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Trademark Appeal Case

商標の要部と称呼の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2011−890011(T2011−890011/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4926832号商標(以下「本件商標」という。)は、「電装現代仏壇」の文字を横書きしてなり、平成17年7月8日に登録出願、第20類「仏壇」を指定商品として、同18年1月19日に登録査定、同年2月3日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

請求人の引用する登録商標は、次の(1)ないし(3)のとおりであり、いずれも現に有効に存続している。

(1)登録第4225503号商標(以下「引用商標1」という。)は、「現代」の文字を横書きしてなり、平成9年6月24日に登録出願、第20類「葬祭用具」を指定商品として、同10年12月25日に設定登録されたものである。

(2)登録第4523912号商標(以下「引用商標2」という。)は、「現代仏壇」の文字を標準文字で表してなり、平成12年5月10日に登録出願、第20類「仏壇」を指定商品として、同13年11月22日に設定登録されたものである。

(3)登録第4523913号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲のとおり、黒塗りの隅丸四角形内に「現代」と「仏壇」の文字を上下二段に白抜きで表した構成からなり、平成12年5月10日に登録出願、第20類「仏壇」を指定商品として、同13年11月22日に設定登録されたものである。

(以下、引用商標1ないし3をまとめていうときは、「引用各商標」という。)

第3 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第58号証(枝番号を含む。)を提出している。

1 請求の理由

本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当し、商標法第46条第1項第1号によりその商標登録は無効とされるべきものである。

2 商標法第4条第1項第11号について

(1)本件商標

本件商標は、上記第1のとおり「電装現代仏壇」の文字からなり、これから「デンソウゲンダイブツダン」の称呼が生じる。

そして、その構成中「仏壇」の部分は本件商標の指定商品そのものを表す普通名称である。

また、「電装」の文字は、国語辞典「大辞泉」(甲第5号証)によれば、「電気関係の装置を備えつけたり、電気配線をしたりすること」と記載され、請求人の発行に係る1995年版総合カタログ(甲第6号証)では、仏壇内部に設置する照明器具セットのパッケージには「院玄電装用」などと記載され、仏壇内部の照明器具そのものを意味する言葉や照明器具の配置や配線をすることを意味する言葉として「電装」が使用され、上記辞書の意味と同様の言葉として使用されている。さらに、甲第7号証ないし甲第10号証のウェブサイト上に掲載されている仏壇の例には、仏壇内部に照明器具が設置されているものをすべて「電装付」と称している。そして、仏壇に照明器具を設置したのは、本件商標の登録査定日より遥か前のことである。このことは、請求人の発行に係る1995年版ないし2006年・2007年版総合カタログ(甲第11号証ないし甲第19号証)に、照明器具が設置されている仏壇が掲載されていることから、電装付仏壇は少なくとも1995年から販売されていることがわかる。

加えて、被請求人は、本件商標が紹介された新聞記事(甲第20号証の1)において「・・・『電装現代仏壇』のブランドを持つ。・・・電装はソケットタイプのLEDを採用。・・・」と自ら「電装」が電気関係の装置または照明器具であるとし、「電装」が単に仏壇の効能や用途を表す言葉にすぎないことを自白している。なお、甲第20号証の1において紹介された企業は「丸二商事」となっているが、該企業は被請求人の関連会社である(甲第20号証の2)。

そうすると、本件商標は、その構成に照らせば、「電気関係の装置または照明器具を備えつけた『現代』仏壇」ということになり、その構成中「電装」の部分が指定商品「仏壇」の効能や用途を表し、かつ、「仏壇」の部分が指定商品の普通名称であるから、本件商標に接した取引者、需要者は、本件商標が「電装付仏壇」であることを容易に想起し、「現代」の部分に識別機能を認めるものである。よって、本件商標の要部は「現代」の部分にあるというべきである。

さらに、本件商標の構成中「電装」の部分が指定商品「仏壇」の効能や用途を表しているにすぎないことは前述のとおりであるから、本件商標の要部は「現代仏壇」の部分にもあるというべきである。

したがって、本件商標は、上記称呼以外に「ゲンダイ」及び「ゲンダイブツダン」の称呼も生じる。

(2)引用各商標

ア 引用商標1は、上記第2(1)のとおり「現代」の文字からなるから、「ゲンダイ」なる称呼が生じる。

イ 引用商標2は、上記第2(2)のとおり「現代仏壇」の文字からなるから、「ゲンダイブツダン」の称呼が生じ、また、その構成中に指定商品を表す「仏壇」の文字を含むことから「ゲンダイ」の称呼も生じる。

ウ 引用商標3は、上記第2(3)のとおり、黒塗りの隅丸四角形内に「現代仏壇」の文字をまとまりよく書した特殊な構成からなるから、「ゲンダイブツダン」のみの称呼が生じる。

