sokuhyo

Trademark Appeal Case

ZOUKの記述的商標性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900279(T2011−900279/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5408900号商標の指定役務中「第41類 ズークに関する技芸・スポーツ又は知識の教授」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定役務についての商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5408900号商標(以下「本件商標」という。)は、「ZOUK」の欧文字を横書きしてなり、平成22年3月17日に登録出願、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」を指定役務として、同23年3月15日に登録査定、同年4月28日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第3条第1項第1号に該当し、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)「ZOUK(ズーク)」とは、中米カリブ海地方を発祥とするダンス音楽の一種別を示す名称であり、本件商標の出願前から書籍等で広く紹介されている語である(甲第2号証及び甲第3号証)。

本件商標の商標権者(以下「本件商標権者」という。)は、中米カリブ海の音楽を使用したダンスのインストラクターとして活動しており、本件商標の指定役務「技芸・スポーツ又は知識の教授」を見ても「ZOUK」という語が中米カリブ海のダンス音楽である「ZOUK」を指していることは明白である。

(2)本件商標権者は「日本ZOUK協会」という団体名を名乗り活動を行っているが、特定少数によって構成された任意団体であり、日本におけるダンス音楽「ZOUK」の愛好家を代表するものではない。

ほかにも中米カリブ海の音楽「ZOUK」の名称を使用するダンス・インストラクター及び団体が存在しており、「ZOUK」の語だけで本件商標権者の役務と特定することが困難であり、また、出所表示機能も果たすことはできない。

(3)元来が中米カリブ海のダンス音楽を示す語であり、自他役務識別機能や出所表示機能も果たせないことから、本件商標「ZOUK」は普通名称と考えることができ、普通名称を普通に用いられる方法で表示したにすぎないため、本件商標は商標法第3条第1項第1号に該当する。

3 本件商標の取消理由

商標権者に対して、平成23年12月2日付けで通知した本件商標の取消理由は、別掲のとおりである。

4 商標権者の意見

(1)本件商標は、音楽の名称ではなく、第41類の役務の名称として出願、登録されたものであり、さらに日本国内でZOUKという音楽は著名ではない。

(2)辞書はその性質上、意味を知らない語を調べるものであって、所有者はそれを調べる機会がなければ知り得ないのは事実であり、それに掲載されているということは「ZOUK」が調べなければわからない著名とはほど遠いことを意味する。また、出版物に掲載されていることを理由に取り消しをするのなら、商標登録第4138020号(登録日平成10年4月24日)の「ZOUK」が商標として認められていることは、特許庁の対応として問題があるとされるべきだが、過去の判断では商標として登録されていることからみて問題とされなかったと思われる。また申立人がこの事件について異議の申立てをしなかったことも事実である。

以上の理由から過去の判例は日本国内で法的な論拠となりうるため、本件商標は問題がないと特許庁長官の名において認められたのである。

(3)「ZOUK JAPAN」及び「ZOUK BELEZA」は登録第4138020号商標「ZOUK」がパーティーの企画等に関する商標でありながら無断で使用しているおそれがある。つまり、商標法に抵触する可能性のある行為をしている団体であり、それらの活動を論拠とすることは商標の是非を問う立場の者が行うべきではない。

(4)インターネットでのヒット件数は世界中の累計であり、日本国内の法律である商標の是非を問う論拠とはなりえない。

(5)CDに関しては、海外で製作された音楽に関する製品であり、日本国内で本件の役務が日本国内で著名なものとはみなしえない。

(6)以上の理由によって本件商標の登録は維持されるべきである。

5 当審の判断

(1)本件商標は、上記3の取消理由のとおり、これをその指定役務中「ズークに関する技芸・スポーツ又は知識の教授」について使用するときは、これに接する取引者、需要者は、該「ZOUK」の文字をその提供する役務が「ZOUK(ズーク)というダンス又は音楽の教授」であるという、役務の質(内容)を表示したものと認識するにとどまり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである。

したがって、本件商標は、その指定役務中「ズークに関する技芸・スポーツ又は知識の教授」についての登録は商標法第3条第1項第3号の規定に違反してされたものといわなければならない。

また、上記指定役務以外の指定役務については、商標法第3条第1項第3号及び同第1号に違反して登録されたものと認めるに足りる証拠は見いだせないし、他に取り消すべき理由があるものとも認められない。

(2)取消理由に対する商標権者の意見について

ア 商標権者は、日本では「ZOUK」という音楽及び「ZOUK」の語の意味は知られていないこと、パーティーの企画等について「ZOUK」が商標登録されていること、申立人は該商標登録に対して異議を申立てていないこと等を理由として、本件商標の登録は維持されるべきである旨主張している。

しかしながら、商標権者が挙げた商標登録は、その商標の態様に特徴を有するものであるばかりでなく本件商標とは異なる指定役務についてのものであるし、もとより、登録商標が登録異議の申立て理由に該当するか否かの判断は、査定時における取引の実情を勘案し、その指定役務の取引者・需要者の認識を基準に個別具体的に判断されるべきものであり、上記3の取消理由に記載の実情からすれば、上述のとおり判断するのが相当であるから、商標権者の主張は採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおりであるから、本件商標は、その指定役務中「ズークに関する技芸・スポーツ又は知識の教授」については、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものといわなければならないから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。

また、その余の指定役務については、取り消すべき理由があるものとは認められないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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