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Trademark Appeal Case

「つぶやき」と「ツイート」系商標の類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900034(T2011−900034/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5366227号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5366227号商標(以下「本件商標」という。)は,「つぶやき」の文字を標準文字で書してなり,平成22年7月7日に登録出願,第38類「コンピュータ・携帯電話を利用したメッセージによる通信,チャットルーム形式の電子掲示板通信,ウェブログ上の電子掲示板通信,その他の電子掲示板による通信,通信ネットワークを介したオンデマンド方式による文字・音声・画像の伝送交換,オンデマンド方式による放送,携帯電話機を利用したメッセージ・音声及び映像による通信,電子計算機端末による通信,移動体電話による通信,通信ネットワークへの接続の提供,電気通信(放送を除く。)及びこれに関する情報の提供,放送及びこれに関する情報の提供」及び第42類「インターネットにおけるブログのためのサーバーの記憶領域の貸与,ウェブログの運用管理のための電子計算機用プログラムの提供,インターネットにおいて利用者が交流するためのソーシャルネットワーキング用サーバーの記憶領域の貸与,ソーシャルネットワーキングウェブサイトへのアクセスタイムの賃貸,ソーシャルネットワーキングウェブサイト用コンピュータプログラムの提供,コンピュータシステムの設計・開発及びコンサルティング,コンピュータソフトウェアの企画・設計・開発又は保守に関するコンサルティング,コンピュータシステムの遠隔監視及びこれに関する情報の提供,コンピュータセキュリティシステムの遠隔監視及びこれに関する情報の提供,検索エンジンの提供,インターネットによるコンピュータデータベースへのアクセスタイムの賃貸,コンピュータプログラムのインストール・環境設定・バージョンアップ及びこれらに関するコンサルティング・情報の提供,バックアップ用コンピュータプログラムの提供,コンピュータプログラムの提供及びこれに関する情報の提供,電子計算機用プログラムの貸与,サーバーの記憶領域の貸与,コンピュータゲームのハードウエアの設計及びコンピュータゲームのソフトウエアの設計・作成及び保守に関する情報の提供,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守並びにこれらに関する助言・情報の提供,コンピュータウェブサイトのホスティング,ウェブサイトの作成又は保守並びにこれらに関する情報の提供,コンピュータシステムにおけるデータのバックアップ処理,コンピュータデータの回復,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与」を指定役務として,平成22年11月5日に設定登録されたものである。

2 商標登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する商標

(1)登録第5332540号商標

「つぶやく」の文字を標準文字により表してなり,平成21年7月16日に登録出願,第38類,第41類,第42類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として,同22年6月25日に設定登録されたものである(以下「引用商標1」という。)。

(2)登録第5327291号商標

「TWEET」の文字を標準文字により表してなり,2009年4月16日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して,平成21年6月11日に登録出願,第38類,第41類,第42類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として,同22年6月4日に設定登録されたものである(以下「引用商標2」という。)。

(3)登録第5332541号商標

「ツイート」の文字を標準文字により表してなり,平成21年7月16日に登録出願,第38類,第41類,第42類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として,同22年6月25日に設定登録されたものである(以下「引用商標3」という。)。

(4)登録第5188811号商標

「TWITTER」の文字を標準文字により表してなり,平成19年10月26日に登録出願,第38類,第42類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として,同20年12月12日に設定登録されたものである(以下「引用商標4」という。)。

(5)登録第5278420号商標

「ついったー」の文字を標準文字により表してなり,平成21年6月9日に登録出願,第38類,第42類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として,同21年11月6日に設定登録されたものである(以下「引用商標5」という。)。

3 登録異議の申立ての理由の要点

申立人は,「本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同第15号該当するものであるから,同法第43条の2第1号により取り消されるべきものである」旨申立て,その理由(要旨)を次のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第27号証を提出した。

