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Trademark Appeal Case

論点抽出失敗

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第17471号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲に表示したとおり「10円メール」の文字を横書きしてなり、第38類「移動体電話による通信、無線呼出し、電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」を指定役務として、平成9年3月5日に登録出願され、そして、指定役務については、平成11年2月4日に第38類「携帯電話及びパソコンその他の携帯情報端末を使用してインターネットメールを送受信できる電子メール通信」に補正されているものである。

2 原査定の理由

原査定は、「本願商標は、本願指定役務との関係においては、『10円で送信可能な電子メール』の意を容易に認識させるものであるから、これを本願の指定役務について使用するときは、単に役務の質(内容)を表示したにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨、認定判断して本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張

本願商標は、本願の指定役務に使用しているものであり、自他役務の識別力を有するものであるとして、その理由を概要下記のように主張し、証拠方法として甲第1号証ないし甲第11号証(枝番号を含む。)を提出している。

(1)「10円メール」の文字は、請求人がマスターネット株式会社と共同開発した電子メール通信サービスの商標として、平成9年5月1日より使用している。

(2)商標「10円メール」の使用証明

(ア)「10円メール」サービスについては、請求人がその販売店等で一般に頒布している宣伝パンフレット(甲第1号証、同第2号証、同第4号証)に説明がなされ、また、携帯端末を用いて行うデータ通信に関する記事に請求人の使用商標であることを示す記事紹介がある(甲第3号証、142頁)。

(イ)雑誌「日経モバイル(甲第9号証、111頁)」に「10円メール」は、請求人の使用商標であることが明記されている。さらに、平成11年1月23日付朝日新聞(夕刊)には、携帯電話メールサービスの利用者が急増していること、携帯電話使用の簡単電子メールを一気に広めたのがNTTドコモが一昨年12月に発売した「10円メール」対応の携帯機器「ポケットボード」であること等が紹介されるとともに、各事業会社別の「簡単電子メールの主なサービス」の一覧表が掲載され、これには、「10円メール」は、携帯電話使用の「サービス名」であり、その「事業会社」が請求人及びマスターネット社であることが明記されている(甲第11号証)。

(3)「10円メール」の新聞広告による使用実績

平成9年4月15日付けの朝日・讀賣・日経等への掲載に始まり、平成10年7月までの新聞広告については、請求人会社よりドコモグループに対する連絡文書(「新聞広告の出稿について」・甲第7号証)によって、その事実が推認され、最新の新聞広告の例としては、平成10年12月16日付「朝日新聞(甲第5号証)」及び同年12月18日付「夕刊フジ(甲第6号証)」を挙げることができる。

(4)「10円メール」サービスの利用者

1997年5月の開始後1998年7月までの加入者数が82833人に及び最近は毎月15000人程度の増加をみている(甲第8号証)。

(5)「10円メール」の周知性に関する取引者の証明書

「10円メール」は、請求人の提供するサービスの商標として、大々的かつ、継続的に使用された結果、当該役務の取引者、需要者間に広く認識されるに至っているものであるが、これを立証するものとして、請求人と取引関係を有する者による証明書(甲第10号証の1ないし12)を提出する。

4 当審の判断

(1)本願商標は、前記のとおり「10円メール」の文字を横書きしてなるものであり、本願商標の「10円メール」からは、「10円の料金で利用できる電子メール」の意がただちに認識されるものと認められる。

そして、本願商標は、前記の意を認識させるものであるから、本願の指定役務について使用した場合、需要者にその提供役務の料金及び種類(内容)を表す文字とのみ認識されるに止まり、特段の理由がない限り自他役務を識別する機能を有しないものとするのが相当である。

(2)そこで、本願商標の「10円メール」は、本願の指定役務について自他役務を識別する機能を有するものとすべき特段の理由があるかについて検討する。

(ア)甲第1号証、同第2号証、同第4号証の宣伝パンフレットをみると、「10円メールとは、1回10円でインターネットメールが送受信できるサービスのことです。」、「1回10円でインターネットメールが送受信できる!『10円メール』サービス」の掲載があり、これからは、本願商標が電子メールの通信について1回10円の電子メールサービスであることを表しているものであり、電子メールの通信料金及び種類(内容)の表示として使用されているものとみることができる。

