Trademark Appeal Case
品質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第18759号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ハイパーチタン」の文字と「HYPERTITAN」の文字を二段に横書きしてなり、平成10年6月1日に登録出願され、指定商品については、平成11年7月28日付手続補正書により、第28類「チタンを素材とするゴルフ用具」と補正されている。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、指定商品との関係において『最高級の強度を持つチタン合金のもの』の意味合いを容易に認識させる『HYPERTITAN』の英文字と、その表音と認められる『ハイパーチタン』の片仮名文字を、普通に用いられる方法で上下二段に併記してなるものであるから、これをその指定商品中、上記意味合いに照応する商品、例えば『ハイパーチタン製のゴルフクラブ』等について使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「ハイパーチタン」の文字と「HYPERTITAN」の文字を2段に書してなるものであるところ、「ハイパー」「HYPER」の文字は、「『過度の』『超越した』の意。『スーパー』よりもさらに強い意味で用いる」(株式会社岩波書店「広辞苑第5版」)の意味を有する語としてよく知られ、接頭語として用いられる語であり、「チタン」「TITAN」の文字は、金属の一種として知られているものである。
そして、ゴルフクラブのヘッドのフェース面にチタン合金を使用しているものがあり、より強度の強いチタン合金の開発利用がなされている。このことは、例えば、1997年8月26日付日経産業新聞の「チタン製ウッド人気続く、技術革新、安価に他品種化−−素材の強度を2倍に」と題する記事中に、「チタン合金の組成やヘッドの製造方法は、メーカーによって実に様々だ。『十ヤードでも遠くにとばしたい』と願うアマチュアゴルファーの心理をくすぐる”新チタン”の実用化や安価に他品種化できる製造方法の革新策が、ブームの黒子役である素材メーカーから次々と打ち出されている。」の記載からも明らかである。
さらに「ハイパーチタン」の文字について、例えば、1996年9月30日付日経産業新聞の「ハイパーチタンのドライバー強度1.5倍で飛ばす(スポーツ用品の科学)」と題する記事中に、「G−3ハイパーチタンは、最高の強度を持つチタン合金を業界で初めてフェース部分に採用した。同社が『ハイパーチタン』と呼ぶ最高強度のチタン合金は、モリブデンを15%、ジルコニウムを5%、アルミニウムを3%を含み、発電所の設備など特殊な分野で利用されている。」の記載、1998年4月5日付日刊スポーツ新聞の「GOLFライフ 新製品 スネークアイの新ウッド、確実な方向性を生む」と題する記事中に、「現在最強を誇るハイパーチタンを1000トン油圧プレスにより、フェースとネック部分を一体鍛造成型した『丸棒3ピース熱間鍛造法』が力強い弾道と見違えるような初速アップを実現する」の記載から、強度のより高いチタン合金を「ハイパーチタン」と称して使用している事実がうかがえるところである。
上記実情よりすれば、前記構成からなる本願商標をその指定商品中のゴルフクラブに使用したときは、これに接する需要者は、「特に優れたチタン(合金)」あるいはハイパーチタンと称されるチタン(合金)を素材に使用してなる商品であることを認識するにとどまり、自他商品を識別する標識たる商標とは認識し得ないとみるのが相当である。
なお、請求人は、需要者が「チタン/TITAN」の文字より素材としてのチタンを連想するよりも、むしろ素材としてのチタン又はチタン合金が採用されたが故に製造可能となったスィートエリアのひろい、いわゆるラージヘッド、デカヘッド又はビッグヘッドを連想する旨主張しているが、ゴルフクラブにおいて素材としてのチタン合金を重要視していることは上記の新聞記事より明らかであるから、請求人のこの主張は採用することはできない。
さらに、請求人は、チタンがステンレス鋼に比して軽量であるが、強度的に特に優れているものでないことは需要者には当然認識されているから、本願商標から「最高級の強度を持つチタン合金のもの」の意味合いを直ちに連想するとは考えられない旨主張しているが、チタン合金は、含有する金属によって、強度に差があることは、前記のとおりであり、原材料に使用されるチタン合金を比較することは当然といえるから、上記の意味合いを認識しないとする主張は採用できない。
したがって、本願商標は、その指定商品の品質、原材料を表示するにすぎないものといわなければならないから、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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