以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。

答弁の理由

(1)被請求人は、エスエスケイに対し、通常使用権を許諾する商標使用許諾契約を締結しており、その事実を証明するものとして2009年(平成21年)4月7日付け「商標使用における契約書」を提出する(乙1)。

(2)使用権者は、本件商標の使用許諾に基づき、本件商標を平成21年から現在に至るまで継続的に使用しており、本件商標が商品(以下「本商品」という。)に使用されていることを示すものとして以下の資料を提出する。

ア 2009 BASEBALL & SOFTBALL カタログ(抜粋)(乙2)

本商品に該当する「ユニフォーム」のシャツ素材一覧に「フェアラインメッシュ」、「フェアラインメッシュ2」及び「FAIRLINE(ロゴ)」が表記されている。

イ 2011 BASEBALL & SOFTBALL カタログ(抜粋)(乙3)

本商品に該当する「シャツ類」の素材として「フェアラインメッシユ2」が表記されている。

ウ 使用権者のホームページ(乙4)

本商品に該当する「シャツ類」の素材として「フェアラインメッシユ2」が表記されている。

エ インターネットサイト検索の結果(乙5)

本商品に該当する「ユニフォーム」と本件商標「フェアライン」とをインターネットサイト検索(Google検索)をしてみたところ、検索結果のほとんどが、使用権者の製品であり、本件商標「フェアライン」が本商品に使用されていることを示すものと考える。

上記証拠(乙2ないし乙5)が示すとおり、本件商標「フェアライン」は、本商品のカタログに表記され、2009年から現在に至るまで継続して使用されている。

上記使用は、本商品の需要者・取引者に一定の品質を認識させ、他の商品とを識別する自他商品識別標識としての機能を発揮しており、品質保証機能も発揮しているものである。

(3)以上のとおり、本件商標は、指定商品について、使用権者により本件審判請求登録前より現在に至るまで継続して使用されていることは、乙各号証により明らかであるから、商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものではない。

第4 当審の判断

1 商標法第50条に規定する商標登録の取消しの審判にあっては、その第2項において、その審判請求の登録日(本件の場合、平成23(2011)年6月21日)前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての使用をしていることを被請求人が証明しない限り、使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにした場合を除いて、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れないとされている。

2 被請求人の提出に係る各乙号証によれば、以下の事実が認められる。

(1)乙第1号証について

乙第1号証は、被請求人の機能テキスタイル販売部長「鈴木哲志」氏とエスエスケイ代表取締役「佐々木恭一」氏との2009年4月7日付け、有効期間が2009年11月1日から2012年10月31日とする「商標使用における契約書」であるところ、その最終頁の「使用対象商品」欄には、「野球ユニフォーム」と記載されている。

(2)乙第2号証及び乙第3号証について

乙第2号証は、その作成日(発行日)及びカタログ名が確認できないが、被請求人の主張によれば、「2009 BASEBALL & SOFTBALL カタログ」、また、乙第3号証は、2011年2月発行の「2011 BASEBALL & SOFTBALL CATALOG」である。

そして、乙第2号証における上部においては、「SSK ユニフォーム・素材ラインナップ/豊富な生地バリエーション展開」と記載されているほか、「素材名称」欄には、「フェアラインメッシュ2」及び「フェアラインメッシュ」、また、「生地デザイン」欄には、「FAIRLINE」のロゴが表示されているほか、「特徴」欄には、「大きなメッシュホールをさらにメッシュで編み上げ軽量かつ通気性を重視した素材です。」と記載されている。

また、乙第3号証における「ダミーオープンプレゲームシャツ」、「1ボタンプレゲームシャツ」及び「2ボタンプレゲームシャツ」等の「プレゲームシャツ」の各説明には、いずれも「素材には軽量かつ通気性を重視した『フェアラインメッシュ2』を採用、ソフトな肌触りで着心地爽快です。」と記載されている。

(3)乙第4号証について

乙第4号証は、2011年7月28日付け紙出力の「使用権者のホームページ」であるところ、その1頁の「2ボタンプレゲームシャツ」、及び3頁の「2ボタンプレゲームシャツ(無地)」の各説明には、いずれも乙第3号証と同一の「素材には軽量かつ通気性を重視した『フェアラインメッシュ2』を採用、ソフトな肌触りで着心地爽快です。」なる文言が記載されている。

(4)乙第5号証について

乙第5号証は、乙第4号証と同日付け紙出力の「ユニフォーム フェアライン」を検索ワードとしたインターネットサイト検索結果の情報であるところ、その中には、「SSK ユニフォームメッシュシャツ」の通販情報等が掲載されており、そこには、「シャツには軽量で汗が肌面にもどらないフェアラインメッシュ2を採用。」と記載されている。

3 以上の被請求人の提出に係る乙各号証及び答弁の全趣旨によれば、以下の事実を認めることができる。

(1)乙1号証について

乙第1号証の「商標使用における契約書」における最終頁の「使用対象商品」欄には、「野球ユニフォーム」と記載されているところ、これは、一般にその主たる目的、用途が限られているものであって、日常的に使用する本件商標の指定商品中の「洋服」とは、その目的、用途、販売場所及び需要者等が異なるものであり、被請求人が主張する「洋服」の範ちゅうには、属さない商品(「運動用特殊衣服」に属する商品)といわざるを得ない。

また、仮に「野球ユニフォーム」中に「洋服」の範ちゅうに含まれる商品が、存在する場合があるとしても、当該号証のみでは、本件商標の使用とは認めることはできない。

(2)乙第2号証ないし乙第5号証について

乙第2号証においては、「SSK ユニフォーム・素材ラインナップ/豊富な生地バリエーション展開」との記載の下、「フェアラインメッシュ2」及び「フェアラインメッシュ」なる標章が「素材名称」欄に記載されていることから、フェアラインメッシュ2」なる標章は、明らかにユニフォームの「素材の標章」として使用されていると認められるほか、乙第2号証ないし乙第5号証の各証拠によっても、「FAIRLINE」(ロゴ)、「フェアラインメッシュ2」及び「フェアラインメッシュ」なる標章の使用は、「大きなメッシュホールをさらにメッシュで編み上げ軽量かつ通気性を重視した素材です。」(乙2)、「素材には軽量かつ通気性を重視した『フェアラインメッシュ2』を採用、ソフトな肌触りで着心地爽快です。」(乙3及び4)、及び「シャツには軽量で汗が肌面にもどらないフェアラインメッシュ2を採用。」(乙5)と記載されていることからすれば、「ユニフォーム、シャツ(野球用のアンダーシャツ)」の「素材である生地」についての使用であると認め得ることができるとしても、本件商標のいずれかの指定商品についての使用であるとは到底認めることができないものである。

4 まとめ

以上のとおり、被請求人の提出にかかる乙各号証によっては、被請求人は、その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについての使用をしていることを証明していないものといわざるを得ず、また、被請求人は、使用をしていないことについて正当な理由があると述べるものでもない。

したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すべきである。

よって、結論のとおり審決する。

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