(3)本件商標と引用各商標との類否

ア 本件商標と引用商標1及び2との類否

上記(1)及び(2)ア、イのとおり、本件商標と引用商標1及び2からは「ゲンダイ」の同一の称呼が生じるので、本件商標は引用商標1及び2と類似する。

イ 本件商標と引用商標2及び3との類否

上記(1)及び(2)イ、ウのとおり、本件商標と引用商標2及び3からは「ゲンダイブツダン」の同一の称呼が生じるので、本件商標は引用商標2及び3と類似する。

(4)小括

以上のとおり、本件商標と引用各商標とは称呼上類似するものであり、また、両者の指定商品は同一または類似であって、かつ、引用各商標は本件商標に対し先登録商標である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

3 商標法第4条第1項第15号について

(1)請求人は、平成2年8月以来自己の製造販売に係る「仏壇」について、当初は引用商標2を使用し、その後、これと引用商標3を併用して使用し続けており、その結果、引用商標2及び3は、本件商標の出願及び登録査定時点において、商品「仏壇」について取引者、需要者の間で広く認識されるようになっていた。

(2)販売実績

請求人が平成2年8月以来製造販売してきた商品「仏壇」は、平成2年8月から同18年7月までの販売額は次のとおりである。

個々の仏壇には、たとえば「仙波」、「フェスタ」などのネーミングが付され、引用商標2及び3はそれら仏壇の総合的なネーミングとして使用されており、下記販売額は、いわゆる「現代仏壇」の総販売額である。請求人が製造販売している「現代仏壇」の総合カタログは、甲第11号証ないし甲第19号証に示すとおりであって、かかる総合カタログの中には引用商標2または引用商標3が使用されている。

(年度:8月〜翌年7月) (販売額)

・平成 2年度 2.04億円

・平成 3年度 2.27億円

・平成 4年度 2.43億円

・平成 5年度 3.05億円

・平成 6年度 4.60億円

・平成 7年度 5.16億円

・平成 8年度 5.90億円

・平成 9年度 6.78億円

・平成10年度 7.00億円

・平成11年度 8.02億円

・平成12年度 8.80億円

・平成13年度 11.09億円

・平成14年度 11.45億円

・平成15年度 12.18億円

・平成16年度 13.79億円

・平成17年度 12.99億円

(3)テレビコマーシャル

ア 請求人は自己の製造販売する「仏壇」について、引用商標3を用いて、テレビコマーシャルを平成9年1月から同11年3月まで連綿として行なってきた(甲第21号証、甲第22号証)。

甲第21号証は、上記期間にかけて提供番組「大発見!恐怖の法則」、「ザ・ワイド」、「ルックルックこんにちは」、「ドラマリピート」、「ビッグトゥデイ」において放映された「ゴースト篇」のテレビコマーシャルであり、30秒スポットが朝日放送、日本テレビ放送、読売テレビ放送、東京放送、フジテレビ放送を通じて173本(ネット局も含めれば2082本)放映された事実が示されている。また、甲第22号証は、「ゴースト篇」のテレビコマーシャルについて平成9年2月20日から同年3月10日及び平成10年2月21日から同年3月15日にかけて、15秒スポットが日本テレビ放送を通じて40本、テレビ新潟放送を通じて60本それぞれ放映された事実が示されている。

イ さらに、請求人は、「ゴースト・難波店オープン篇」及び「まぶしい時間・銀座オープン篇」の各テレビコマーシャルを平成14年9月及び同15年4月にそれぞれ行なった(甲第23号証、甲第24号証)。

甲第23号証は、「ゴースト・難波店オープン篇」のテレビコマーシャルについて平成14年9月14日から同29日まで15秒スポットが毎日放送を通じて106本放映された事実が示されている。また、甲第24号証は、「まぶしい時間・銀座オープン篇」のテレビコマーシャルについて平成15年4月11日から同25日まで15秒スポットが日本テレビ放送を通じて50本放映された事実が示されている。

(4)新聞広告

請求人は自己の製造販売に係る「仏壇」について、引用商標2及び3を用いて、平成12年7月から同18年1月に至るまで(もちろん、その後現在まで継続して)、全国紙(朝日新聞、毎日新聞、読売新聞)をはじめ地方紙(京都新聞、神戸新聞、西日本新聞、山陽新聞、新潟日報、北海道新聞、中日新聞)、業界紙(宗教工芸新聞)、その他の新聞や定期刊行紙(日経MJ、ホームリビング、週刊NY生活)において多数の広告を掲載し、自己の製造販売に係る「仏壇」について引用商標2及び3を使用してきた(甲第25号証ないし甲第52号証)。

(5)移動体広告

請求人は自己の製造販売に係る「仏壇」について、引用商標2及び3を用いて平成8年3月から同18年3月に至るまで(もちろん、現在においても)、各種の交通機関(地下鉄電車、JR電車、私鉄電車、バス)において広告を多数掲示してきた(甲第53号証ないし甲第57号証)。

