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結論

勝訴(請求認容)

商標「会津酒蔵物語」と「酒蔵物語」の地名結合商標の類否判断(第4条第1項第11号|審判不服2011−20200(T2011−20200/J1))

審判番号
不服2011−20200(T2011−20200/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「会津酒蔵物語」引用商標「酒蔵物語」
争点(論点)
地名結合商標の類否判断
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2011−20200(T2011−20200/J1)・不服)は、本件商標「会津酒蔵物語」と引用商標「酒蔵物語」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「地名結合商標の類否判断」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「会津酒蔵物語」の文字を標準文字で表示してなり、第33類「日本酒」を指定商品として、平成22年12月6日に登録出願、その後、指定商品については、原審における同23年6月8日付け手続補正書により、第33類「福島県会津地方産の日本酒」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、登録第2455960商標(以下『引用商標』という。)と『サカグラモノガタリ』『シュゾーモノガタリ』の称呼及び『酒蔵についての物語』の観念を共通にする、類似の商標であって同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「会津酒蔵物語」の文字を標準文字で表示してなるところ、その構成中、「会津」の文字部分が,「福島県西部、会津盆地を中心とする地方名。」の意味を、「酒蔵」の文字部分が、「酒を貯えておく蔵。また、酒をかもす蔵。」の意味を、「物語」の文字部分が、「話し語ること。また、その内容。」の意味を有する語(いずれも「広辞苑第六版」)であることから、これらを一連に結合してなる「会津酒蔵物語」の構成文字全体からは、「会津の酒蔵についての物語」の意味合いを認識させるものである。

そして、本願商標を構成する「会津酒蔵物語」の文字全体は、同書、同大、等間隔にまとまりよく一連に書してなるものであって、これより生ずる「アイヅサカグラモノガタリ」又は、「アイヅシュゾーモノガタリ」の称呼も格別冗長なものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。

ところで、商品「日本酒」については、その取引者、需要者の間で、例えば、「秋田の酒」、「新潟の酒」のように、その産地と結び付けた表現が日常頻繁に用いられており、また、日本酒の実際の銘柄名に地名を含むものが多くあることがよく知られているものであり、これらの事実に照らして、取引者、需要者は、一般にその産地によって日本酒の味や品質に相違があるものと認識していることが推認される。

そうとすれば、日本酒の名称に地名が含まれている場合に、通常、その地名が当該日本酒の産地名を表示しているものと認識し、かつ、その地名に着目して取引するものであるから、その地名部分は、取引者・需要者の注意を惹く部分として要部となり得るものであり、かつ、他の部分と相俟って、構成全体として自他商品識別機能を果たし得るものと認めることができる。

そして、上記実情よりすれば、たとえ本願商標中の「会津」の文字部分が、「福島県西部、会津盆地を中心とする地方名。」を表したものであるとしても、かかる構成においては、構成中の「酒蔵物語」の文字部分のみが独立して自他商品の識別機能を果たすものとはいえず、全体をもって一体不可分のものと認識し、把握されるものというのが相当である。

してみると、本願商標よりは、その構成文字に相応して「アイヅサカグラモノガタリ」又は、「アイヅシュゾーモノガタリ」の称呼、「会津の酒蔵についての物語」の観念のみを生ずるものである。

他方、引用商標は、「酒蔵物語」の文字を表示してなるところ、該構成文字に相応して「サカグラモノガタリ」又は、「シュゾーモノガタリ」の称呼、「酒蔵についての物語」の観念を生ずるものである。

そこで、本願商標と引用商標とを比較するに、両者は、外観上は明らかに区別し得る差異を有するものである。

また、本願商標より生ずる「アイヅサカグラモノガタリ」の称呼と、引用商標より生ずる「サカグラモノガタリ」の称呼及び、本願商標より生ずる「アイヅシュゾーモノガタリ」の称呼と、引用商標より生ずる「シュゾーモノガタリ」の称呼とを比較するに、それぞれの両称呼は、「アイヅ」の音の有無及びその構成音数を著しく異にするものであるから、称呼上相紛れるおそれのないものである。

さらに、本願商標よりは、「会津の酒蔵についての物語」の意味合いを、他方、引用商標よりは、「酒蔵についての物語」の意味合いを生ずるものであるから、両者は、観念においても明らかに相違するものである。

してみれば、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標である。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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