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Trademark Appeal Case

商品形状の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第18902号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、商標の構成を別掲に示すものとし、第12類「車両用コーナーポール」を指定商品として、平成9年6月30日に立体商標として登録出願されたものである。

2 原査定の理由

原査定は、「本願は、『車両用コーナーポール』を指定商品とするものであるところ、本願商標は、その商品の形状の一種と容易に認識されるものであるから、これをそれをその指定商品に使用したときは、その商品の形状を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定して本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)平成8年法律第68号により改正された商標法は、立体的形状若しくは立体的形状と文字、図形、記号等の結合又はこれらと色彩との結合された標章であって、商品又は役務について使用するものを登録する立体商標制度を導入した。

立体商標は、商品若しくは商品の包装又は役務の提供の用に供する物(以下「商品等」という。)の形状も含むものであるが、商品等の形状は、本来それ自体の持つ機能を効果的に発揮させたり、あるいはその商品等の形状の持つ美感を追求する等の目的で選択されるものであり、本来的(第一義的)には商品・役務の出所を表示し、自他商品・役務を識別する標識として採択されるものではない。

そして、商品等の形状に特徴的な変更、装飾等が施されていても、それは商品等の機能、又は美感をより発揮させるために施されたものであって、全体としてみた場合、商品等の機能、美感を発揮させるために必要な形状を有している場合には、これに接する取引者、需要者は当該商品等の形状を表示したものであると認識するに止まるというのが相当である。

また、商品等の形状は、同種の商品等にあっては、その機能を果たすためには原則的に同様の形状にならざるを得ないものであるから、取引上何人もこれを使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであって、一私人に独占を認めるのは妥当でないというべきである。

そうとすれば、商品等の機能又は美感とは関係のない特異な形状である場合はともかくとして、商品等の形状と認識されるものからなる立体的形状をもって構成される商標については、使用をされた結果、当該形状に係る商標が単に出所を表示するのみならず、取引者、需要者間において当該形状をもって同種の商品等と明らかに識別されていると認識することができるに至っている場合を除き、商標法第3条第1項第3号に該当し、商標登録を受けることができないものと解すべきである。

立体商標制度を審議した工業所有権審議会の平成7年12月13日付け「商標法等の改正に関する答申」P30においても「3.(1)立体商標制度の導入 需要者が指定商品若しくはその容器又は指定役務の提供の用に供する物の形状そのものの範囲を出ないと認識する形状のみからなる立体商標は登録対象としないことが適当と考えられる。・・・ただし、これらの商標であっても使用の結果識別力が生ずるに至ったものは、現行法第3条第2項に基づき登録が認められることが適当である。」としている。

(2)これを本願についてみれば、本願商標は、別掲に示した構成のとおり、狭い場所での駐車や車庫入れの際にぶつからないようにするために車両のバンパー部分に取り付けるコーナーポールであると認められるものであるから、これをその指定商品「車両用コーナーポール」について使用しても、取引者、需要者は、単に商品の形状を表示したものと認識するにすぎないものと判断するのが相当である。

(3)請求人は、本願商標を構成する車両用コーナーポールの頂部形状は、各社の同コーナーポールに対する識別標識として十分機能している旨主張するが、本願商標に係る車両用コーナーポールの形状が他社の製品のものとは異なる新規な形状を示してはいても、それは専ら、商品の機能、又は美感をより発揮させるために施されたものであることは前記(1)で述べたとおりであり、それをもって直ちに本願商標に関し自他商品の識別性に影響を与えるものとは認め難く、これに接する取引者・需要者もまた、車両用コーナーポールの形状の範囲のものと認識するに止まり、前示の形状をもって自他商品の識別標識として機能するとは認め難いと言うべきである。

(4)さらに、請求人は、請求の理由において、詳細な理由及び証拠を準備する旨述べているので、期間を指定して審尋を通知したところ、これに対する回答は提出されていない。

4 結 論

以上のとおり、本願商標は、指定商品「車両用コーナーポール」の形状を表示するものであって、商標法第3条第1項第3号に該当するから、登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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