(6)電照看板による広告

請求人は自己の製造販売に係る「仏壇」について、引用商標2及び3を用いて平成11年5月から同17年1月に至るまで各種の交通機関(地下鉄、JR)の駅において電照看板による広告を多数掲示してきた(甲第58号証)。なお、甲第53号証は、移動体広告以外に電照看板による広告(ポスター内容の別紙6ないし14)も含む。

(7)出所の混同

請求人が、上記(1)ないし(6)のとおり、平成8年からテレビ、新聞、交通機関、電照看板などの媒体を通じ、商品「仏壇」について引用商標2及び3を連綿と広告宣伝してきた結果、本件商標の出願日及び登録査定日時点において、両商標は、取引者、需要者の間に広く認識されるものとなっていたのである。

してみれば、被請求人が本件商標をその指定商品「仏壇」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、当該「仏壇」が請求人または請求人と何らかの関係を有する者もしくは請求人の承諾を受けた者の業務に係るものであるかのごとく、その商品の出所について混同を生じるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

第4 被請求人の主張

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証及び乙第2号証を提出している。

1 商標法第4条第1項第11号について

(1)本件商標

請求人は、本件商標の構成中の「電装」は仏壇との関係においては、その指定商品「仏壇」の効能や用途を表しているにすぎないため、本件商標の要部を構成しないと主張し、カタログを提出した(甲第11号証ないし甲第19号証)。

しかし、これらカタログは請求人のものであり、その一部に仏壇の機能を表示するために「電装付」あるいは「電装付き」と機能表示しているだけであり、商標として使用しているわけではない。ましてや「電装現代仏壇」とは一切使用されていない。

また、請求人は、引用商標2及び3のそれぞれの審査において、「現代仏壇」は「現代的(当世的)な仏壇」程の意味合いを認識させるに止まる旨の拒絶理由通知に対し、意見書(乙第1号証、乙第2号証)で、「現代的(当世風)な仏壇」は家具調仏壇であること、「現代的(当世風)な仏壇」は「家具調仏壇」以外に「洋風仏壇」、「洋型仏壇」「新型仏壇」、「洋風家具調仏壇」、「現代の仏壇」などと表現されることはあるが、「現代仏壇」と表現されることはないことを主張し、両商標について登録を受けた。この意見書の理由と同様に、電装付きの仏壇が「電装現代仏壇」と表現されることはなく、本件商標「電装現代仏壇」は全体を要部とする一つの造語であり、特定の部分を要部とするものではない。

(2)本件商標と引用各商標との類否

ア 外観の対比

本件商標「電装現代仏壇」が6文字であるのに対して、引用商標1「現代」は2文字であり、両商標が需要者に与える外観上の印象は明らかに異なる。

また、引用商標2「現代仏壇」は4文字であり、本件商標とは文字数に差異があり、需要者が最初に目にする最初の文字が「電装」と「現代」で全く異なることから、これに接する需要者に全く異なる外観上の印象を与える。

さらに、本件商標が漢字を横一列に書してなる文字商標であるのに対し、引用商標3は隅丸四角形内に「現代」と「仏壇」の白抜き文字を二段書きしてなる図形商標であり、両者は、隅丸四角形を有すること、図案化されていること、一段書きか二段書きであること、白抜き文字であること、において大きな差異がある。このため、両商標が需要者に与える外観上の印象は明らかに異なる。

したがって、本件商標と引用各商標とは外観非類似である。

イ 称呼の対比

本件商標からは、その構成文字全体に相応して「デンソウゲンダイブツダン」の称呼が生じ、これが格別冗長でもなく、よどみなく一連に称呼できるものである。

他方、引用商標1からは、その構成文字全体に相応して「ゲンダイ」、引用商標2からは同じく「ゲンダイブツダン」の称呼が生じる

また、引用商標3は「現代」と「仏壇」が上下二段に表記されているため、「現代」の部分から「ゲンダイ」の称呼が、「仏壇」の部分から「ブツダン」の称呼が生じ、上下二段で「ゲンダイブツダン」の称呼が生じる。

してみれば、本件商標と引用各商標から生じる称呼は、いずれも音数において大きな差異があり、さらに、前者の称呼は「デン」から始まるのに対して、後者の称呼は「ゲン」から始まり、しかも、「デ」も「ゲ」も強く響く濁音であるため、両者の語感は全く異なるものである。

したがって、本件商標と引用各商標は称呼も非類似である。

ウ 観念の対比

本件商標は、「電装現代仏壇」の漢字を一体的に表してなる造語商標であり、その全体からは特定の観念が生じない。他方、引用商標1は、現代という時代を表す用語であり「現代」という観念を生じるから、特定の観念を有しない本件商標とは観念上非類似である。

そして、引用商標2及び3は、前出意見書(乙第1号証、乙第2号証)で請求人が主張しているように、社会一般に通用する特定の観念はないから、本件商標と引用商標2及び3は共に特定の観念を有しない非類似の商標である。

