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結論

敗訴(請求棄却)

商標「発電水栓」の記述的商標の識別力(第4条第1項第16号・第3条第1項第3号|審判不服2010−27346(T2010−27346/J1))

審判番号
不服2010−27346(T2010−27346/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「発電水栓」
争点(論点)
記述的商標の識別力
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判不服2010−27346(T2010−27346/J1)・不服)は、本件商標「発電水栓」について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「記述的商標の識別力」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「発電水栓」の文字を標準文字で表してなり、第11類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として平成21年12月10日に登録出願、その後、指定商品については、原審における同22年7月9日付けの手続補正書により、第11類「水道用栓,シャワー器具」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『発電水栓』の文字を標準文字で表示してなるが、指定商品との関係において、その構成中の『発電』の文字部分が『水力・火力・原子力・風力・太陽熱などによって電力を発生させること。』を意味し、また『水栓』の文字部分は『給水(給湯)設備の末端に取り付け、開閉操作を行うもの』の意味合いを有する語であることが一般に知られており、また水流を利用して発電し、人体の感知や水の出し止めの制御を行う自動水栓が各社から販売されているから、本願商標は、『水流を利用した発電機能を有する水栓』の意味合いを容易に想起させるものである。そうとすると、本願商標をその指定商品中の例えば『水流を利用した発電機能を有する水道用栓』に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、その商品が『水流を利用した発電機能を有すること』を表示したものと理解するにすぎないというのが相当であるから、本願商標は、単に商品の品質(内容、機能)等を表したものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における証拠調べ通知

請求人に対して、平成23年9月22日付けで、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて通知した内容は、別掲のとおりである。

4 請求人の意見の要旨

請求人は、前記3の証拠調べ通知に対して、平成23年11月7日付けの意見書を提出し、「通知された情報には、本願商標『発電水栓』が一般的な記述的表示として用いられている事実はない。また、同情報は、本願商標が指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様でないことを示しているものであり、本願商標の識別力を否定する根拠となり得ないものである。」旨主張している。

5 当審の判断

(1)本願商標は、前記1のとおり、「発電水栓」の文字を標準文字で表してなるところ、構成中の「発電」の文字は、「電気をおこすこと。」を、「水栓」の文字は、「水道の水を出したり止めたりする、栓と弁の総称」をそれぞれ意味するものとして一般に知られているから、「発電」と「水栓」の複合語と認識されるものである。

そして、前記3の証拠調べのとおり、水流を利用して発電し、その電力により、水の流れを制御する機能を有する水栓が見受けられるものである。

そうとすると、「発電水栓」の文字を本願の指定商品中の「発電機能を有する水道用栓」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、該商品が「水流を利用した発電機能を有する水道用栓」であることを表したもの、すなわち商品の品質を表示したものと認識するにすぎず、自他商品識別標識としての機能を有しないものというべきものであるから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、これを上記以外の「水道用栓」に使用するときは、該商品があたかも「水流を利用した発電機能を有する水道用栓」であるかの如く、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当するものである。

(2)請求人の主張について

請求人は、本願商標を「発電」と「水栓」に分ければ、それぞれの意味はくみ取れるが、一体不可分の造語である「発電水栓」からは、具体的に商品の品質は想起できず、使用例にも説明文書が補われている。さらに、「発電機能を有する水道用水栓」を販売しているのは、出願人の外には1社であるから識別力を有する旨主張している。

本願商標は一体的に表されているとしても、上記のとおり、「発電」と「水栓」の2語からなる複合語と容易に認識されるものである。そして、確かに、前記3の証拠調べで示した「発電水栓」の文字(語)の使用例は、出願人以外に確認できるのは1社であるが、同証拠調べで例示したとおり、本願の指定商品を取り扱う業界において、「水栓」に「発電」の機能をつけた特許出願の例が多数ある実情からすれば、本願商標が「発電水栓」との一連一体の構成からなるとしても、取引者、需要者は、本願商標を「発電」と「水栓」とに分離し理解するといえるものであるから、請求人の主張はいずれも採用することはできない。

(3)まとめ

以上のとおりであるから、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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