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Trademark Appeal Case

著名図形と類否判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2011−900268(T2011−900268/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5407822号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5407822号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成22年10月19日に登録出願、同23年4月1日に登録査定、第12類「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」を指定商品として、同年4月22日に設定登録されたものである。

第2 本件登録異議申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当し、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第31号証(枝番を含む。)を提出した。

1 申立人の引用する「本件エンブレム」の著名性について

申立人は、世界的に有名な自動車、二輪自動車及び自転車の製造販売業者であり(甲第1号証)、申立人の業務に係るライオンエンブレム(甲第2号証)は、同社の業務に係る商品及び役務を表示するものとして、我が国における取引者・需要者の間において、本件商標の出願時はもとより現在においても引き続き著名なものである。

ライオンエンブレムは1850年には、申立人の当初の業務に係る商品(のこぎり等)にライオンマークが刻印されて使用され、その後、1933年には、申立人の業務に係る自動車、二輪自動車及び自転車に本格的に使用され始めた(甲第2号証)。

1948年には、現在使用されるライオンエンブレムの基本構成である、四肢を開脚して左横向きに後ろ足で起立したライオンの姿態図形からなるデザインが登場し、さらに1980年には、デザインの基本構成はそのままに、当該姿態図形の輪郭を線図で表したライオンエンブレムが登場した。

これ以降、この線図で表されたライオンエンブレム及びシルエットで表されたライオンエンブレム(以下これらを総称して「本件エンブレム」という。)は申立人の業務に係る商品や広告とともに長年使用され、その使用は現在まで継続されている(甲第9号証ないし甲第30号証)。

このように、本件エンブレムは、本件商標の出願時のみならず登録時においても申立人の業務に係る商品を表すものとして需要者に広く知られたものということができ、本件エンブレムに接する需要者・取引者は申立人の業務に係る商品を想起するものといえる。

2 本件エンブレムと本件商標の比較について

本件エンブレムは、四肢を開脚して左横向きに後ろ足で起立したライオンの姿態図形からなるところ、本件商標も四肢を開脚して左横向きに後ろ足で起立したライオンのごとき姿態図形からなるものであり、その基本構図及びモチーフともに共通している。

両標章は、後ろ脚を前後に表し、前足を左方向に上下に位置させ、しっぽは上方向に立てているという点で共通している。

さらに、本件エンブレムのうち、線図で表されたものと本件商標は、その表現方法も近似しており、本件エンブレムと本件商標は、外観において極めて酷似している。

したがって、上記の本件エンブレムと本件商標との酷似性に加え、本件エンブレムの周知性、独自性、自動車、二輪自動車及び自転車との関連性、さらにライオンエンブレムのデザインが変遷しているという点を総合的に考慮するならば、本件商標の出願時及び登録時において、本件商標にかかる商標権者が本件商標をその指定商品に使用した場合、これらの商品に接した取引者・需要者は、当該商品が申立人の業務にかかる商品又は申立人と組織的、経済的に関係のある者の業務にかかる商品と誤認混同をするおそれが極めて高い。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

4 結び

以上のとおり、本件商標は、その指定商品全てについて、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第42条の2の規定により取り消されるべきである。

第3 当審の判断

1 本件商標について

本件商標は、別掲(1)のとおり、全体は線書きで表され、何らかの動物が左横向きに後ろ足で起立しているものと認められるが、その四肢は2本の足が胴体部分からはなれ、しっぽは太く上を向き、頭部は上を向いて吠えているような印象を与えるものといえる。

2 本件エンブレムについて

本件エンブレムは、別掲(2)及び(3)のとおり、ともに四肢を開脚して左横向きに後ろ足で起立したライオンの姿態図形からなり、一筆書き風の線図で表された構成よりなるもの(別掲2)とシルエットで表された構成よりなるもの(別掲3)である。

3 商標法第4条第1項第15号について

申立人の提出に係る甲各号証によれば、申立人は、我が国を含む世界的な自動車会社であり、1980年に線図で表した本件エンブレムを使用し、1998年からシルエットで表された本件エンブレム(以下、申立人の引用するこれらのエンブレムを「引用標章」という。)を使用したことが認められ(甲第2号証)、引用標章は、申立人の業務に係る自動車について使用する標章として、需要者の間に広く認識されているものと認められる。

しかしながら、本件商標と引用標章との類否についてみると、両者は動物が四肢を開脚して左横向きに後ろ足で起立した姿態図形を表したものであることを共通にするものといえるが、本件商標は2本の足が胴体部分から離れ、頭部も上を向き、口を開け吠えているような印象を与えるのに対し、引用標章は、一筆書き風に輪郭線で表された構成若しくはシルエットで表された構成からなり、ともに前足2本を前に出し、歩き出そうとする印象を与えるものであり、両者は、全体としての構図・表現が明らかに相違するものというべきであって、これらから受ける印象を全く異にするといわざるを得ないから、対比してみれば、明らかに相違するものとして区別し得るものであり、また、時と所を異にした場合においても、異なる印象のものとして看取され、記憶されるというのが相当であって、彼此相紛らわしいものとは認められない。

そうすると、本件商標と引用標章とは十分に区別し得るものであり、引用標章が申立人の業務に係る自動車に使用する商標として著名であり、自動車と本件指定商品に係る二輪自動車及び自転車とは、生産者等を共通にし関連性ある商品であることは認め得る(甲第1号証、甲第7号証ほか)としても、本件商標は、これをその指定商品に使用した場合には、取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として総合的に考察すると、取引者及び需要者が引用標章を連想し、該商品が申立人又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあると認めることはできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しないものと認める。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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