したがって、本件商標と引用各商標は観念非類似の商標である。

(3)小括

以上のとおり、本件商標と引用各商標とは外観、称呼、観念のいずれもが異なる非類似の商標であるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。

2 商標法第4条第1項第15号について

(1)引用商標2の周知性

上述のとおり、本件商標は引用商標2と非類似であるため、その周知性を判断するまでもなく、請求人の業務に係る商品と出所の混同を生じるおそれはない。しかし、請求人が引用商標2は本件商標の出願日及び査定日において、需要者の間に広く認識されていた旨主張し、証拠(甲第25号証ないし甲第58号証)を提出しているので、それらの証拠があっても、引用商標2は周知でないことを説明する。

ア 新聞広告

新聞広告(甲第25号証ないし甲第50号証)では、「現代仏壇ギャラリーを開いてみませんか。」(甲第25号証)、「自由に祀る現代仏壇」(甲第31号証、甲第33号証、甲第34号証)、「現代仏壇にぴったりの仏具も多数ラインナップしています。」(甲第37号証)、「いま注目の現代仏壇が勢揃い!」(甲第41号証)、「現代仏壇にはこんなオシャレな盆提灯。」(甲第46号証)のように、仏壇の用法、ギャラリー開催の呼び掛け等の宣伝であり、引用商標2を商標として使用したものではない。

イ 移動体広告

移動体広告(甲第53号証ないし甲第57号証)においては、「現代仏壇ギャラリー三宮」、「現代仏壇ギャラリー」、「リビングルームによく似合う現代仏壇」、「現代仏壇がいっぱい!」、「現代仏壇は108種類、新カタログできました。」、「自由に祀る現代仏壇」、「だから現代仏壇。」、「現代人の現代仏壇」、「現代仏壇に買い替えませんか。」、「現代仏壇は全108種類カタログ読本差し上げます。」、「イタリア、デンマークをはじめ、100種類以上の現代仏壇仏具など数多く揃え、ギャラリーでは祀る心を素直に表現するお手伝いをしています。」、「現代仏壇ギャラリー成城」、「リビングに現代仏壇を」、「あなたの街の現代仏壇ギャラリー」及び「そこで現代仏壇の登場です。」のように、仏壇ギャラリーの場所の宣伝、仏壇の用法の宣伝、仏壇ギャラリーの宣伝、カタログの宣伝、仏壇の設置場所の説明等あり、引用商標2「現代仏壇」を、仏壇についての商品識別標識として使用したものではない。

ウ 電照看板

電照看板(甲第58号証)においては、引用商標2は別紙1を除いては使用されていない。また、別紙1での使用も「現代仏壇ギャラリー」と、文章の一部として使用されているにすぎず、引用商標2を、仏壇についての商品識別標識として使用したものではない。

エ 小括

上記のように、甲第25号証ないし甲第58号証は、いずれも引用商標2を、仏壇についての商品識別標識として使用したものではないため、引用商標2が本件商標の出願日や査定日において、需要者の間に広く認識されていたということはできない。

(2)引用商標3の周知性

上述のとおり、本件商標は引用商標3と非類似であるため、商標法第4条第1項第15号については、その周知性を判断するまでもなく、請求人の業務に係る商品と出所の混同を生じるおそれはない。しかし、請求人が引用商標3は本件商標の出願日及び査定日において、需要者の間に広く認識されていた旨主張し、その証拠(甲第21号証ないし甲第58号証)を提出しているので、それらの証拠があっても、引用商標3は周知でないことを説明する。

ア 販売実績

請求人は、平成2年8月以降に製造販売した商品「仏壇」は相当量にのぼると主張し、同商品の平成2年8月から同18年7月までの販売額を列挙しているが、その販売数量や販売価格を示す証拠は一切提出されておらず、総合カタログ(甲第11号証ないし甲第19号証)に同商品が掲載されているからといって、その販売額があったことにはならない。また、当該カタログはどの地域にどれだけの数量が配布されていたかは不明であり、カタログの提出だけでは周知性を立証したことにはならない。

イ テレビコマーシャル

テレビコマーシャル(甲第21号証ないし甲第24号証)は、いずれも、引用商標3が指定商品との関係でどのように使用されているのか不明であるため、これをもって引用商標3が周知であるとはいえない。

また、上記テレビコマーシャルでは、「現代仏壇」とナレーションしたことになっているが、その内容は不明であるし、仮に、そのようにナレーションしたとしても、それは音声であるため商標の使用ではない。

ウ 新聞広告

新聞広告(甲第25号証ないし甲第52号証)では、引用商標3が表記されてはいるが、それは個別の仏壇について、商品識別標識として使用したものではない。

エ 移動体広告

移動体広告(甲第53号証ないし甲第57号証)においては、ポスターの掲示状態を示すものがなく、これらのポスターの具体的な掲示箇所、ポスターの大きさ、掲示部数といった詳細が不明である。

