Trademark Appeal Case
称呼の類否判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2011−900418(T2011−900418/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5434982号商標(以下「本件商標」という。)は、「ナチュハート」の片仮名と「Natuheart」の欧文字とを上下二段に横書きしてなり、平成23年3月2日に登録出願され、第3類「歯磨き,身体用の消臭剤・防臭剤,その他の化粧品,香料類,口臭消臭剤」及び第5類「消臭剤(工業用及び身体用のものを除く),防臭剤(工業用及び身体用のものを除く),脱臭剤(工業用のものを除く),その他の薬剤」を指定商品として、同年7月8日に登録査定、同年8月26日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人が引用する登録第5243977号商標(以下「引用商標」という。)は、「ナチュラート」の片仮名を標準文字で表してなり、平成20年11月7日に登録出願され、第5類「薬剤,食餌療法用食品,食餌療法用飲料,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,耳帯,眼帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド」指定商品として、同21年7月3日に設定登録さたものである。
3 登録異議の申立ての理由(要旨)
本件商標からは「ナチュハート」、他方、引用商標からは「ナチュラート」なる自然称呼がそれぞれ生じることは明らかであるところ、両者は何れも4音から構成され、その中、「ナ」「チュ」「ト」の3音を共通にし、僅かに第3音において「ハー」と「ラー」の徴差を有するに過ぎない。
そして、当該「ハー」と「ラー」の子音「h」と「r」は何れも摩擦音で調音方法が共通していると共に、その母音「a」も共通しているため、両音は実際の称呼においては明確に聴別され難い近似する音である。
してみれば、本件商標及び引用商標を全体として一連に称呼するときは、語頭部の「ナ」及び「チュ」が明確に発音聴取されると共に、第3音の「ハー」と「ラー」が近似音で、特に長音であることとも相俟って、何れも「アー」としての印象が聴者に強く残る結果、全体として両称呼は「ナチュアート」の如き相紛らわしい語韻語調となり、時と所を異にした商取引の現場において彼此誤認混同を生じるおそれは必至である。
したがって、本件商標と引用商標は称呼上類似の商標で、かつ指定商品も抵触するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
4 当審の判断
(1)本件商標と引用商標との類否について
本件商標は、前記1のとおり「ナチュハート」の片仮名と「Natuheart」の欧文字とを上下二段に横書きしてなるところ、各構成文字は我が国において広く親しまれた外国語に見当たらず、また親しまれた特定の語を想起させるものでもないから、特定の観念を生じない一種の造語として認識されるものである。
また、一般に、欧文字と仮名文字を併記した構成の商標において、その仮名文字部分が欧文字部分の読みを特定すべき役割を果たすものと無理なく認識し得るときは、仮名文字部分から生ずる称呼が、当該商標より生ずる称呼とみるのが自然であることから、本件商標からは「ナチュハート」のみの称呼を生ずるものである。
他方、引用商標は、前記2のとおり「ナチュラート」の片仮名よりなるところ、本件商標と同様に、我が国において広く親しまれた外国語に見当たらず、また親しまれた特定の語を想起させるものでもないから、特定の観念を生じない一種の造語として認識されるとともに、「ナチュラート」の称呼を生ずるものである。
しかして、本件商標から生ずる「ナチュハート」の称呼と引用商標から生ずる「ナチュラート」の称呼とは、共に4音という短い音構成よりなるものであって、前半部において「ナチュ」の構成音を共通にするものの、後半部において「ハート」と「ラート」の差異を有するものである。
かかる音構成にあって、後半部の「ハー」と「ラー」の音は、母音「a」を共通にするとはいえ、その前音が響きの弱い「チュ」の拗音であること及び長音を帯同していることから、ともに強く明瞭に発音され、これらの差異がともに4音構成という短い称呼と相俟って、両者の称呼全体に及ぼす影響は大きく、それぞれを一連に称呼するときは、その語調、語感が異なったものとなり、互いに聞き誤ることなく聴別することができるものといわなければならない。
また、両商標は、前記したとおり、ともに特定の観念を生じない造語よりなるものであることから、観念においては、類似するところがない。
さらに、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別しうる差異を有するものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても、相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、本件登録異議の申立てに係る第5類の全指定商品について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録は維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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