Trademark Appeal Case
Redoxと赤牛の観念類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2011−900431(T2011−900431/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5436792号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成23年2月15日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年7月13日に登録査定、同年9月9日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(1)ないし(8)のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第3163136号商標(以下「引用商標1」という。)は、「Red Bull」の欧文字を横書きしてなり、平成5年3月11日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同8年6月28日に設定登録され、その後、同18年4月11日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第4986339号商標(以下「引用商標2」という。)は、「レッド ブル」の片仮名を標準文字で表してなり、平成17年5月9日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年9月8日に設定登録されたものである。
(3)登録第4997592号商標(以下「引用商標3」という。)は、「レッドブル」の片仮名を標準文字で表してなり、平成17年8月15日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年10月20日に設定登録されたものである。
(4)登録第5314031号商標(以下「引用商標4」という。)は、「レッドブル」の片仮名を横書きしてなり、平成21年9月2日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同22年4月2日に設定登録されたものである。
(5)国際登録第871248A号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、2005年2月17日にオーストリア国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2005年7月28日に国際登録され、第32類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成19年4月6日に日本国において設定登録されたものである。
(6)国際登録第994918A号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、2008年5月23日にオーストリア国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2008年11月13日に国際登録され、第32類、第33類及び第43類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成22年12月10日に日本国において設定登録されたものである。
(7)登録第5292901号商標(以下「引用商標7」という。)は、「赤牛」の文字を横書きしてなり、平成21年6月3日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同22年1月8日に設定登録されたものである。
(8)登録第5292902号商標(以下「引用商標8」という。)は、「赤い雄牛」の文字を横書きしてなり、平成21年6月3日に登録出願、第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同22年1月8日に設定登録されたものである。
(引用商標1ないし8をまとめていうときは、以下、単に「引用商標」という。)
3 登録異議申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第10号について
引用商標は、申立人の業務に係る商品「エネルギー飲料」(以下「申立人商品」という。)を表示するものとして、本件商標の登録出願時には、需要者の間に広く認識されていた。
本件商標は、引用商標と「赤い雄牛」の観念において共通する類似の商標であり、その指定商品は、申立人商品と同一又は類似の商品である。
(2)商標法第4条第1項第11号について
前記(1)のとおり、本件商標は、引用商標と類似する商標であって、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。
(3)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、申立人の商標として広く一般に知られているから、これと類似する本件商標をその指定商品について使用する場合は、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標
本件商標は、別掲(1)のとおり、紺色で横書きされた「Redox」の欧文字を大きく表し、その右下に、原子模型を表したと理解される紺色の図形を配し、原子模型中の原子核内には、元素記号を思わせる「H
14
O」の文字を白抜きで書してなるものであるところ、本件商標に接する需要者は、大きく表された「Redox」の欧文字部分に着目して、これより生ずる称呼をもって、商品の取引に当たる場合が多いとみるのが相当である。そして、本件商標中の「Redox」の欧文字部分は、語頭の「R」のみを大文字で表し、これに続く文字はすべて小文字で表してなるものであるから、全体で一語を構成する文字を表したと理解されるばかりでなく、すべての文字は、同一の書体、同一の間隔で表され、かつ、同一の色彩が施されているものであるから、構成文字全体が、外観上まとまりのよい一体的な商標として把握、認識されるものといえる。また、「Redox」の語は、本件商標の指定商品の主たる需要者である一般の消費者には馴染みの薄い語であるとはいえ、「酸化還元反応」を意味する成語である上、これを英語読み風に「レドックス」と称呼することに、何ら困難を伴うものではない。そうすると、本件商標中の「Redox」の欧文字部分は、外観、観念及び称呼上、これを「Red」の文字部分と「ox」の文字部分とに分離して観察しなければならない合理的理由は存在しないというべきである。