オ 電照看板

電照看板(甲第58号証)においては、添付資料の1はポスターの掲示状態を示すものがないため具体的な掲示箇所、看板の大きさ、看板数といった詳細が不明である。そして、添付資料の2、3には、引用商標3が使用されているのは三宮駅の地下街だけであり、これだけの使用によって引用商標3が周知性を獲得することはない。

カ 小括

上記のように、請求人提出の証拠は使用状態、使用部数、使用規模など不明な点が多いことから、これらの証拠をもって、引用商標3が本件商標の出願日や査定日において、需要者の間に広く認識されていたということはできない。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標と引用商標2及び3とは非類似であり、また、引用商標2及び3は周知性を獲得していないので、本件商標が請求人の業務に係る商品と出所の混同を生じるおそれはない。したがって、本件商標は引用商標2及び3との関係で、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

第5 当審の判断

請求人が本件審判を請求する利害関係を有することについては当事者間に争いがないので、本案に入って審理する。

1 請求人提出の証拠及び同人の主張によれば次のとおりである。

(1)「電装」について

ア 甲第5号証は、国語辞典「大辞泉」(1995年12月1日発行)であり、そこには「でんそう【電装】」の項に「電気関係の装置を備えつけたり、電気配線をしたりすること。」の記載がある。

イ 甲第6号証は、請求人の発行に係る1995年版総合カタログであり、そこには、仏壇内部に設置する照明器具セットの説明に「院玄電装のしかたは・・・」「院玄電装用」の記載がある。

ウ 甲第7号証ないし甲第10号証は、仏壇を紹介するウェブページをプリントアウトしたものであり、それらには、「電装付」や「電装付き」の記載とともに電装付きの仏壇が掲載されている。しかしながら、それらの掲載日やプリントアウトの期日は不明である。

エ 甲第11号証ないし甲第19号証は、請求人の発行に係る1995年版ないし2006年・2007年版総合カタログであり、それらには、照明器具が設置されている仏壇が掲載されている。しかしながら、「電装」の文字は見当たらない。

オ 甲第20号証の1は、本件商標の登録査定日(平成18年1月19日)以降の平成22年7月15日付け「宗教工芸新聞」であり、「『サッと収納膳』が大ヒット」の見出しのもと、「『電装現代仏壇』のブランドを持つ。」「電装はソケットタイプのLEDを採用。」の記載がある。

(2)請求人の使用する標章の周知性について

ア 総合カタログ

請求人の仏壇に係る1995年版、1997年版ないし1999年版の総合カタログ(甲第11号証ないし甲第14号証)には、タイトルのページに大きく、またページの見出しとして引用商標2と外観上同一視できる「現代仏壇」の文字(以下「使用標章1」という。)があり、2000年版(甲第15号証)には、それらに加えて、表紙に使用標章1が表示され、内表紙に引用商標3の黒塗りの隅丸四角形を赤塗りにしたもの(以下「使用標章2」という。)が表示されている。

また、2001年版、2002年版、2004年版(甲第16号証ないし甲第18号証)にはその1ページに、2006・7年版(甲第19号証)にはその表紙及び1ページにそれぞれ使用商標2が表示されているが、使用商標1は編集後記及び甲第19号証のカタログの説明の文中に記載があるのみである。

イ テレビコマーシャル

甲第21号証ないし甲第24号証は、請求人の仏壇のテレビコマーシャルに係る広告代理店による証明書であり、各証明書別紙のコマーシャルフィルムのカットには、最初と最後のカットに使用標章2が確認できる。

そして、各証明書には、甲第21号証に平成9年1月から同11年3月に、「ゴースト篇」30秒スポットが朝日放送(他23局ネット)、日本テレビ放送、読売テレビ(他24局ネット)、東京放送及びフジテレビ放送で、延べ173回放映されたこと、甲第22号証に平成9年2月20日から3月10日及び同10年2月21日から3月15日に、同編の15秒スポットが日本テレビ放送で40回、テレビ新潟放送で60回放映されたこと、甲第23号証に平成14年9月14日から同月29日に、「ゴースト・難波店オープン編」15秒スポットが毎日放送で106回放映されたこと、及び甲第24号証に平成15年4月11日から同月25日、「まぶしい時間・銀座オープン篇」15秒スポットが日本テレビで50回放映されたことが記載されている。

