Trademark Appeal Case
結合商標の要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2011−900407(T2011−900407/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5437798号商標(以下「本件商標」という。)は、「Lush Repair」及び「ラッシュリペア」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成23年4月15日に登録出願され、第3類「化粧品,せっけん類,香料類,つけづめ,つけまつ毛,つけまつ毛用接着剤」を指定商品として、同年8月22日に登録査定、同年9月9日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(1)及び(2)のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4479169号商標(以下「引用商標1」という。)は、「LUSH」の欧文字を横書きしてなり、平成8年12月6日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として同13年6月1日に設定登録され、その後、同年9月13日に指定商品中「香料類」について一部放棄による本権の登録の一部抹消の登録がされ、さらに、同23年4月26日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。
(2)登録第5013148号商標(以下「引用商標2」という。)は、「ラッシュ」の片仮名を横書きしてなり、平成18年6月1日に登録出願、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品」を指定商品として同年12月22日に設定登録されたものである。
以下、これらをまとめて「引用商標」ということがある。
3 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、引用商標と同一の「Lush」又は「ラッシュ」及び補修を意味する「Repair」又は「リペア」の構成からなるところ、その構成中の「Repair(リペア)」の部分は指定商品との関係では品質表示部分であり、「Lush(ラッシュ)」の部分が自他商品識別標識と認識されるから、本件商標と引用商標とは称呼が共通し、観念及び外観が紛らわしい類似する商標であり、また、本件商標の指定商品中「せっけん類,化粧品」は、引用商標の指定商品と同一である。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第10号について
引用商標は、申立人が使用許諾している株式会社ラッシュジャパン(以下「ラッシュジャパン」という。)の商品(スキンケア、ボディケア、ヘアケア、浴用化粧品等)を表示する商標として、本件商標の登録出願前に需要者の間に広く認識されている。本件商標は引用商標と類似し、その指定商品も引用商標が使用されている商品と同一である。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
本件商標と引用商標とは類似すること、引用商標はラッシュジャパンが使用する商標として周知になっていること、本件商標権者とラッシュジャパンは同業者であること、商品の取引者・需要者が共通であることから、本件商標をその指定商品に使用すると商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、前記1のとおり、「Lush Repair」の欧文字及び「ラッシュリペア」の片仮名を上下二段に横書きした構成からなるものであって、それぞれ全体がまとまりよく一体的に看取されるものであり、これより生ずる「ラッシュリペア」の称呼もよどみなく一連に称呼することができるものである。本件商標のかかる構成にあっては、殊更、「Lush」及び「ラッシュ」の文字部分と「Repair」及び「リペア」の文字部分とに分離して観察されるというよりも、むしろ全体をもって不可分一体のものとして認識し把握されるというべきである。
確かに、申立人の提出に係る証拠によれば、「せっけん類,化粧品」の分野においては、ダメージの補修等の効果・効能を謳った商品について「リペア」又は「Repair」の文字が使用されていることが認められるものの、多くは「ダメージリペアシャンプー」、「リペアトリートメント」、「リペアソープ」、「リペアクリーム」、「リペアローション」、「Repair Shampoo」、「REPAIR TREATMENT」、「MOISTURE SKIN REPAIR CREAM」、「Repair Soap」等の如く、商品を示す他の文字と共に用いられており、商品の品質、効能等を示すために「リペア」又は「Repair」の文字が単独で使用されている例は殆ど見当たらない。
そうすると、「せっけん類,化粧品」の分野における取引実情を考慮したとしても、本件商標は、その構成中の「Repair」及び「リペア」の文字が直ちに商品の品質、効能等を表示するものとして認識し理解されるというべきではなく、上記のとおり、全体として一体不可分のものとして認識し把握されるとみるのが自然である。
してみれば、本件商標は、全体として、既成の親しまれた観念を有しない一種の造語として認識し理解され、「ラッシュリペア」の一連の称呼のみを生ずるものといわざるを得ない。
他方、引用商標は、それぞれの構成文字に相応して、いずれも「ラッシュ」の称呼を生ずるものである。
しかして、上記「ラッシュリペア」の称呼と「ラッシュ」の称呼とは、「リペア」の音の有無という顕著な差異により、容易に区別することができるものである。
また、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものであり、本件商標が既成の親しまれた観念を有しない一種の造語である以上、観念上両者を比較すべくもない。
したがって、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならないから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第10号該当性について
申立人の提出に係る証拠によれば、「LUSH」の欧文字又は「ラッシュ」の片仮名からなる標章は、ラッシュジャパンの業務に係る商品「スキンケア、ボディケア、ヘアケア、浴用化粧品」等について使用する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において取引者、需要者の間に相当程度広く認識されていたものといえる。しかしながら、前記標章と引用商標とは同一といえるものであり、本件商標と引用商標とが非類似の商標であることは前示のとおりであるから、本件商標と前記標章も非類似の商標といえるものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものではない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
前示のとおり、本件商標と引用商標とは類似するところのない別異の商標であるから、引用商標と同一の標章がラッシュジャパンの業務に係る商品を表示する商標として、取引者、需要者の間に相当程度広く認識されていたとしても、本件商標をその指定商品に使用した場合には、これに接する取引者、需要者が引用商標を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人若しくはラッシュジャパン又はこれらと経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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