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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2011−25078(T2011−25078/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第29類、第30類及び第35類に属する願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として平成22年11月26日に登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、当審における同24年5月21日付けの手続補正書をもって、第29類「卵,乳製品,食用油脂」、第30類「食塩,マスタード,食酢,ソース(調味料),香辛料,氷」及び第35類「通信媒体における広告材料の貸与,通信媒体上の広告タイムの貸与,事務用機械器具の貸与,自動販売機の貸与,広告用具としての販売スタンドの貸与,新聞の予約購読の取次ぎ」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、以下の(1)及び(2)のとおり判断し、本願を拒絶したものである。

(1)本願の指定役務中、第35類「通信媒体における広告材料及び広告時間の貸与,事務用機械及び装置の貸与,販売スタンドの貸与」は、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められない。また、前記指定役務が不明確でその内容及び範囲が把握できないことから、政令で定める商品及び役務の区分に従って第35類の役務を指定したものと認めることもできない。したがって、本願は、商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備しない。

(2)本願商標は、次のアないしウの登録商標と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品又は役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

ア 登録第3039062号商標(以下「引用商標1」という。)

引用商標1は、別掲2(1)のとおり、ハートを模した図形及びMETRO’Sの文字(「O」の文字は図案化され、その内側に円図形が描かれている)よりなり、平成4年9月24日に登録出願、第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同7年4月28日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。

イ 登録第5349522号商標(以下「引用商標2」という。)

引用商標2は、別掲2(2)のとおり、赤で記載されたハートを模した図形及びMETRO’Sの文字(「O」の文字は図案化され、その内側に赤色の円図形が描かれている)よりなり、平成21年3月6日に登録出願、第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として同22年8月27日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。

ウ 登録第5405287号商標(以下「引用商標3」という。)

引用商標3は、別掲2(2)のとおり、赤で記載されたハートを模した図形及びMETRO’Sの文字(「O」の文字は図案化され、その内側に赤色の円図形が描かれている)よりなり、平成21年3月6日に登録出願、第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として同23年4月8日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。

以下、これらをまとめて「引用商標」という。

なお、原査定は、上記3件の登録商標のほか、登録第922447号商標(以下「引用商標4」という。)、登録第4711009号商標(以下「引用商標5」という。)、登録第4711010号商標(以下「引用商標6」という。)、登録第5373979号商標(以下「引用商標7」という。)の登録商標も拒絶の理由に引用した。

3 当審の判断

(1)商標法第6条第1項及び第2項について

本願は、その指定商品及び指定役務について前記1のとおり補正された結果、その指定商品及び指定役務の内容及び範囲が明確なものになったと認められる。

その結果、本願の指定商品及び指定役務は商標法第6条第1項及び第2項の規定の要件を具備するものとなった。

(2)商標法第4条第1項第11号について

ア 本願商標と引用商標との類否について

本願商標は、別掲1のとおりの構成からなるところ、構成中の「METRO」の文字は、他の文字に比して大きく赤色で顕著に表されており、また、それに続く「Group」の文字は、商取引の場において、資本において上下・親子関係にある企業群のことを表す語として一般に使用されるもので、自他商品又は役務の識別標識としての機能を果たし得ないか、あるいは極めて弱い部分といえるものであるから、これに接する取引者、需要者は、その構成中、赤字で表された「METRO」の文字部分に着目し、「メトロ」の称呼をもって、取引にあたる場合も少なくないものと判断するのが相当である。

そうとすれば、本願商標は、その構成中「METRO」の文字に相応して、「メトロ」の称呼及び「地下鉄」などの観念を生じるものである。

他方、引用商標は、別掲2のとおりの構成からなるところ、かかる構成にあっては、図形部分と「METRO’S」の文字部分とが視覚的に分離して看取されるといえるものであり、これらが常に一体不可分のものとして把握されるというべき特段の事情も見いだすことはできないから、「METRO’S」の文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものと判断するのが相当である。

そして、その構成中「METRO」の文字部分は、「地下鉄」などの意味を有する英語であり、「’S」の文字部分は、名詞の所有格を示す語尾であることから、「METRO’S」の文字部分からは、「メトロズ」の称呼及び「地下鉄の」などの観念を生じるものである。

また、引用商標は、別掲3の新聞記事、インターネット記事からすれば、「東京地下鉄株式会社(東京メトロ)の駅構内にある売店」を表すものとして、取引者、需要者に一定程度知られているものといい得るから、引用商標中の「METRO’S」の文字部分からは、「東京地下鉄株式会社(東京メトロ)の駅構内にある売店」であることを想起させ、「メトロス」の称呼をも生じると認められるものである。

そこで、本願商標と引用商標との類否について検討するに、両者は、それぞれの構成全体においては明確な差異を有しており、外観において明らかに相違するものである。

また、本願商標と引用商標から生じる「メトロ」と「メトロズ」及び「メトロス」の称呼は、それぞれ3音と4音という短い音構成において語尾における「ズ」又は「ス」の有無の差異を有するものであり、この「ズ」又は「ス」の語尾音は明瞭に発音されるものと認められるから、その差異が称呼全体に与える影響は決して小さいものとはいえず、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、その語調、語感が相違し、十分に聴取し得るものである。

また、本願商標と引用商標の観念及び想起させる意味合いは前記のとおりであるから、両商標は観念においても区別できるものである。

そうとすると、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれよりみても、相紛れるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。

イ 引用商標4ないし7について

引用商標4の商標権は、商標登録原簿の記載によれば、商標登録を取り消すべき旨の審決が確定し、その確定の登録が平成23年12月22日にされているものである。

また、本願の指定商品及び指定役務は、前記1のとおり補正された結果、引用商標5ないし7の指定商品と同一又は類似の商品が全て削除された。

その結果、本願の指定商品及び指定役務は、引用商標4ないし7の指定商品と類似しない商品及び役務になったと認められるものである。

(3)以上のとおりであるから、本願が商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備しないとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は解消した。

また、本願商標と引用商標1ないし3とが類似するとした原査定の判断は妥当なものとはいえず、かつ、本願商標と引用商標4ないし7が類似するものとした原査定の拒絶の理由は解消したから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は取消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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