Trademark Appeal Case
千鳥総本家商標の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2011−18625(T2011−18625/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「千鳥総本家」の漢字を標準文字で表してなり、第30類「菓子及びパン,茶,コーヒー及びココア,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,穀物の加工品,即席菓子のもと,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類」及び第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として、平成22年8月31日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)引用商標1(登録第44486号商標)
商標 : 「リドチ」
指定商品 : 第30類(商標登録原簿記載のとおり)
登録出願日: 明治43年11月25日
設定登録日: 明治44年1月31日
(2)引用商標2(登録第64322号商標)
商標 : 別掲1のとおり
指定商品 : 第30類(商標登録原簿記載のとおり)
登録出願日: 大正3年1月10日
設定登録日: 大正3年3月31日
(3)引用商標3(登録第1571941号商標)
商標 : 「千鳥」
指定商品 : 第1類,第29類,第30類,第31類(商標登録原簿記載のとおり)
登録出願日: 昭和55年1月25日
設定登録日: 昭和58年3月28日
(4)引用商標4(登録第1571942号商標)
商標 : 別掲2のとおり
指定商品 : 第1類,第29類,第30類,第31類(商標登録原簿記載のとおり)
登録出願日: 昭和55年2月20日
設定登録日: 昭和58年3月28日
(5)引用商標5(登録第1645688号商標)
商標 : 「千鳥」と「ちどり」の縦書き
指定商品 : 第33類(商標登録原簿記載のとおり)
登録出願日: 昭和55年5月9日
設定登録日: 昭和58年12月26日
(6)引用商標6(登録第3314019号商標)
商標 : 「甘露」と「千鳥」の二段併記
指定商品 : 第30類(商標登録原簿記載のとおり)
登録出願日: 平成6年2月18日
設定登録日: 平成9年5月30日
(7)引用商標7(登録第3338490号商標)
商標 : 「ちどり」
指定商品 : 第30類(商標登録原簿記載のとおり)
登録出願日: 平成6年6月17日
設定登録日: 平成9年8月8日
(8)引用商標8(登録第4164624号商標)
商標 : 「ちどり」
指定商品 : 第31類(商標登録原簿記載のとおり)
登録出願日: 平成6年6月17日
設定登録日: 平成10年7月10日
(9)引用商標9(登録第4577604号商標)
商標 : 「千鳥饅頭」の縦書き
指定商品 : 第30類(商標登録原簿記載のとおり)
登録出願日: 平成13年3月26日
設定登録日: 平成14年6月21日
(10)引用商標10(登録第4836677号商標)
商標 : 「ちどりやそうほんけ」と「千鳥屋総本家」の二段併記。
指定商品 : 第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」
登録出願日: 平成16年4月21日
設定登録日: 平成17年2月4日
(11)引用商標11(登録第4975345号商標)
商標 : 「千鳥」の縦書き
指定商品 : 第30類(商標登録原簿記載のとおり)
登録出願日: 平成17年12月13日
設定登録日: 平成18年8月4日
(12)引用商標12(登録第4989488号商標)
商標 : 「千鳥屋総本家」
指定商品 : 第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」
登録出願日: 平成18年1月31日
設定登録日: 平成18年9月22日
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標10及び引用商標12との類否について
本願商標は、上記1のとおり、「千鳥総本家」の漢字を標準文字で表してなるものであるところ、その構成中の「千鳥」の文字は、「多くの鳥。チドリ科の鳥の総称。」の意味を有し、また、「総本家」の文字は、「多くの分家の分かれ出たもとの家。おおもとの本家。」の意味を有する(いずれも、「広辞苑第6版」:株式会社岩波書店)ものであって、屋号や店名などに用いられる語であるから、本願商標は、「千鳥」の文字と「総本家」の文字が結合した「千鳥総本家」の文字よりなる屋号などを表した商標として理解されるものである。
