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Trademark Appeal Case

ペット共済の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第4082号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は「ペット共済」の文字を横書きしてなり、平成8年10月11日に登録出願され、指定役務については、平成9年3月26日付手続補正書により、第36類「ペットに関する生命保険・ペットに関する傷害保険の引受け,契約の締結の代理又は媒介」に補正されているものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、愛玩動物に係る各種保険が取り扱われている状況下、犬、猫等の愛玩動物の意味合いを有する『ペット』の文字と、共同して助け合うことの意味合いを有する『共済』の文字を結合して『ペット共済』と書してなるが、これを本願役務中『ペットのための助け合い保険(生命・傷害)の引受け』に使用される場合には、単に役務の質(内容)を表示するにすぎず自他役務の区別標識としての識別機能を有するものとは認められない。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」と認定して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「ペット共済」の文字を書してなるところ、「愛玩動物」を意味する外来語として親しまれている「ペット」の文字と「一定の団体の構成員間の相互扶助制度の一つ。構成員は一定額の金銭(掛け金)を積み立て、災害その他の一定事由に基づく出費があった場合に、これについて一定の給付を団体が行う制度」(有斐閣「法律用語辞典」)を意味する「共済」の文字を結合してなるものと認識されるものである。

ところで、ペットの病気やけがの医療費、他人に損害を与えた場合の補償費等の不慮の出費に対する補填を目的とした保険制度や共済制度(なお、「保険」と「共済」の相違は、主に「共済」が相互扶助による点で有り、両者は、同様の機能を持つものである。)があり、このことは、例えば平成11年1月1日株式会社集英社発行「情報・知識imidas1999」の「さまざまなペット関連ビジネス」の項目中の「ペット保険 掛け金を払っておき、ペットが病気がけがをしたとき治療費や入院保障を受けるシステム。ペットが他人に被害を与えた場合の賠償もする」の記載、平成10年11月14日付日経流通新聞の「ペット共済登場、ニャンとも安心」と題する記事の「ペット用の共済が新たに登場した。日本ペット共済会が十月から募集を始めた『ペットケアプラン』は犬猫専用の終身医療保障共済。」の記載、平成11年7月14日付朝日新聞の「ペットの治療代はどうきまるの?(ものわかりのいい話)」と題する記事中の「民間の数団体が『ペット共済制度』をつくっている。・・・ペット保険は簡単そうで難しい。・・・これまで会員不足でつぶれたケースもあった」の記載からも認められる。

そして、請求人が甲第6号証の1ないし3として提出している同業他社のチラシの写し中に、「ペットのための安心共済新登場」の記載、「SPC(団体名と認識される)のペットのための共済」であることを認識させる「SPCペット共済」の記載、「ペットのための医療保障共済」の記載が認められ、これらの各社(団体)が前記補填を目的とした制度を共済制度として運営していることが明らかである。

また、我が国において、例えば、自動車共済、建物共済のように対象物を表す文字に「共済」の文字を結合してなる用語が、その対象物についての共済(保険)を表すものとして一般に使用されているところである。

以上の実情よりすれば、前記構成よりなる本願商標をその指定役務について使用した場合は、これに接する需要者は、全体として「ペットに関して一定事由に基づく出費があった場合に一定の給付を行う制度」なる意味合いを理解するにとどまり、自他役務を識別する標識たる商標とは認識し得ないとみるのが相当である。

なお、請求人は、「請求人が我が国初の『ペットのための共済制度』を創設し現実に施行している」「請求人の施行する「ペット共済」がテレビ・ラジオ・新聞・雑誌を通じて広く周知されるに至っている」「同業他社が本願商標に係る役務について『ペット共済』を使用するものは全く存在しない。草分けとしての請求人のみである」等から、本願商標は、自他役務の識別機能を現実に発揮していることが明らかであると主張しているが、本願商標の査定時には、請求人以外の者も同様の役務を行っていることが認められ、また、前記テレビ等による紹介は、請求人のペットのための共済制度に関する役務が紹介されたとしても、需要者が「ペット共済」の語が役務の内容ではなく自他商品の識別力を有する請求人の業務に係る商標として認識するに至ったものとは認めることができないから、請求人の上記主張は採用できない。

また、請求人は、登録例を示して、それらの識別機能有無の判断を本願商標に適用しても何ら違法はない旨主張しているが、それらの登録例は、その共済制度の対象を的確に表し役務の内容を表したものとは認められないもの及び識別力を有する文字又は図形と結合してなるものであって、本願商標とは事案を異にするものであるから、その主張は採用できない。

したがって、本願商標は、その指定役務の質(内容)を表示するにすぎないものといわなければならないから、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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