ウ 新聞広告

甲第25号証ないし甲第52号証は、請求人の仏壇に係る新聞広告であり、その広告には、引用商標3と同一の標章(隅丸四角形が黒塗りのもの)のみが表示されている甲第26号証、使用標章2のみが表示されている甲第48号証、使用標章1のみが表示されている甲第51号証及び甲第52号証を除き、平成12年7月から同18年1月までの全国紙(朝日、毎日、読売)、地方紙(京都、神戸、西日本、山陽、新潟日報、北海道、中日)、業界紙(宗教工芸新聞)、その他(ホームリビング、週刊NY生活、日経MJ)の掲載広告には「現代仏壇特約店募集中」、「現代仏壇ギャラリーを開いてみませんか。」、「現代仏壇コンセプトギャラリー」、「時代は現代仏壇」、「現代仏壇専門店GALLERYmemoriaを始めませんか。」、「自由に祀る現代仏壇」、「現代仏壇にぴったりの仏具も多数ラインナップしています。」、「いま注目の現代仏壇が勢揃い!」、「現代仏壇にはこんなオシャレな盆提灯。」などの記載とともに、使用標章2(以下、隅丸四角形が黒塗りのものも含む。)が表示されている。

エ 移動体広告

甲第53号証ないし甲第57号証は、請求人の仏壇に係るポスターや看板による交通機関(地下鉄、JR、私鉄の電車及び駅、バス)での広告に関する広告代理店による証明書であり、各証明書に添付のポスターや看板の見本には、「現代仏壇ギャラリー三宮」、「現代仏壇」、「現代仏壇ギャラリー」、「リビングルームによく似合う現代仏壇」、「現代仏壇がいっぱい!」、「現代仏壇は108種類、新カタログできました。」、「だから現代仏壇」、「現代人の現代仏壇」、「現代仏壇に買い替えませんか。」、「自由に祀る現代仏壇」、「イタリア、デンマーク製をはじめ、100種以上の現代仏壇仏具など数多く揃え、ギャラリーでは祀る心を素直に表現するお手伝いをしています。」、「現代仏壇ギャラリー成城」、「リビングルームに現代仏壇を」、「あなたの街の現代仏壇ギャラリー」及び「そこで現代仏壇の登場です。」などの記載があり、使用標章2が表示されている。

そして、各証明書には、甲第53号証に平成8年3月1日ないし同16年12月31日に、神戸市営地下鉄、大阪市営地下鉄(全線)、神戸市営地下鉄三宮駅、大阪市営地下鉄中央線谷町4丁目駅、同中央線本町駅及び阪急梅田駅JR通路においてポスター、看板等が掲示されたこと、甲第54号証に平成14年5月1日ないし同18年3月31日に、大阪市営地下鉄、神戸市営地下鉄、JR西日本大阪環状線、京阪電鉄、近畿鉄道及び神戸電鉄においてポスターの掲示がされたこと、甲第55号証に平成11年7月16日ないし同12年1月15日、同12年2月16日〜同13年1月20日に小田急線においてポスターの掲示がされたこと、甲第56号証に平成12年3月9日ないし同13年3月8日に京王線においてポスターの掲示がされたこと及び甲第57号証に平成12年8月1日ないし同13年7月31日に神戸市営バスにおいてポスターの掲示がされたことが記載されている。

オ 電照看板による広告

甲第58号証は、JR三宮駅及び同駅地下街における電照看板による請求人の仏壇に係る広告に関する広告代理店による証明書であり、それには、平成12年9月1日から同13年2月28日にJR三宮駅において、「現代仏壇ギャラリー」の記載や使用標章2が表示された広告が、及び平成13年10月15日ないし同17年1月31日に三宮駅地下街において、「三宮ギャラリー」の記載や使用標章2が表示された広告が電照看板に掲示されたことが記載されている。

なお、甲第53号証には、ポスター及び看板を提示した旨の記載はあるが、電照看板による提示については確認できない。

2 上記1によれば、次の事実を認めることができる。

(1)「電装」について

「電装」には、「電気関係の装置を備えつけたり、電気配線をしたりすること。」の意味があり、本件商標の登録出願以前から、照明器具付きの仏壇が存在していた(上記1(1))。

しかしながら、本件商標の登録査定以前に仏壇について「電装」の文字が用いられているのは、甲第6号証の仏壇内部に設置する照明器具セットの説明についてのみである(上記1(1))から、例え本件商標の登録査定日以前から照明器具付きの仏壇が存在していたからといって、その当時、「電装」の文字が仏壇の効能や用途を表すものであったと認めることは到底できない。

(2)使用標章1及び2の周知性について

ア 請求人は、遅くとも1995年(平成7年)頃には仏壇・仏具等の販売を行い、現在もその業務を継続している(上記1(2)ア及び職権調査)。

なお、請求人は、いわゆる「現代仏壇」の総販売額は平成2年度の約2億円から同17年度の約13億円まで、毎年度の総販売額を述べているが、平成7年前に仏壇等の販売を行っていたことを確認できる証左の提出がないこと、同人の述べる総販売額を裏付ける証左の提出がないこと並びに同販売額が引用商標2及び引用商標3を使用した仏壇についてのものと確認できないことから、同人の述べる総販売額を認めることはできない。

