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Trademark Appeal Case

不使用取消:商品・商標範囲

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2011−300734(T2011−300734/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4457666号商標の指定商品中、「織物製テーブルナプキン,ふきん」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4457666号商標(以下「本件商標」という。)は、「エコモア」及び「ECOMORE」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成12年3月22日に登録出願、第24類「布製身の回り品,織物製テーブルナプキン,ふきん,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製いすカバー,織物製壁掛け,織物製ブラインド,カーテン,テーブル掛け,どん帳,シャワーカーテン,織物製トイレットシ−トカバー,遺体覆い,経かたびら,黒白幕,紅白幕,布製ラベル,ビリヤードクロス,のぼり及び旗(紙製のものを除く。)」を指定商品として平成13年3月9日に設定登録され、その後、平成22年10月12日に商標権の存続期間の更新登録がされているものである。

なお、本件審判の請求の登録は、平成23年8月22日にされている。

第2 請求人の主張の要点

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べている。

1 請求の理由

本件商標は、その指定商品中「織物製テーブルナプキン,ふきん」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録が取り消されるべきものである。

2 弁駁の理由

(1)被請求人提出の証拠について

被請求人は、通常使用権者である新田谷職布工場が「ふきん」に該当する商品及びその類似商品に本件商標を使用していると主張し、乙第1号証ないし乙第4号証を提出している。

(ア)乙第1号証について

乙第1号証は、ハット株式会社が新田谷織布工場宛に提示した発注書の写しであり、発注書No.208の商品名の欄には商品「マフラータオル」、「フェイスタオル」、「ハンドタオル」及び「バスタオル」が表示されている。

また、発注書No.192の商品名の欄には、商品「タオル」、「フェイスタオル」及び「ハンドタオル」が表示されている。

上記発注書No.208では、「エコモアフードカラー」の表示において本件商標との関連性が窺えるというものの、「エコモア」の使用ではなく、「エコモア」と「ECOMORE」を上下二段に表示した本件商標の使用ではない。

さらに、発注されている商品は、いずれも「布製身の回り品」(類似群コード17B01)に属する商品「タオル」であり、本件審判の対象とする商品である「織物製テーブルナプキン、ふきん」(類似群コード19A05)について使用していないことは明白である。

(イ)乙第2号証について

乙第2号証は、新田谷織布工場がハット株式会社に提示した納品書写し2通と佐川急便株式会社の集荷伝票の写し2通であり、平成23年5月27日付けの納品書では品名欄に商品「マフラータオル」及び「エコモアフードカラー」が表示されている。

また、平成23年7月1日付けの納品書では品名欄に商品「マフラータオル」及び「エコモアフードカラー」が表示されている。

そして、佐川急便株式会社の集荷伝票においては、品名欄において「タオル」と記載されている。

上記納品書では、「エコモアフードカラー」の表示において本件商標との関連性が窺えるというものの、「エコモア」の使用ではなく、「エコモア」と「ECOMORE」を上下二段に表示した本件商標の使用ではない。

さらに、発注されている商品は、いずれも「布製身の回り品」(類似群コード17B01)に属する商品「タオル」であり、本件審判の対象とする商品である「織物製テーブルナプキン、ふきん」(類似群コード19A05)について使用していないことは明白である。

(ウ)乙第3号証について

被請求人は乙第3号証として商品現物を提出しており、裏面において「ECOMORE」の表示のあるタグが縫い付けられているが、商品としては「フェイスタオル、ハンドタオル」であって、「織物製テーブルナプキン、ふきん」についての使用を証するものではない。

また、これら商品現物と乙第1号証及び乙第2号証の取引伝票との関係は何ら立証されておらず、この商品現物が実際に取引の対象とされたものか否かについても不明である。

(エ)乙第4号証について

乙第4号証は、単に有限会社エヌエス工房が新田谷織布工場に商標使用権を与えたことを示すにすぎない。

(2)被請求人の主張について

被請求人は、ハンドタオルとふきんは同じような使われ方をしており、名称によっての垣根がなくなっている旨主張しているが、タオルとふきんは材質・用途を異にしており、全く別個の商品である。それ故に、類似群コードも17B01と19A05と異なったものが付されているのであり、仮にタオルについて本件商標を使用していたとしても、「織物製テーブルナプキン、ふきん」については不使用であることは明白である。

(3)むすび

以上のとおり、被請求人提出の証拠によっては本件商標の正当な使用事実は何ら立証されておらず、商品「織物製テーブルナプキン、ふきん」について本件商標が使用されていないことは明白である。

第3 被請求人の答弁の要点

被請求人は、本件の審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証を提出している。

1 第1答弁

(1)はじめに

被請求人所有ブランドであるエコモアは、タオル繊維製品の各アイテム(タオル、バスタオル、スポーツタオル、ハンドタオル、オシボリ、きっちんクロス)などのエコ商品のブランドとして被請求人製品群を形成している。ふきん、テーブルナプキンの販売実績を問われているが、取得使用して10年以上エコモアジーンズ、エコモアフードカラーなど、このブランドでかなりの商品が認知されている。