そうとすれば、本願商標は、その構成文字に相応して「チドリソウホンケ」の称呼が生じ、また、「『千鳥総本家』という屋号」程の観念を生じるものというのが相当である。
他方、引用商標10は、「ちどりやそうほんけ」と「千鳥屋総本家」の文字よりなり、上段の平仮名は、下段の漢字の読みを表したものと認められるものである。また、引用商標12は、「千鳥屋総本家」の文字よりなるものであるから、引用商標10及び引用商標12は、いずれも「千鳥屋(ちどりや)」と「総本家(そうほんけ)」の文字が結合したものである。そして、それぞれの構成中の「総本家」の文字は、上記と同様の意味を有するものであるから、引用商標10及び引用商標12は、その構成文字に相応して「チドリヤソウホンケ」の称呼が生じ、また、「『千鳥屋総本家』という屋号」程の観念を生じるものというのが相当である。
そこで、本願商標と引用商標10及び引用商標12とを比較するに、外観においては、本願商標の「千鳥総本家」と引用商標10及び引用商標12の「千鳥屋総本家」の文字は、「千鳥」に続く「屋」の文字の有無に差異を有するものである。
しかしながら、両者は、その文字構成において、それぞれの文字数が5文字及び6文字のうち、互いに、印象に残りやすい語頭からの「千鳥」の文字と、後半の屋号を表す「総本店」の文字について、本願商標の5文字の全てが共通であることから、本願商標と引用商標10の漢字部分及び引用商標12については、外観において極めて類似するといえるものである。
つぎに、称呼においては、本願商標は,「チドリソウホンケ」の称呼を生ずるものである。一方,引用商標10及び引用商標12は、「チドリヤソウホンケ」の称呼を生ずるものである。
そうすると、両者は、語頭から続く「チドリ」の音と後半の「ソウホンケ」の音を全て共通にするものであって、異なるところは、引用商標における第3音の「リ」に続く「ヤ」の音の有無にすぎないものである。
しかして、「ヤ」の音の有無という差異は、明確に発音される「チドリ」の音に付加される形で「リ」の音と結びつき、さらに、称呼の識別上、明瞭に聴取し難い中間に位置することから、該差異音が称呼全体に及ぼす影響はわずかなものである。
そうすると、両称呼を、それぞれ一連に称呼するときは、その語調、語感が近似し、互いに聞き誤るおそれがある、称呼上類似のものと判断するのが相当である。
さらに、観念については、本願商標から生ずる「『千鳥総本家』という屋号」の観念と引用商標10及び引用商標12から生ずる「『千鳥屋総本家』という屋号」の観念は、「千鳥」と「総本家」の意味合いを共通にする屋号の観念であって、近似した印象を強く与えるものである。
してみれば、本願商標と引用商標10及び引用商標12とは、外観及び称呼において類似し、観念において近似した印象を強く与えるものであるから、両者は、全体として相紛れるおそれのある類似する商標といわなければならない。
また、本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標10及び引用商標12の指定商品とは、同一又は類似の商品である。
(2)請求人の主張について
請求人は、請求書(第3、2.B.ウ.)において、「(2)以上のことから、屋号や店名等を示す商標において、その構成中の『屋』の1文字の相違は、外観上、大きく異なる印象を与え、商標の類否に大きな影響を与えることは明らかであるが、これは、本件のように相違する文字が中間に位置していたとしても同様といえる。このことは、同一又は類似の商品及び役務において、屋号、店名を表し、中間に位置する一文字の有無のみで相違している商標が、異なる権利者において併存して登録されている以下の登録例からも裏付けることができる(甲2の1、甲2の4、甲5)。」旨主張している。
しかしながら、本願商標と引用商標10及び引用商標12とは、上記(1)のとおり、たとえ「屋」の文字の有無の差異があったとしても、両者は、全体として相紛れるおそれのある類似する商標といわなければならないものである。
そして、同一又は類似の商品及び役務において、屋号、店名を表し、中間に位置する一文字の有無のみで相違している商標が、異なる商標権者において併存して登録されている登録例があるとしても、本願商標と引用商標10及び引用商標12においては、すでに両商標が使用されて相互に周知であって、需要者に広く知られ、別個の商標として認識されているなどの特段の事情がない限りは、両商標の出所について混同が生じないものということはできない。
したがって、上記した請求人の主張は、採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして、その出願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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