イ 請求人は、1995年版ないし2000年版には「現代仏壇」の文字からなる使用標章1を、2000年版以降のものには別掲の引用商標3の黒塗りの隅丸四角形を赤塗りにした使用標章2を表示し、同人の業務に係る商品「仏壇」に係るカタログを1995年頃から2006年頃までほぼ毎年作成していた(上記1(2)ア)。ただし、それらの発行部数及び頒布方法等は不明である。

ウ 平成9年1月ないし同11年3月に、最初と最後に使用標章2が表示された、請求人の仏壇に係る30秒又は15秒のテレビコマーシャルが、朝日放送、日本テレビ放送、読売テレビ放送、東京放送、フジテレビ放送及びテレビ新潟放送で合計273回放映され、また、同じく15秒のテレビコマーシャルが、平成14年9月後半に毎日放送で106回、同15年4月中・下旬に日本テレビ放送で50回放映された(上記1(2)イ)。

エ 平成12年7月から同18年1月まで、全国紙、地方紙、業界紙等に、使用標章2が表示された請求人の仏壇に係る広告が掲載された。なお、使用標章1は甲第51号証及び甲第52号証を除き、「現代仏壇特約店募集中」、「現代仏壇ギャラリーを開いてみませんか。」、「現代仏壇コンセプトギャラリー」、「時代は現代仏壇」等のように、説明文又はいわゆるキャッチコピーの文言中に記載されている。(上記1(2)ウ)

オ 平成8年3月1日ないし同16年12月31日に神戸市営地下鉄、大阪市営地下鉄(全線)や神戸市営地下鉄三宮駅、大阪市営地下鉄中央線谷町4丁目駅、同本町駅及び阪急梅田駅JR通路において、平成12年8月1日ないし同13年7月31日に神戸市営バスにおいて、平成12年9月16日から同13年2月28日にJR三宮駅において、平成13年10月15日ないし同17年1月31日に三宮駅地下街において、平成14年5月1日ないし同18年3月31日に大阪市営地下鉄、神戸市営地下鉄、JR西日本大阪環状線、京阪電鉄、近畿鉄道及び神戸電鉄において、使用標章2が表示された請求人の仏壇に係る広告のポスター、看板及び電照看板が掲示された。

また、関東地区においても、平成11年7月16日ないし同12年1月15日、平成12年2月16日ないし同13年1月20日に小田急線において、平成12年3月9日ないし同13年3月8日に京王線において使用標章2が表示された請求人の仏壇に係る広告のポスターが掲示された。

なお、使用標章1はそのほとんどが「現代仏壇ギャラリー三宮」、「リビングルームによく似合う現代仏壇」、「現代仏壇がいっぱい!」等のように、説明文又はいわゆるキャッチコピーの文言中に記載されている。(上記1(2)エ及びオ)

3 上記2(2)で認定した事実からすれば、総合カタログの発行部数や頒布状況や「現代仏壇」の販売額は明らかではない(上記2(2)ア及びイ)ものの、新聞による広告、移動体広告及びテレビコマーシャルの時期、規模及び内容(上記2(2)ウないしオ)から、使用標章2は、本件商標の登録出願の時ないし登録査定時において、請求人の業務に係る商品「仏壇」を表示するものとして、特に関西地方を中心に需要者の間である程度知られていたものと判断するのが相当である。

しかしながら、使用標章1は、新聞やポスター等による広告においても、そのほとんどが「現代仏壇特約店募集中」、「現代仏壇ギャラリーを開いてみませんか。」、「現代仏壇コンセプトギャラリー」「リビングルームによく似合う現代仏壇」、「現代仏壇がいっぱい!」等のように、説明文又はいわゆるキャッチコピーの文言中に記載されているものである(上記2(2)ウないしオ)から、請求人の業務に係る商品「仏壇」を表示するものとして需要者の間で知られていたものと認めることはできない。

また、使用標章1は、その文字自体が「現代的(モダン)な仏壇」程の意味合いを想起させるものであって、請求人の広告等での使用態様を考慮すれば、出所識別標識としての機能が強いものと認めることもできない。

4 商標法第4条第1項第11号について

(1)本件商標

本件商標は、上記第1のとおり「電装現代仏壇」の文字からなるところ、該構成文字は同じ大きさ、同じ書体で等間隔に外観上まとまりよく一体に表され、該文字から生じる「デンソウゲンダイブツダン」の称呼は短いものとはいえないものの、無理なく一連に称呼し得るものといえる。

しかしながら、本件商標の指定商品が「仏壇」であることから、本件商標「電装現代仏壇」の構成中「仏壇」の文字は、指定商品の普通名称を表示するものであり、出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められるから、本件商標はその構成中「電装現代」の文字部分を抽出し他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは許されるものであって、該文字部分が独立して出所識別標識としての機能を果たし得るものといえる。