ふきんは、キッチンクロス、オシボリ、ハンドタオル、などと同じようなサイズで同じ機能のため、使われ方も各家庭によっては同じような使われ方をしており、名称によっての垣根がなくなっている。もし被請求人エコモアシリーズの一角が同一ブランド(エコモア名)で他社より市場に提供されれば、今日まで育成してきたことが水の泡になり被請求人の信用が失墜しかねない。

(2)本件商標の使用事実

本件審判は、本件商標の指定商品中、第24類「織物製テーブルナプキン、ふきん」について、不使用による商標登録の取消請求がなされたものである。

しかし、本件商標の通常使用権者である「新田谷織布工場」は、本件審判請求の登録前3年以内に我が国においてその請求に係る指定商品中「ふきん」に該当する商品及びその他類似商品に本件商標を使用している。

(ア)商品の使用者

乙第1号証の「受注伝票」及び乙第2号証の「納品伝票」には商標使用権者名と商標名及び取引日時が記載されている。

(イ)商品の添付

乙第3号証として当該商品の現物を添付する。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者により、請求に係る指定商品中「ふきん」について使用されていることが明らかであるから、本件審判の請求は成り立たない。

2 第2答弁

(1)エコモア(ECOMORE)は、指定商品又は指定役務並びに役務の区分第24類で商標登録されている。

第24類に指定されている商品群は、その商標権利者もしくはその使用権利許可者が取得日より、そのブランドイメージに合う商品群開発に多額の金額とエネルギーを投入している。

仮にそのブランド中の一アイテム商品が、企画の悪さや価格の不一致によって、たまたま上市されなくても、それはそのアイテムを放棄したわけではない。

現在上市されている商品群の販売によってエコモア商品群の信頼性を益々高め、たまたま市場に受け入れられなかった第24類に指定されておる商品群にも再度の企画変更をし上市する予定である。

弁駁書において、「タオルとふきんは材質・用途を異にしており全く別個の商品」とあるが、それは繊維業界をよく存知ない発言である。タオルにもパイルの無いガーゼタオルやサイズの違う異型サイズ商品やポリエステル、アクリルなど化学繊維を使用した商品がたくさんある。また、ふきんにもパイルを出した格子キッチンやパイルキッチンクロスなど多種多様である。

(2)結論

織物繊維製品であるタオルと布巾(ふきん)は、商品名での境界線が無く、それゆえ同一マーケット(キッチン水回り品商品)で取引がなされている。

他社製品で同一名ブランドの販売は、当社発売中商品への影響も大きく、もし他社製粗悪品が同一ブランドで同一マーケットに上市されると消費者に混乱、誤解を与えるのみならず、当社のブランドイメージにも損害を与えかねない。

第4 当審の判断

1 本件商標の使用に係る商品について

(1)被請求人から提出された証拠について

被請求人は、「ふきん」に該当する商品及びその他類似商品に本件商標を使用している旨主張し、乙第1号証ないし乙第4号証を提出している。

(ア)乙第1号証は、ハット株式会社から新田谷織布工場に宛てた2011年5月25日付又は同年6月28日付の各「発注書」と認められるところ、「商品名」欄に「マフラータオル」、「エコモアフードカラー フェイスタオル3P サイズ33」、「エコモアフードカラー ハンドタオル3P サイズ33」、「5つ星カラー フェイスタオル ホワイト」等と記載され、それぞれに対応した単価、数量及び金額が記載されていることが認められる。

上記商品名欄の記載に徴すれば、上記発注書の対象とされた商品はいずれも「タオル」の範ちゅうに属するものといえる。

また、上記「エコモアフードカラー フェイスタオル3P サイズ33」又は「エコモアフードカラー ハンドタオル3P サイズ33」の文字部分についてみると、「フェイスタオル3P サイズ33」及び「ハンドタオル3P サイズ33」の文字部分は、商品の用途、品質、規格等を表示するものとして容易に理解し認識されるというべきであるから、いずれも「エコモアフードカラー」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たす要部というべきである。

しかしながら、「エコモアフードカラー」の文字は、一連一体に表されているばかりでなく、これを例えば「エコモア」と「フードカラー」とに分断し、さらに「エコモア」の文字部分のみを分離抽出して観察すべき格別の理由は見出し難いから、全体をもって一体のものとして認識し把握されるというべきである。

そうすると、上記「エコモアフードカラー」の文字は、「エコモア」及び「ECOMORE」の文字を上下二段に横書きした本件商標と社会通念上同一のものとは認められない。

(イ)乙第2号証は、新田谷織布工場からハット株式会社に宛てた平成23年5月27日付又は同年7月1日付の各「納品書」及び佐川急便株式会社の集荷伝票(ご依頼主控)2通と認められるところ、該「納品書」は、上記乙第1号証の「発注書」に対応するといえるものであって、「品名」欄に「マフラータオル」、「エコモアフードカラー 3P」、「5つ星カラー F/T」、「エコモアフードカラー F/T」、等と記載され、それぞれに対応した単価、数量及び金額等が記載されていることが認められる。