(イ)甲第3号証(142頁)の「10円メール」の記事紹介をみると、「音声通話とデータ通信(10円メール等)の料金を分離し、データ通信料金に情報量課金や定額料金等を導入し、割安な料金で移動体マルチメディア通信ができるようにしようという傾向があります。」の掲載があり、これからは、「10円メール」が10円の定額料金を電子メールの通信料金に導入したものであることを紹介したものとみることができる。

すなわち、「10円メール」の記事紹介は、電子メールの通信料金及び種類(内容)を紹介したものとして理解されるものとみることができる。

(ウ)甲第9号証の雑誌「日経モバイル(111頁)」をみると、「『10円メール』『一通10円のお手軽サービス』」の掲載があり、これからは、本願商標が電子メールの通信料金及び種類(内容)の表示として理解されるものとみることができる。

(エ)甲第5号証の平成10年12月16日付「朝日新聞」をみると、「10円メールなら、1回10円でたっぷり約1000文字も送れる。」、「10円メール(加入料・通信料無料、1回10円のマスターネット接続料のみで和文1000文字程度の電子メールの送受信ができます。通信時間も12秒以下という速さです。)」の掲載があり、これからは、本願商標が電子メールの通信料金及び種類(内容)の表示として理解されるものとみることができる。

また、請求人会社の携帯電話器機「ポケットボード(Pocket board)」の掲載欄をみると、「10円メール機能搭載」の表示があり、これからは、請求人会社の携帯電話器機「ポケットボード(Pocket board)」には、10円で電子メールの通信がおこなえる機能が搭載されているものとして「10円メール」の文字部分は、電子メールの通信料金及び種類(内容)の表示として理解されるものとみることができる。

(オ)甲第6号証の平成10年12月18日付「夕刊フジ」をみると、「10円メールとは・・・・NTTドコモとマスターネットが共同開発したサービス。マスターネットの10円メールに加入(加入料無料)すれば利用でき、通信料やプロバイダー、基本料金は不要。1回10円だけで和文で約1000文字(英文の場合は約2000文字)のメールが送信できる。しかも、時間は約12秒以内とスピーディーだ。」の掲載があり、これからは、本願商標が電子メールの通信料金及び種類(内容)の表示として理解されるものとみることができる。

(カ)甲第7号証は、平成9年4月15日から平成10年7月までの請求人会社よりドコモグループの担当者に対する新聞広告の出稿についての連絡文書であるが、これによっては、「10円メール」の新聞広告が具体的にどのように掲載されたのかが不明である。

したがって、「10円メール」が取引者、需要者間に自他役務の識別標識として認識されている事実を立証するに足りない。

ただし、原審において提出の意見書に新聞広告が添付されており、該新聞広告中に「10円メール」の文字が認められるが、この文字は「10円の料金で利用できる電子メール」を理解させるもの、すなわち、電子メールの通信料金及び種類(内容)の表示として理解されるものとみることができる。

(キ)請求人は、甲第8号証を提出して82833人が「10円メール」サービスに加入しているとしているが、本願商標が電子メールの通信料金及び種類(内容)の表示として理解されるものでないものとする事実及び本願商標が請求人の提供する電子メールの通信に使用された結果、当該役務の取引者、需要者間に広く認識され、自他役務の識別標識として認識されている事実を立証できる資料とはいえない。

(ク)甲第10号証の1ないし12は、「10円メール」の周知性についての証明書であるが、請求人と利害関係を有する取引関係者が証明しているものであるから、本願商標の周知性を認める資料とするに足りない。

(ケ)甲第11号証の平成11年1月23日付朝日新聞(夕刊)については、「10円メール」が請求人及びマスターネット社の携帯電話使用の「サービス名」として記載されている事実が認められる。

(3)以上のようにみてくると、請求人提出の甲第1号証ないし甲第11号証(枝番号を含む。)を総合しても、本願商標が取引者、需要者間に識別標識としての商標として認識されている事実を認めることができない。

そうすると、本願商標は、本願の指定役務について料金及び種類(内容)を表示するものであり、自他役務を識別する機能があるとする特段の理由があるとは認められない。

ところで、請求人は、審理終結通知後に証拠提出書で甲第12号証ないし甲第35号証(枝番号を含む。)を提出しているが、これらの証拠は、上記認定を左右するものでない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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