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Trademark Appeal Case

複合商標の要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900417(T2011−900417/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5433622号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5433622号商標(以下「本件商標」という。)は、「コブラテール」の片仮名と「COBRATAIL」の欧文字とを2段に横書きしてなり、平成23年3月2日に登録出願、第28類「釣り具,おもちゃ,人形,囲碁用具,歌がるた,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,運動用具,スキーワックス,遊戯用器具,ビリヤード用具,昆虫採集用具」を指定商品として、同年7月12日に登録査定、同年8月19日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は、次の2件であり、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第797133号商標(以下「引用商標1」という。)は、「COBRA」の欧文字を横書きしてなり、昭和41年12月28日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同43年11月14日に設定登録され、その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成21年3月11日に指定商品を第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」及び第28類「スキー締具,その他の運動用具」とする指定商品の書換登録がされたものである。

(2)登録第2140072号商標(以下「引用商標2」という。)は、「コブラ」の片仮名を横書きしてなり、昭和61年10月29日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成元年5月30日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成21年8月26日に指定商品を第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」及び第28類「スキー締具,その他の運動用具」とする指定商品の書換登録がされたものである。

以下、上記2件の引用商標をまとめていうときは、「引用各商標」という。

3 登録異議の申立ての理由(要点)

本件商標の欧文字部分と引用商標1の共通部分である「COBRA」は、アフリカ、アジア等に生息する毒蛇の一種として広く世に知られ、また、本件商標の「TAIL」の部分は、「尾」を意味する英語として知られている。

そうすると、本件商標は、「コブラの尾」を意味することになるが、「コブラの尾」とはどの部分を意味するかも不明であるから、特別の意味を有しない造語商標としてみられると考えられる。

本件商標は、上記のように全体の観念がめいりょうでない構成であるから、これに接する者は、語頭にあって、しかも一般大衆に親しまれている「コブラ」、「COBRA」の文字に注意がひかれると理解するのが極めて自然といえる。

そして、本件商標は、語頭から「コブラ」の観念と「コブラ」の称呼を生ずるものであり、同じく「コブラ」の観念と「コブラ」の称呼を生ずる引用各商標とは、観念及び称呼を共通にする類似の商標といわざるを得ない。

次に、申立人は、ゴルフクラブやその他各種ゴルフ用具を製造、販売する企業として日本国においても広く知られている。コブラクラブとしてゴルフ用具の営業に従事するインターネット上の広告例を示す(甲4の1ないし3)。世界的な規模において、主として「コブラ」の文字と図形の商標を用いてゴルフ用具を営業する企業は、申立人又はその関連会社に限られる。

本件商標は、「TAIL」という文字を付加したとはいえ、「コブラ」、「COBRA」の文字を主として含むことを明らかにした態様を示している。このような商標を商標権者がゴルフクラブ等のゴルフ用具に使用するならば、その取引者たちは、これらの商品をもって申立人会社又はそれと営業上関連する会社の取扱いに係る商品であるかのように誤信し、商品の出所の混同を生ずるおそれがあるというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1項の規定により取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本件商標について

本件商標は、前記1のとおり、「コブラテール」の片仮名と「COBRATAIL」の欧文字を2段に横書きしてなるところ、上段と下段の各文字部分は、いずれも同じ書体、同じ大きさ、等間隔をもって外観上まとまりよく一体的に表現されており、それぞれの構成文字全体に相応して生じる「コブラテール」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。

ところで、本件商標の構成中、前半の「コブラ」、「COBRA」の各文字は、「コブラ科のヘビの総称。」(「広辞苑第六版」株式会社岩波書店 2008年1月11日発行)、「コブラ(インド・アフリカ産の毒蛇).」(「ベーシック ジーニアス英和辞典」株式会社大修館書店 2009年4月1日発行)の意味を有し、また、その構成中の「テール」、「TAIL」の各文字は、「尾。後尾。」(前出「広辞苑第六版」)、「尾,しっぽ」等(前出「ベーシック ジーニアス英和辞典」)を意味するものとして、いずれも一般に知られている語である。

そして、本件商標は、片仮名部分及び欧文字部分のいずれも「コブラの尾」の意味合いを容易に認識、把握させるとみるのが相当である。

これに対して、申立人は、引用各商標は、申立人の業務に係るゴルフ用具に使用するものとして我が国の需要者の間に広く認識されていると主張し、証拠として甲第4号証の1ないし3を提出する。

しかし、申立人の提出に係る上記証拠は、申立人の「COBRA」ブランドの歴史(甲4の1)、2011年モデルのゴルフクラブの広告(甲4の2)、コブラゴルフがゴルフ選手のリッキー・ファウラーと契約したことを紹介する記事(甲4の3)にすぎないものであり、これらの証拠をもってしては、本件商標の登録査定時において、引用各商標が我が国の需要者の間に広く認識されていたとみることができない。

以上によれば、本件商標は、外観上一体的に表現され、その称呼も特段冗長ではないから、一連一体にみられるものであり、観念上も「コブラ」、「COBRA」と「テール」、「TAIL」の各文字部分が一体となった「コブラの尾」という観念を生じるものであるから、これを「コブラ」、「COBRA」と「テール」、「TAIL」の各文字部分の結びついた結合商標としてみた場合にあっても、「コブラ」、「COBRA」の各文字部分がその余の「テール」、「TAIL」の各文字部分より看者の注意をひくように強調されて表されていないものであるから、該「コブラ」、「COBRA」の各文字部分は、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるとはいえない。

したがって、本件商標は、その構成中の「テール」、「TAIL」の各文字部分を捨象し、「コブラ」、「COBRA」の各文字部分だけを、引用商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されないというべきである。

そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して「コブラテール」の一連の称呼のみを生じ、「コブラの尾」の観念を生ずるものである。

イ 引用各商標について

引用各商標は、前記2のとおり、「COBRA」,「コブラ」の各文字を表してなるものであるから、「コブラ」の称呼及び「コブラ」の観念を生じるものである。

ウ 本件商標と引用各商標の類否について

(ア)外観

本件商標と引用各商標とは、前記1及び2のとおりの構成からなり、「コブラ」ないし「COBRA」の文字を共通にするが、末尾において「テール」、「TAIL」の文字の有無の顕著な差異を有するから、時と所を異にして観察しても外観上互いに相紛れるおそれがなく十分区別し得るものである。

(イ)称呼

本件商標は、前記アのとおり、「コブラテール」の称呼を生ずるものであり、引用各商標は、前記イのとおり、「コブラ」の称呼を生ずるものであるから、両称呼は、「コブラ」の音を共通にするとしても、末尾部分において「テール」の音の有無の顕著な差異を有するから、称呼上互いに相紛れるおそれがなく十分聴別し得るものである。

(ウ)観念

本件商標は、前記アのとおり、「コブラの尾」の観念を生ずるものであり、引用各商標は、前記イのとおり、「コブラ」の観念を生ずるものであるから、観念については、区別し得るものである。

(エ)取引の実情

本件商標と引用各商標とは、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるとみるべき取引の実情を見いだせない。

(オ)小括

以上によれば、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても何ら相紛れるおそれはなく、これらを同一又は類似の商品に使用したとしても、その商品の出所の混同を生ずるおそれがあるとは認められない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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