そうすると、本件商標は、他人の商標との類否を検討する場合は、その構成全体の「電装現代仏壇」のほか、「電装現代」についても検討を要するというべきである。

なお、請求人は、本件商標の構成中「電装」及び「仏壇」の文字が仏壇の効能や用途表示及び普通名称であるから、本件商標は、その構成中「現代」及び「現代仏壇」の文字部分もそれぞれ要部というべきである旨主張している。

確かに、「電装」が「電気関係の装置を備えつけたり、電気配線をしたりすること」の意味を有し(甲第5号証)、請求人発行の1995年(平成7年)版カタログ(甲第6号証)に「院玄電装用」等の記載があり、さらに、掲載日等は不明であるが仏壇を紹介するウェブページ(甲第7号証ないし甲第10号証)に「電装付(き)」の記載とともに電装付きの仏壇が掲載されているが、これらのうち、本件商標の登録査定前のものと認め得るのは、請求人発行の1995年版カタログのみであるから、これをもって、「電装」の文字が、本件商標の登録査定時において、仏壇の効能や用途を表示するものとして普通に使用されていたということは困難である。

そうとすると、請求人の主張はその前提において失当といわざるを得ないから、これを採用することはできない。

また、他に本件商標の構成中「現代」及び「現代仏壇」の文字部分を抽出して検討しなければならない事情は見いだせない。

してみれば、本件商標は、その構成文字全体の「電装現代仏壇」のほか、他の商標と比較検討することが許されるのは、「電装現代」の文字部分に限られるものといわなければならない。

したがって、本件商標は、その構成文字に相応し「デンソウゲンダイブツダン」及び「デンソウゲンダイ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものというべきである。

(2)引用各商標

引用商標1は、上記第2(1)のとおり「現代」の文字からなり、該文字に相応し「ゲンダイ」の称呼及び「現代」の観念を生じるものである。

引用商標2は、上記第2(2)のとおり「現代仏壇」の文字からなり、該文字に相応し「ゲンダイブツダン」の称呼を生じ、「現代的(モダン)な仏壇」程の意味合いを想起させるものである。また、引用商標2は、その構成中「仏壇」の文字が指定商品の普通名称を表示するものであって出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められるから、「現代」の文字部分が独立して出所識別標識としての機能を果たし得るものといえる。そうすると、引用商標2は、上記の称呼及び意味合いのほか、「ゲンダイ」の称呼及び「現代」の観念も生じるものといわなければならない。

引用商標3は、別掲のとおり、黒塗りの隅丸四角形内に「現代」と「仏壇」の文字を上下二段に白抜きで表した構成からなり、その構成はまとまりよく一体に表され、構成文字に相応する「ゲンダイブツダン」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものであるから、その構成及び称呼からすれば、「ゲンダイブツダン」の称呼のみを生じ、「現代的(モダン)な仏壇」程の意味合いを想起させるものと判断するのが相当である。

(3)本件商標と引用各商標との類否

本件商標「電装現代仏壇」及びその構成中の「電装現代」と引用商標1、同2の「現代」(引用商標2から抽出した部分も含む。)、「現代仏壇」及び引用商標3とを比較すると、両者は、外観においては、それぞれの文字数、構成文字及び態様に明らかな差異を有するから明確に区別できるものである。

また、称呼においては、前者の称呼「デンソウゲンダイブツダン」及び「デンソウゲンダイ」と後者の「ゲンダイ」及び「ゲンダイブツダン」との比較において、両者はその構成音数や「デンソウ」の音の有無などの差異があるから、明確に聴別できるものである。

さらに、観念においては、本件商標が特定の観念を生じないものであるから、両商標は観念において相紛れるおそれはない。

そうすると、本件商標と引用各商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

その他、本件商標と引用各商標とが類似するというべき特段の事情は見いだせない。

(4)小括

以上のとおり、本件商標と引用各商標とは非類似の商標であって、これらを同一又は類似の商品に使用しても、需要者をして当該商品が同一の事業主の製造販売に係る商品であるかのように商品の出所について誤認混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当であるから、本件商標は、引用各商標と類似する商標であるということができない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

5 商標法第4条第1項第15号について

本件商標の登録出願の時ないし登録査定時において、使用商標1(引用商標2)が請求人の業務に係る商品「仏壇」を表示するものとして需要者の間で知られていたものと認められないこと、及び使用標章2(引用商標3)は、請求人の業務に係る商品「仏壇」を表示するものとして、特に関西地方を中心に需要者の間である程度知られていたものと判断するのが相当であることは、上記3のとおりである。

しかしながら、使用標章2にある程度の周知性が認められるとしても、上記4(3)のとおり、本件商標と使用標章2(引用商標3)とは相紛れるおそれのない非類似の商標であって別異の商標というべきものであるから、被請求人(商標権者)が本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する需要者が請求人又は同人の商標を連想、想記するものとは認められず、その商品を請求人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生じさせるおそれのないものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。

6 むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第46条第1項第1号により、その登録を無効とすべきでない。

よって、結論のとおり審決する。

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