(1)商標法第4条第1項第11号について

引用商標1の商標は,本件商標と類似するものであり,また,引用商標1の指定役務中の第38類及び第42類の役務は,本件商標の指定役務と共通するものである。

(2)商標法第4条第1項第15号について

引用商標1「つぶやく」は,申立人の業務を表象するものとして日本国内で広く知られており,引用商標2ないし5の各商標「TWEET」,「ツイート」,「TWITTER」,「ついった−」は,「つぶやく」の英語表現などの意訳として申立人の業務を表象するものとして広く認識されているので,「つぶやく」と実質的に同一である「つぶやき」を本件商標に係る指定役務に使用された場合,申立人の提供する役務と出所の混同を生ずるおそれがある。

4 本件商標に対する取消理由の要旨

(1)「Twitter(ツイッター)」並びに「tweet」及び「つぶやき」の表示の著名性について

ア 申立人の提出に係る甲第9号証ないし甲第26号証によれば,以下の事実を認めることができる。

(ア)申立人は,米国カリフォルニア州で設立された企業であり,2006年(平成18年)3月に,「twitter(ツイッター)」と名付けられた「コンピュータや携帯電話等を利用したリアルタイムで行うことができるコミュニケーションサービス」を米国で開始した。当該サービスは,ブログと電子メールの中間的な位置づけのもので,ユーザーは,140字以内のコメントを投稿することができ,他のユーザーは,その投稿されたコメントを閲覧したり,返信したりすることができるものである。2008年(平成20年)に日本語版の提供が開始された(以上,甲8,甲9等)。

(イ)上記140字以内のコメントをツイッターへ投稿すること,あるいは,その内容を,「tweet」と称し,日本においては,「つぶやき」と訳された。

例えば,「Yahoo百科事典」(甲9)には,「Twitterとは元来は『小鳥のさえずり』や『くすくす笑い』という意味のことばだが,日本では『つぶやき』と訳された。・・その投稿をツィート(つぶやき)とよぶ。」と記載されている。

また,平成22年1月23日発行「週刊ダイヤモンド」(甲12)には,「2010年ツイッター/twitterの旅 『使えない』では済まされない!140字,1億人の『つぶやき』革命」(表紙),「ツイッターの仕組みは,基本的にフォローする/フォローされる関係で成り立っている。気に入ったユーザーをフォローすれば,フォローした相手の『つぶやき』(ツイッターの世界では“発言”のことをこう呼ぶ。)がリアルタイムで読める仕組みだ。」(30頁),「ツイッター用語集/【Tweet(ツイート=つぶやき)】ツイッターへの投稿を行うこと,あるいはその内容。字数は140字以内に制限されている。」(41頁),「ツイッターの制限文字数は140字です。140字を越えるつぶやきは投稿できません。」(43頁),「2009年も残りわずかとなった12月28日,『ツイッター議員との今年最後のつぶやき祭り』というイベントが東京で開催された。」,「政治におけるツイッター活用の先鞭をつけたのは,米国のバラク・オバマ大統領だ。」(以上62頁)などと記載されている。また,「NHK Bizスポ ツイッターで“客ついったー”」のサイト(2010年7月27日放送:甲20)には,「今,企業がツイッターを使い,販売促進や知名度アップにつなげようという動きが急速に広まっています。・・あえて会社のイメージを崩した“つぶやき”で人気を得た企業や,“つぶやき”方のアドバイスをする企業も現れました。」と記載されている。さらに,「NHK クローズアップ現代」のサイト(2010年8月31日放送:甲23)には,「ツイッター “つぶやき”は社会を変えるか?/たった140文字の“つぶやき”をネット上に投稿することで世界中の人々と繋がる,まったく新しいメディア『ツイッター』。今やその利用者は全世界で1億人を突破,今も増え続けており,社会を揺るがし始めている。特筆すべきは,いつでもどこでも“つぶやき”可能な『リアルタイム性』と,その内容を瞬時に大勢の人たちに伝える指数関数的な『伝播力』。・・物が売れない今,企業からもツイッターは熱い注目を集め,その“つぶやき”による『口コミ』で業績を飛躍的に伸ばす会社も出始めている。わずか140文字という“つぶやき”の羅列が,社会に何をもたらすのかを探る。」と記載されている。また,「Wikipedia」の「Twitter」の項目(甲25)には,「tweetは『鳥のさえずり』の意味で,日本では『つぶやき』と意訳され定着している。」と記載されている。