また、上記各集荷伝票には、いずれも依頼主として「新田谷織布工場」が記載され、届け先として「ハット株式会社」が記載されているほか、「品名」欄に「タオル」と記載され、「11.5.27」の受付印又は受付日欄に「23年7月1日」の記載があることが認められる。

上記納品書の商品名欄及び上記集荷伝票の品名欄の記載に徴すれば、上記納品書及び集荷伝票の対象とされた商品は、いずれも「タオル」の記載が認められ、それ以外に商品名を特定できないことから、その商品は、「タオル」と認められるものである。

そして、上記納品書に記載された「エコモアフードカラー 3P」又は「エコモアフードカラー F/T」の文字部分についてみると、「エコモアフードカラー」が自他商品識別標識としての要部といえるものの、上記乙第1号証と同様に、本件商標と社会通念上同一のものとは認められない。

(ウ)乙第3号証は、本件商標の使用に係る商品の現物2枚及び皮革製の大きなタグ1枚と認められるところ、商品の現物2枚の裏面縁部分に、地球儀様の図形と「ECOMORE」の文字とからなる標章が表示された小さなタグが縫い付けられていることが認められる。

そして、大きなタグには、地球儀様の図形と「ECOMORE JEANS」の文字等が表示されているものの、「JEANS」の文字は、請求に係る指定商品「織物製テーブルナプキン,ふきん」の材質を表したものと認めることはできず、かつ、「ECOMORE JEANS」の文字部分は、まとまりよく表されており、その構成上、一体的な商標と認められるから、これは、本件商標と社会通念上同一の商標ということはできないものである。

また、大きなタグは、請求に係る指定商品「織物製テーブルナプキン,ふきん」やその包装に付されたものではない。

一方、小さなタグの「ECOMORE」の文字部分は、本件商標の構成中の「ECOMRE」の文字と同一といえるものであり、本件商標と社会通念上同一のものと認められる余地はある。

しかしながら、上記商品は、その形状、材質等からみてタオルと認められるものである。しかも、これらが乙第1号証及び乙第2号証に記載された商品の「タオル」であることや、請求に係る指定商品「織物製テーブルナプキン,ふきん」に、実際に取引されたことを示す具体的な証左は一切なく、これらが商品として実際に取引され流通していることが証明されていない。

(エ)乙第4号証は、平成22年10月12日付「商標使用許諾書」の写しと認められるところ、該書面によれば、商標権者が本件商標について「新田谷織布工場」「新田谷政樹」に使用許諾したものと認められるから、「新田谷織布工場」は本件商標に係る通常使用権者といえる。

(2)被請求人の主張について

被請求人は、ふきんはキッチンクロス、オシボリ、ハンドタオルなどと同じようなサイズで同じ機能のため、使われ方も同じであって名称によっての垣根がなくなっている旨主張しているので、この点について検討する。

例えば、岩波書店発行「広辞苑第6版」によれば、「タオル」は、「(1)主に綿製で、布面に輪奈を出した織物。保温性・保湿性・吸水性に富む。浴布。タオル地。(2)(1)で作った手拭。西洋手拭。」とされ、「ふきん」は、「食器類を拭く小さな布。」とされているように、前者は、手ぬぐい、ハンカチ等と同様に身体用に使用されるものであるのに対し、後者は主に台所等で使用されるものであって、両者はもともと材質、用途、用法等を異にするものである。また、「タオル」は、商標法施行規則別表第24類中の「五 布製身の回り品」に属する商品として例示されているのに対し、「ふきん」は、同第24類中の「六 織物製テーブルナプキン ふきん」として別項目で例示されているものである。

そうすると、「タオル」と「ふきん」とはもともと別異の商品というべきものであり、たまたま家庭においてタオルをふきんと同じように使用することがあるとしても、そのことのみによって両者を同一の商品とみることはできない。

なお、被請求人は、請求に係る指定商品「ふきん」に類似する商品について本件商標を使用している旨主張するが、商標法第50条第1項においては、各指定商品又は指定役務についての登録商標の使用について定めており、指定商品又は指定役務に類似する商品又は役務については対象とならないことは同項の規定から明らかであるから、被請求人の上記主張は採用することができない。

(3)まとめ

上記のとおり、被請求人の答弁の全趣旨及び乙各号証を総合的に判断しても、新田谷織布工場が通常使用権者であることは認められるものの、提出に係る証拠は、商品「タオル」について本件商標が使用されたことを示すものであって、請求に係る指定商品に本件商標が使用されたことは認められないものである。

2 むすび

以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録(平成23年8月22日)前3年以内に通常使用権者たる新田谷織布工場が請求に係る指定商品中の「ふきん」について本件商標を使用していることを証明したものとは認められない。

他に、本件商標が本件審判の請求の登録前3年以内に請求に係る指定商品について使用されていたものと認めるに足る証拠はない。

また、本件商標を使用していないことについて、正当な理由があるものとも認められない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定商品中、結論掲記の指定商品についての登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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