したがって、本件商標は、その構成中の「Redox」の欧文字部分に相応して、「レドックス」の称呼を生ずるものであって、一般的には、造語を表したと理解されるものということができる。
イ 引用商標
前記2のとおり、引用商標1は、「Red Bull」の欧文字を、引用商標2は、「レッド ブル」の片仮名を、引用商標3及び4は、「レッドブル」の片仮名を、それぞれ横書きしてなるものであり、また、引用商標5及び6は、顕著に表した「Red Bull」の欧文字を含むものであり、さらに、引用商標7は、「赤牛」の文字を、引用商標8は、「赤い雄牛」の文字を、それぞれ横書きしてなるものである。
そうすると、引用商標1ないし6は、その構成文字に相応して、「レッドブル」の称呼及び「赤い雄牛」なる観念が想起されるものといえる。また、引用商標7は、その構成文字より「アカウシ」の称呼及び「赤い牛」の観念が生ずるものであり、さらに、引用商標8は、その構成文字より「アカイオウシ」の称呼及び「赤い雄牛」の観念が生ずるものである。
ウ 本件商標と引用商標との対比
本件商標と引用商標とは、前記の構成よりみて、外観上明らかに相違するものである。
また、本件商標より生ずる「レドックス」の称呼と、引用商標1ないし6より生ずる「レッドブル」の称呼、引用商標7より生ずる「アカウシ」の称呼及び引用商標8より生ずる「アカイオウシ」の称呼は、構成音数の差異、構成各音の音質・音感の差異等により、それぞれの称呼を一連に称呼した場合においても、全体の語調、語感が著しく相違したものとなり、明瞭に聴別し得るものである。
さらに、本件商標は、造語を表したと理解されるものであるから、引用商標とは、観念上比較することができないものである。
したがって、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点についても、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
エ 以上によれば、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとする申立人の主張は、理由がない。
(2)商標法第4条第1項第10号について
ア 引用商標の周知性
甲第12号証ないし甲第15号証によれば、申立人商品は、1987年(昭和62年)に、オーストリアにおいて発売が開始され、1992年(平成4年)ころより、欧州を中心に販路を拡大しはじめ、現在は、世界157カ国において販売されていること、申立人商品の販売本数は、1994年(平成6年)には、約1億1300万本であったが、2010年(平成22年)には、約41億本に増加したこと、日本での販売は、2005年(平成17年)からであり、我が国に輸入された申立人商品には、引用商標5はじめ、「Red Bull」の文字を含む商標(以下「『Red Bull』商標」という。)が表示されていたこと、日本での当初の販売本数は、約57000本であったが、2010年(平成22年)には、約5400万本に増加したこと、また、申立人の日本における広告活動は、映画やラジオ等によってされ、2010年(平成22年)の広告費は、約660万ユーロが費やされたこと、申立人の日本における2010年(平成22年)のマーケティング費は、約2000万ユーロであったこと、2011年(平成23年)7月にヨーロッパブランド協会が発行した「EurobrandAustria2011」において、「Red Bull」は、最も価値あるオーストリアブランドとしてランキングされたこと、申立人は、F1などの自動車競技やサッカーなどの国際イベント、あるいは、国内においてスポーツや文化などのイベントのスポンサーとなり、これらの各イベント等において、「Red Bull」商標を表示していること、などを認めることができる。
以上によれば、「Red Bull」商標は、申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時には、清涼飲料等の分野の需要者の間においては、広く認識されていたものと認めることができる。
イ 本件商標と「Red Bull」商標との類否
(ア)前記(1)認定のとおり、本件商標と「Red Bull」の文字よりなる商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点についても、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
ウ したがって、本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当するとする申立人の主張も、理由がなく採用することができない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
前記(2)ア認定のとおり、「Red Bull」商標は、申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時には、清涼飲料等の分野の需要者の間には、広く認識されていたものと認めることができる。
しかしながら、前記(1)認定のとおり、本件商標と「Red Bull」の文字よりなる商標は、互いに何ら紛れるおそれのない商標というべきである。
してみると、本件商標に接する需要者が引用商標を想起又は連想することはないといえるから、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、該商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれのある商標ということはできない。
したがって、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとする申立人の主張も理由がない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号のいずれの規定にも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。