Trademark Appeal Case
図形商標の称呼・観念の有無
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2011−900385(T2011−900385/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5431882号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成23年2月8日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同年6月28日に登録査定され、同年8月12日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4325382号商標(以下「引用商標」という。)は、「IEEE」の文字を標準文字で書してなり、平成10年4月3日に登録出願、第16類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成11年10月15日に設定登録され、その後、平成21年4月28日に商標権存続期間の更新登録がされ、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議申立ての理由
本件商標は、「ieee」の文字を図案化してなるものであるから、その構成文字に相応して、「アイイイイ」の称呼、観念を生ずる。
これに対し、引用商標は、「IEEE」の文字よりなるものであるから、その構成文字に相応して、「アイイイイ」の称呼、観念を生ずる。
したがって、本件商標と引用商標は、称呼及び観念において相紛らわしい類似の商標である。
また、本件商標の指定役務と引用商標の指定役務は、抵触するものである。
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)本件商標と引用商標との類否について
本件商標は、別掲のとおり、赤色が施された小さな円図形(以下「赤丸図形」という。)を左上部に配し、その下に、青色が施され、筆記体で表したローマ字の「e」をやや縦に長くした図形(以下「e状図形」という。)を配し、該e状図形の右に、わずかな切れ目を置いて、青色が施され、かつ、右に行くに従い漸次大きさが増すe状図形の相似形を、一筆書き風に3つ連続させた螺旋状の図形(以下「3ループ螺旋状図形」という。)を配してなるものであるところ、e状図形と3ループ螺旋状図形との間には、わずかな切れ目が存在するとしても、これらは、上記のように、相似形の関係にあり、しかも、統一的に青色が施されているところから、全体で4つのループを有する螺旋状の図形を表したものと理解されるとみるのが相当である。そして、e状図形は、ローマ字「i」のステム部分を筆記体で表した形状とは、やや相違するものであるのみならず、統一的に青色で施された4つのループを有する螺旋状の図形からこれを切り離し、赤丸図形と結合させてローマ字の「i」を表したとみることは、色彩の点からみても自然な観察方法とはいい難いところである。
してみると、本件商標は、構成全体をもって、特定の文字を表したものとは認識されないというべきであって、赤丸図形と4つのループを有する螺旋状の図形とを組み合わせた一種の幾何学的図形を表したものと認識されるというべきであるから、これより、特定の称呼、観念は生じないものといわなければならない。
仮にe状図形と赤丸図形とを結合させて、ローマ字の「i」を筆記体で表したものと理解される場合があるとしても、その場合において、3ループ螺旋状図形が、ローマ字の筆記体を表したものと理解されるとは必ずしもいえないばかりか、仮に3ループ螺旋状図形についても、ローマ字の筆記体を表したものと理解されるとした場合、その形状からみて、ローマ字の「e」を筆記体で表したものか、あるいは、ローマ字の「l」(エル)を筆記体で表したものかは判然としないといわなければならない。そうすると、e状図形と赤丸図形と結合させて、ローマ字の「i」を筆記体で表したと理解される場合があるとしても、本件商標からは、「アイイイイ」の称呼は生じないものといわなければならないし、また、特定の観念が生ずるものでもない。
してみると、本件商標について、「ieee」の文字を図案化してなるから、これより「アイイイイ」の称呼、観念を生ずるとし、これを前提として、本件商標と引用商標とが「アイイイイ」の称呼、観念において類似する商標であるとする申立人の主張は、前提において誤りがあるというべきであり、採用することができない。その他、本件商標と引用商標とが類似するとみるべき理由は見出せない。
したがって、本件商標と引用商標とは、称呼、観念及び外観のいずれの点についても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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