(ウ)日本におけるツイッターの利用者は,2006年(平成18年)7月は,わずかであったが,2007年(平成19年)12月末においては,4万6000人を超えた(甲10)。「Twitter(ツイッター)利用状況調査:富士通総研」(甲11)には,「2009年頃から日本でも利用者が増えており,2010年年始から鳩山由紀夫首相が情報発信を始めたことで,新聞や雑誌で取り上げられる機会が増えてきた。」と記載され,「調査実施詳細/調査期間:2010年1月18日〜20日」,「調査結果のポイント/Twitterの認知は70.2%にのぼるが利用している人は8.2%にとどまる。言葉自体は広く知れ渡っているが,まだ実際に利用している人は一部に限られている状態である。」と記載されている。前出「週刊ダイヤモンド」(甲12)には,「全世界のツイッターユーザーは昨年末から今年にかけて1億人の大台を突破したと見られる。日本でも500万人を越えたと推計されており,昨年だけでユーザー数は約10倍以上に跳ね上がった。」(30頁)と記載されている。

(エ)Twitterに関連する書籍や雑誌も,本件商標の登録出願前から査定時に至るまで多数発行されている(甲15,甲16,甲18,甲19,甲22,甲24)。

イ 前記アで認定した事実を総合すると,申立人の提供に係る「コンピュータや携帯電話等を利用したリアルタイムで行うことができるコミュニケーションサービス」を指称する「Twitter」(ツイッター)は,世界中の多くの人に利用されている情報通信であり,我が国においても,現在の米国の大統領が選挙中に利用していたことは周知の事実となっており,日本語版の提供が開始された2008年ころから利用者が増え始め,2009年年始に当時の首相であった鳩山由紀夫氏が利用を始めたことが新聞等で話題になったこともあって,その後,「Twitter」(ツイッター)の利用者は,企業をはじめ,一般の需要者の間にも急速に広まったことを認めることができ,それに伴い,「Twitter」(ツイッター)において,ユーザーが140字以内のコメントを投稿すること,あるいは,その内容を意味する「tweet」の日本語訳である「つぶやき」の語も,本件商標の登録出願前には既に,我が国の需要者の間に広く知られていたものということができる。

したがって,申立人の提供に係る「コンピュータや携帯電話等を利用したリアルタイムで行うことができるコミュニケーションサービス」を指称する「Twitter(ツイッター)」の表示は言うに及ばず,同サービスにおいて,ユーザーが投稿する情報の内容等を意味する「Tweet」の表示及びその日本語訳である「つぶやき」の表示は,本件商標の登録出願前より,我が国の需要者の間に広く認識されていたものであり,その著名性は,本件商標の登録査定時においても,継続していたものと認めることができる。

(2)出所の混同について

本件商標は,前記1のとおり,「つぶやき」の文字を書してなるものであるから,申立人の提供に係る「コンピュータや携帯電話等を利用したリアルタイムで行うことができるコミュニケーションサービス」(Twitter(ツイッター))においてユーザーが投稿する情報の内容等を表示するものとして,本件商標の登録出願前より,我が国の需要者の間に広く認識されていた「つぶやき」と同一の構成からなるものである。

また,本件商標の指定役務中の第38類に属する役務は,申立人の提供に係る上記役務と同一又は類似の役務を含むのみならず,それ以外の第38類に属する役務及び第42類に属する役務は,申立人の提供に係る上記役務とは,役務の提供の用に供する物,役務の提供の事業者等において極めて密接な関連を有するものといえる。

してみると,本件商標は,これをその指定役務について使用するときは,該役務が申立人又は申立人と何らかの関係のある者の業務に係る役務であるかのように,役務の出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当するものである。

(3)むすび

以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第15号に違反してされたものいうべきである。

5 商標権者の意見

商標権者は,前記4の取消理由について,指定した期間内に意見を述べていない。

6 当審の判断

平成23年9月30日付けで前記4の取消理由を通知し,期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが,商標権者からは何らの応答もない。

そして,前記4の取消理由は妥当なものであるから,本件商標の登録は,商標法第43条の3第2項の規定により取り消すべきものである。

よって,結論のとおり決定する。

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